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ChatGPT で特許明細書を書いて出願してみた

はじめに

こんにちは!商標登録サービス Toreru の宮崎です。今日は、ChatGPT で特許明細書を書いて出願してみましたので、その結果と感想を共有します。

なぜChatGPTで特許明細書を書こうと思ったのか

特許明細書の作成は非常に手間がかかる作業です。この作業を効率化し、より質の高いものにしたいと思い、ChatGPTを利用することにしました。
この社長ブログもChatGPTを活用して書いており、その経験も生かせると感じました。

ChatGPTで特許明細書を書いた結果

  • 作業時間:従来と変わらず

  • 請求項 :人間が100%執筆

  • 図面  :人間が100%執筆

  • 明細書 :AIが70%執筆・人間が30%執筆

作業手順

まず、請求項と図面は人間が作成し、それをもとに明細書をAIが執筆しました。その後、AIのアウトプットをもとに人間が修正を加えました。
請求項を ChatGPT に全て書かせると、権利範囲が適切でなかったり、その後の明細書に大きな影響があるため、請求項は人間が書くのが良いと判断しました。

良い点

  1. 人が明細書の全てを書かないことで、脳のエネルギーを節約できます。そのエネルギーを請求項など、本当に重要な部分に使えるのが最大の利点と感じました。

  2. 将来的に作業時間が短縮できる可能性があります。

課題

  1. ChatGPTの出力の待ち時間が長いのが課題です。ただし、徐々に出力速度が速くなっているため、そのうち、この課題は解消すると思われます。

  2. 効率化の方法を確立するにはまだ時間がかかると感じています。

将来性

ChatGPTを利用することで、特許明細書の品質が向上するかもしれません。
似たような例としては、将棋の研究があります。将棋では、AIが多くの指し手の中から最良の選択肢を提供し、プレイヤーはその手をもとに研究を進めます。その結果、人間だけの時よりも指し手の質が向上しています。
同様に、特許明細書作成においても、AIが文章の案を生成し、人間がそれをもとに最適な表現を作り上げることで、より質の高い明細書が作成できるのではないかと考えています。
さらに、AIは広範な知識を持つために、明細書でのサポートを充実させたり、権利範囲を拡張したりできる可能性があります。(例えば、「他に考えられる機械学習の種類は?」「これと関連する化学式は?」など)
ただし、AIの出力には間違いもあるため、人間が最終的に内容をチェックする必要があります。

ChatGPTを使いこなすためのスキル獲得方法

ChatGPTを習得するには、毎日使い、その特性を理解することが重要です。この過程で、ブログ作成が非常に役に立ちました。特に、構成は人間が、清書はAIが担当するという役割分担が効果的でした。
また、「プロンプトエンジニアリング」というAIの能力を引き上げる方法を学ぶことによって、高精度な出力を得ることができます。

ChatGPTのAPIを利用した明細書作成システムについて

明細書作成システムの普及は、現状ではなかなか難しいと感じています。
その理由として、ChatGPTで明細書を書く際には何十回ものやり取りが必要で、作り込みが大変だからです。
また、明細書の書き方は個人によって異なり、新しい方法を覚えるのにも時間がかかります。

今後の展望

今後はAIの執筆に慣れ、ブラウザのChatGPTだけでも、直近1年で作業時間を50%削減することを目指します。更に、システム作成を行い、5年以内に明細書作成を80%削減することを目標にします。

まとめ

AIを活用することで、特許明細書作成の効率化と品質向上が期待できます。今後も技術の進化を注視し、より良いサービスを提供していきたいと思います。

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