ツール・ド・おきなわ140km(2017/11/12)

14回目のツール・ド・おきなわ。今年はチームメイト3人と共に140kmクラスに参戦。

前日の計量では66kg、重かった昨年+1.2kg。
レース当日の朝、タイヤに空気を入れてみたらシーラントが吹き出した。それで一旦は埋まったのだけど、アップ中に空気が漏れ出し、スタート30分前にブチルチューブを入れる。チューブレスタイヤはリカバリの選択肢がある点もメリットかもと前向きに。

レース前、昨年の100kmで独走優勝し、今年も優勝候補筆頭のリンク東北ハンさんに、みんなが注目している。
こちらは、昨年5位のかっちゃん、昨年までJPTで走っていたヤマケン、チーム内では一番のスプリント力がありニセコクラシックでも優勝しているキクの4人。我々にも勝てる可能性はあるが、チームのボスである高岡のように、自ら展開を作って勝てるほどの脚も経験も足りていないう台所事情。ハンさんを潰しにいって共倒れするぐらいなら、できるだけ協調し優勝ではなく上位の結果を残すプランを選択し、チームとしては最低限、表彰台に一人のせることを目標としていた。もちろん、展開によっては優勝も狙っていくつもり。

チームでシード権があるのは、自分とゼッケン”1001″のかっちゃん2人。遠慮なく先頭に並ばせてもらう。
とはいえ、残りの2人も与那の入口までには上がれるでしょう。そのための技術も十分に練習してきたはず。

スタート〜1回目のKOM
今年は210kmの集団を見送ってからスタート。
コース上では、100〜210〜140となるのでカオスなことになるはず。少しだけレースプランを変更。

与那までは前にあがりたい人はあがらせておく、かといって番手は下げない。
トンネル手前で前に上がり3番手でKOMに向かう登りへ。
今年は、9月以降に10分以上の坂を登ったのが1回だけ、正直なところ登りには全く自信がなく、1回目で切れることも覚悟していた。

昨年同様に津末選手が飛び出していくが、追随する動きもなく途中で吸収。ハンさんもまだ大人しく、上げ下げの少ない展開が続く。
この登りは斜度に変化があるため、特に集団にいるときは一定のパワーではなく、踏む/踏まないを工夫するだけで、だいぶ省エネになる。周りからは先頭を引いてるように見えたらしいけど、あくまでも自分のペースに周りを引き込んで何とかクリア。6.5kmのピークまでで17:02 276W、KOMまで18:18 277Wは成功。

2回目の登り口まで
山岳賞に向かってハンさん含め3人が飛び出すが、それは見送って7番手でKOMを通過し、すぐさまペースを上げなおして、コーナー3つで先頭にあがり下りをクリア。

補給所をすぎてT字路を左折すると、短い登りの度に微妙にアタックがかかる。RX的には序盤の逃げは容認、ムリして捕まえる必要はないのだけど、下りのラインを変えるだけで吸収出来るので、全て潰してしまった…

去年は無かった気がするけど、今年は奥にスプリント賞があるらしい。ちゃんと要項を読んでこなかったのは反省点。レース前に、ハンさんがスプリント賞も欲しいと言っていたので、軽くアシスト。1.5km手前の下りから後ろに着ける程度で飛び出し縦に伸ばす。残り500mまで引いたところで離脱。
奥のスプリント賞は、登り口の手前にあるので、地味に削られるはず。ジャブみたいなものだけど、ハンさんもスプリント賞取れて嬉しいはずだし、Win-Winということです笑

とは言え、ここは無理してあげる必要もないので集団に身をまかせて登る。

ここまでも積極的な1290番の選手が飛び出していった。次の登り口の与那までは距離があるし、去年と同じ展開であれば追う必要も無いのだけど、今年は100kmクラス2つが前方にいるのは違う点。800人近くがいるわけで、その気はなくても点在する集団のそばを通れば風よけにもなるし、抜いたあとに後ろに着いてもらうだけでも、だいぶ違う。なにしろ、展開が読みづらくなるのは避けたい。
そのため、COMカーが視界に入る程度、30秒ぐらいの差を維持していたが、フッとした瞬間に見えなくなってしまった。

感覚的には1分弱の差だろうか?

