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暮らすような旅が増えるとローカルは活気づく

移働Vol.8 北海道浦河+帯広+α編 2018.11.15-2018.11.20

1~2か月に一度くらい、ときどき全国を移働して、地方のコミュニティとコミュニティをリアルにつなぐ活動を進める「全国ときどき移働協会」

今回の移働は北海道。

◆北海道帯広市
さて、最初に訪れた場所は北海道帯広市。
十勝地方に属して、人口約17万人(十勝全体では約35万人)
言わずと知れた農業が盛んな地域で、なんとカロリーベースの試算によると、十勝の食料自給率は約1,100パーセントとも言われれている、日本の食料基地。

今回、千歳空港経由で訪れたが、実は羽田⇔十勝で飛行機でてて、結構近いんだということに発見(今の時期だと飛行機も安い)
また、植物性モール温泉という、世界的にも珍しい温泉が帯広駅周辺の至る所で楽しめるし、飯もうまいし、人もおもしろい。人生初帯広だったが、予想を上回る楽しさだった。

※後述のヌプカで配布されている温泉マップ。肌にとても良い感じの温泉。


◆きっかけはパクチーハウス東京
帯広に移働するきっかけをもらったのは、交流する飲食店パクチーハウス東京で昨年行われた「あちこちで暮らそう・働こう・遊ぼう 多拠点ライフのススメ」というイベントだ。
イベント内容としては、十勝を盛り上げる為にクラウドファンディングを使って自主制作した短編映画「my little guidebook」 の上映会と、この十勝を盛り上げる活動の中心を担っている柏尾 哲哉さんらによる、東京と十勝の二拠点生活に関するトークセッションだった。

※my little guidebook 、現在んでは冬編もUPされているのでぜひ。


◆街全体をひとつのホテルに見立てて
そのトークの中で登場したのが HOTEL&CAFE NUPKA 。
帯広駅前の老舗ホテルを譲り受け「全国、世界から訪れる人たちを【暮らすような旅】でおもてなしする」をコンセプトにリノベされたホテルだ。

「暮らすような旅」というのが僕の住む地方の町佐久にとっても今後カギだと思っていて、帯広にはヒントになることが沢山あった。

また、最近のヌプカは、街全体をホテルに見立てて地域活性化に取り組む「日本まちやど協会」に加盟し、後述するような様々な活動を開始している。日本まちやど協会はイタリアのアルベルゴ・ディフーゾ(まちぐるみの宿)をモデルに立ち上がった協会で、このコンセプト、これからのローカルにとっては大切な考え方だと感じた。

※ヌプカのエントランス


◆ホテル(ゲストハウス)+カフェ&バー+コワーキングはやっぱり最強
さて、NUPUKAについては僕がここで説明するより上述のリンクを見ていただいたほうが詳しくわかると思うのでそちらにゆだねるが、宿泊してみていいなぁと思ったのは、1階にはロビー(コミュニティスペース)とカフェ&バーが併設されているということ。(しかもセンスが良いんだ、これがまた)

帯広駅前の立地ということもあり人の出入りは多く、PCを立ち上げて仕事をしている人もいれば、数人で打ち合わせをしている人もいれば、待ち合わせをしたり、カウンターでビール片手に談笑している人もいる。
こうやって地元の人や観光客が入り乱れ交流が生まれることで、観光客にとってはただの観光ではなく「暮らすような旅」に近づく。そして、この交流が帯広のファンにさせるはずで、単なる観光といった「消費」ではなく、一緒に街をつくる仲間(生産と消費が同時)になってくれる人もまた増えるはずだ。更には、コワーキングをする人は技術をもった面白い人が多いから、何か生み出される可能性は高いと思う。今回僕も帯広の方々と、本当にちょっとしたことだが、ひとつやることにした。

※帯広に毎月1週間は滞在している森山真人さん。この2拠点生活を初めて1年程度らしいが、今では帯広の街を盛り上げる人に。カウンターではヌプカオリジナルのクラフトビール「旅のはじまりのビール」ほか全国の尖ったクラフトビールも味わえる。