捕まえられるうちに捕まえたほうがよいと判断し、集団の先頭に上がってペースを上げる。結果として、この区間は昨年より30秒ほど早くなった。

下りに入り、比較的 見通しの良い区間へ入っても先頭が見えないのでペースは落とさない。ここまでの登りと同程度のパワーで集団を引いていると、数人の選手がローテーションに協力してくれた。こちらは最後まで走りきらないつもりで走っているので、少し申し訳なくも感じたけど、それもまたレースということで。

無事に漁港の手前で吸収。

140kmは4時間ほどのレース、2回目の普久川ダムを登ってT字路あたりまで行くと半分の2時間。つまり、まだ半分も終わってなく、ここで切れたらアシストも何もないだろうとは思うものの、だいぶ厳しくなってきた。

少なくとも、2回目の登り口までは集団一つで行かせようと先頭交代にも多めに入り、集団のペースを落とさないようにする。今年は、いつもより風が穏やかに感じたが、いつもなら「2回目のダムを登ってからがレース」なのに「2回目のダムまでのレース」をしている心境の違いのせいだろうか…

2回目のKOM〜学校の登り口まで
2回目の登りに入る、かっちゃんやキクに「後は頼んだ!」

Wappaの選手がペースを上げていく、RXサポーターズジャージを着ている高見澤が近くにいたので「一緒についてペースを上げろ」と伝えたが消極的。周りもそんな感じ。

ここまで自分がペースを作ったせいでもあるのだけど、そのせいで消極的なのかもしれない。しかし、コレでは1本目よりペースは落ちてしまう。ペースが落ちれば、大勢の選手が登りをクリアしてしまうし、そうなると後半では140kmにありがちな単独での逃げ切りをされてしまう可能性もある。

結局、3人ほどに逃げられてしまった。

集団ではハンさんが積極的にペースを上げているが、周りは着いていくだけなので追いつくたびにペースは元に戻る。まあコレはコレで脚使ってくれるからいいかなとも…

ここまで最後尾付近でギリギリ切れるか切れないかの状態であったが、2/3も過ぎると集団のペースも落ち着いたため勾配の緩い区間で前上がることが出来るようになってきた。アレですね。物理的な問題です…

6.5kmのピークまでで17:28 267W、KOMまで18:58 264W

2回目のKOM〜学校の登り口まで
KOMに向かって何人か飛び出していったが、下りで吸収出来ると思い…というより単にキツくて15番手ぐらいで通過。集団は70人ほど。

下ってる間に先頭にあがりたかったが、今回はコース上に100kmの選手が多数おり危ない。140kmの選手が通過した後、コーナーで無理に後ろにつこうとした選手が急にラインを変てアウトにふくらむ。反対からは別の選手がインに切り込んでくる。流石に逃げ場もなく、やりたくはなかったがコーナー中に急減速。かなりケツを引いてリヤタイヤのグリップを増やしたが、タイヤの限界でリアタイヤがロックして跳ねた。瞬間的にブレーキリリースして事なきを得たが本当に危なかった。しかしこのせいで高速コーナーになるとホイールが嫌な縦ブレを起こすようになった。

補給所を過ぎて残りはたまたま生き残っただけのボーナスステージ。T字路を曲がるとかっちゃんを連れて加速。一気に先頭に立ち速度を上げるが伸びない。それでもアウタートップで130rpmぐらい回していたが、横をペダリストの西山選手が踏まないで抜いていく…

しかし脚を止めるわけにもいかず、ペースは維持して高速コーナーへと入っていくが、縦ブレを抑えるので精一杯。それでも他の選手にはパスされずに下りをクリア、学校の登り口までの短い平地も踏み倒し、ほんの数秒の差だけど西山選手に続いて、かっちゃんを先頭で登りへ入らせることに成功した。後ろは、ほぼ一列棒状、中切れも起きていたので、どの選手もそれなりに脚をうことになったはず。