◆オビヒロ・ニューシネマ構想
上述の「まちやど」の活動の一つ。
ヌプカから歩いて1分程度のところにオープンしたセカンドラウンジ「ONNAY」。ここで、僕の宿泊中になんとラッキーなことか「オビヒロ・ニューシネマ」の第1回が行われた。この取り組みは、版権等の詳しい仕組みは割愛するが、ヌプカをはじめ帯広の街の3つの施設が主催していて、毎月各施設1本ずつ映画を上映する。ヌプカでの第1回は上述森山さんが仕切っており、街と2拠点生活者の理想像だと僕は感じた。

この活動は、大型シアターが増えている昨今、単なる「映画の消費」ではなく、地域のカフェやラウンジなどの既存施設や空き施設を使って映画を上映し、そのあと、ローカルフードなどを食べながら参加者同士が交流することに重きが置かれている。いわゆる商業的成功ではなく、コミュニティづくりに目的が置かれていて、このように、いろんなレイヤーで、かつ価値観が似通った人たちのコミュニティが多く生まれていることは、地域にストーリーが生まれると感じる。もちろん、帯広の街には、先にストーリーは作られているから、実態を伴ってくるといった表現のほうが正しいかもしれない。実際、ストーリー先行で、中身の伴っていない街づくりは・・・沢山あるから、今回の様に帯広の街づくりをしている人たちと「つながり」ができたのは大変大きい。

※ONNAYはこのようなイベント利用のほか、コワーキングスペースとしても使える。ちなみにヌプカ宿泊者は無料でコワーキング利用ができる。


◆良い大人が楽しむ
そして、夜の帯広。
パクチーハウスのイベントで出会い、十勝在住の通称オカホン(岡本 和之)さんが時間を作って来てくれた。これまた、ヌプカのカウンターでビールで乾杯し、オカホンさんの最近の活動を聞く。
移働して滞在するコミュニティは、どこに行っても、人が楽しい。
上述の柏尾さんも、森山さんも、オカホンさんも、僕の一回り以上上だが、こんな良い大人が思いついた楽しいことを、実際にやってしまっているのが、この街の魅力を作っているといっても過言じゃない。

ちなみに、こちらはオカホンさんらがノリで作った帯広の街の絵葉書。

実はこの絵葉書、表バージョンと、裏バージョンがあり、表は普通の活気ある帯広の夜の街。裏バージョンはディープな帯広の夜の街。
こういうのって、思い付きはするけど、実際やっちゃう人はあまりいない。だからこそオカホンさんたちは面白い。
この前佐久シャルソンで、おもしろい佐久の絵葉書あったらいいな、と思ってたところだったのと、オカホンさんのノリもあり、今度佐久の絵葉書を作って交換することにした。

その後は、ヌプカを後にして、夜の帯広の街へ。
オカホンさんたち、こんな帯広の夜の街を紹介するこんな動画も作っていたりもする。

帯広の夜ラストは、この動画づくりにも関わっている商店街の皆さんとも交流させてもらったが、良い大人が、いちいち面白い。

◆昔の活気というけれど・・・
今回の帯広での滞在は2日だったが、今度はもう少し長い期間滞在しようと思う。今回の移働もいろんな気づきがあったから、地元佐久でも吸収して展開していく。そして、ローカルの面白い活動をパクり合ってより楽しいものにし、この横のつながりを増やしていきたいと思う。

いろんな場所で、いろんな記事で「昔の活気を取り戻す」という表現しているけど、なんか違和感がずっとあった。移働する中で出てきた僕の(今の)結論。昔に縛られず、これから先を考えた新しい文化で活気を創っていくこと。

ローカルは人口は絶対減るし、土地や空き家というものは増えてくる。人を増やそうと移住合戦しあったって消耗するだけだし、日本全体での課題解決にはならない。それよりは、ローカル同士で協力しあって、これからローカルで豊かに暮らしていく、新しい文化をつくりたい。

移働しはじめて約1年と3.9か月たったわけだが、少しだけ言語化できるようになってきた。移働に近いものにリモートワークやテレワークがあるが、そこに、コミュニティの交流を入れたものが「移働」なのかなと。単純に自分の仕事を場所を変えて行う、だけじゃなくて、その地域の人とも関わってコミュニティを広げていくことが、大きな違いだ。ローカル同士の共存共栄の鍵が「移働」にはあると更に感じる今日この頃だ。

ということで、今後も、移働していく。
さて、次は・・・どこかな。水上かな?

※帯広行きたい!と思った方がいたらご連絡ください。面白い人繋ぎます。

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