ここでオールアウトし自分は離脱。集団の人数を数えると50人弱。登りから20人しか減らせなかったが、何とかキクとかっちゃんでレースを組み立てられる人数には出来ただろう。

学校坂〜ゴール
と、ここでレースを終わりにしたいぐらいだが、名護まで帰らなくては…

サトウキビ畑の所まで登り切ると、前には100kmの集団が見えている。とりあえず、あそこまで行こうと近くにいた140kmの選手を連れてジワジワとペースをあげ合流。まだ身体的には問題無さそう。そうすると、また次の100kmの集団が見えたので集団を引き連れたまま下りでペースを上げ前の集団に合流。

ゴールまでに4,5個の集団を吸収した気がする。基本的には登りはほどほど、下りでペースを上げれば、みんな脚を使わずに着いていきやすい。しかし、中には逆のことをする選手もおり、登りのたびに飛び出していた。途中で教えて上げたのだけど気がついたらいなくなってしまったの、本当にもったいないです…

別のパターンだと、下りコーナーでイン側に下がって交代のサインを出してる選手がいた。これだと抜く選手はアウト側を走ることになるので、物理的な走行距離が増えてしまい、中々抜けません。これも気になって伝えたらレース後に、わざわざ挨拶に来てくれました。恐縮です。

そんな感じで、前に追いつくことあっても抜かれることも飛び出す選手もいないまま羽地ダムへ。毎年、ここで集団から遅れるので、苦手感タップリだけど流石にグルペットなので無事登頂。

数人抜けた選手を下りで吸収。橋のところでマスケンさんが見えたので、こちらも吸収、無賃乗車大歓迎です笑

トンネルの手前ではRXジャージ、誰か遅れたか?と焦ったけど100kmのバシでした。メカトラでアウターだけで走ってきたらしい。完全に魂の抜けた後ろ姿ではあったが、あと100mなら登れるでしょ。「必死で踏め!」

そのまま下って58号線へ。

順位的には50位前後、来年のこともあるからシード権は確保しようとイオン坂でラインを変えてアタック!しかしアタックというほどのキレもなくて数秒差しかつかず。下りで吸収される。

集団をよく観察。こいつはいけそうだという数人を決め残り500m、先頭3番手の好位置。300mを過ぎてスプリント開始!が全く伸びずにジワジワと抜かれる…

唯一よかったのは140kmの選手には一人しか抜かれず集団内2位を確保できたこと。

結果
42位 (403人出走220人完走)
http://www.tour-de-okinawa.jp/PDF/2017/05_result.pdf https://www.strava.com/activities/1271463751

ゴールして一番に気になるのはチームメイトの結果。キクは羽地ダムから逃げて捕まったにも関わらずスプリントで三位!去年は210kmで完走するのがやっとだったのに本当に強い選手になった。

かっちゃんは惜しくも7位。しかしコレだってすごい結果。

優勝は下りで抜いていった西山さん。強いだけでなくうまかったですね。

実は今年で終わりにしようと思っていたツール・ド・おきなわ。UCIグランフォンドやシクロクロスのレースも増え、自分の中での沖縄の位置付けが、さほど重要でないと感じていたのが、その理由。今年は、その気持ちが自分の仕上がりや中途半端なメンテナンスという点にも出てしまった。

しかし、高岡の優勝やキクの成長を見ると、まだ挑戦しなくてはいけませんね。

来年はRXとして210/140のダブル優勝、できれば100もあわせてトリプル優勝狙っていこう。もちろん自分の結果も過去最高で!

機材

フレーム: Swift Carbon ULTRAVOX TI M
ホイール: Campagnolo EURUS 2-way fit
サドル: selle SMP composite
クランク: パイオニア SGY-PM910H2(52/36) 172.5mm
レバー: Campagnolo Chorus
FD: Campagnolo Chorus
RD: Campagnolo Chorus
チェーン:シマノ CN-HG601
ブレーキアーチ: シマノ BR-7900
ジャージ:サンボルト オーダーサイクルジャージ

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