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『葬送のフリーレン』フェルンが愛おしいオッサンなのである

フェルンがとんでもなく愛おしい。
なんで?とずっと考えていたが、自分なりの答えが出た。

まず、声が好きだ。
声優を務める市ノ瀬加那さんの声。
これはかなり大きな要素の一つではないだろうか。
だから、まずはここを語ろう。

彼女の声に初めて出会ったのは『ダーリン・イン・ザ・フランキス』の「イチゴ」役。『ダリフラ』の中では個人的に一番好きなキャラだったのですが、ネットでは結構叩かれていましたね。自分勝手だとか、我が強すぎるとか。
ただ私はとても気に入っていました。
華奢な外見には似合わない芯の強い性格のキャラで、市ノ瀬さんのフワリとしていながらも芯のある声にピタリと当てはまっていたように思うのです。

その後『かぐや様』の「四条眞妃」や『聖女の魔力』の「アイラ」など、私が見るアニメに度々登場していたようです。が、失礼ながら市ノ瀬加那さんという名前は存じ上げていなかった。中心人物ではなかったこともあり、なんとなく見過ごしていたのだと思います。

そんなこんなで、初めて市ノ瀬さんの名前を調べたのが昨年のことでした。
『水星の魔女』の「スレッタ」役ですね。
wikipediaで出演履歴を見て、前記のキャラについても改めて知ったという次第。遅いわ!!
後悔してYoutubeで切り抜きを漁っては、「いい声~~」と浸るのであった。

市ノ瀬さんは、声を張って演技するタイプではなく、どちらかというと息半分、声半分みたいなバランス。その塩梅がちょうど耳に心地よいのです。今、私の最推しです。

フェルン役については、当初知らずに見ていて、耳が「あ!!」ってなったのです。そこから夢中です。

はい、話が大きくそれてしまいましたが、声優というのは推しキャラの重要な要素の一つです。しかし、オッサンがフェルンに関して抱く愛おしさの最大要素ではないのです。

今回書きたかったのは声優さんの話ではなくって、フェルンというキャラをなぜこんなにも愛おしく思うのかってことなんですよ。

結構いろいろと考えた末に、自分なりの答に辿り着きました。
それはね、たぶん私に娘がいるからだということです。

フェルンが、他のアニメに数多登場する女の子キャラと異なる部分。それは「幼い頃が描かれている」ということでしょうか。

ご存じのとおりフェルンは自殺を考えている時にハイターに救われ、育てられたわけです。当時は5歳ぐらいだったでしょうか。
あの丸い顔とちっちゃいフォルム。背伸びしながらも頑張ってフリーレンにお茶を出す仕草。などなどが、自然と自分の娘の幼き頃と重なってしまうんですよね。

どうしてもそうなってしまう。
親って、こどもの幼少期を不意に思い出すことが頻繁にあります。
そういう生き物なのかもしれません。

ちなみに、私には息子(長子)と娘(次子)がいます。

男の子と女の子の何が違うかって?
とんでもなく違うのは、小さい時の柔らかさです!
触れた感触です!
もちろん男の子、女の子、どちらも「かわいい!」
それは間違いないのですが、女の子って、生まれた時から皮下脂肪が多いようなんですよね。手も足も、ホッペもぷよんぷよんなんです。

その「ぷよっ」としたホッペ。
それがフェルンの幼少期に「これでもか!!」ってぐらい上手に描かれているんです。
たぶん指で押すと、プルンって感じで押し返してきそうなほどに。

なんか、書いていることがヘンタイっぽくなってきましたが。

と、まあ、そんな感じでフェルンの小さい頃の可愛らしい姿をアニメで見ながら、勝手に自分の娘の十数年前のことを思い出して重ねていたんだと思います。

で!

やはり、この部分があったからこそ、フェルンを愛おしく感じるのだと思うんです。こんなふうに感じるのは、オッサンだけでしょうか?
今のフェルンしか知らないのと、小さい頃を知っているのとでは、思い入れが段違い。それが答えにつながっていったのです。

その後、順調に……というか一気に成長したフェルン。
背もフリーレンより高くなって、どんどん女性らしくなっていきます。
声も少し低くして、年齢に合わせてきていますね。

お姉さんになっても、やや丸っこい顔つきは、幼少期の面影を残しています。だからこそ、自然に昔を思い返してしまうのかもしれません。

こうしてフェルンに対する思い入れが、とっても大きくなっていきます。
ただ、ここで終わりではないのです。

実はこのフェルンに対するのと同じことがフリーレンに対しても起こるのです。つまりフリーレンも愛おしく感じるようになります。

それが第10話「強い魔法使い」

師匠のフランメがフリーレンを救うところから、修行の日々と死別。
その後の勇者一行との出会いまでが描かれています。

昔のフリーレンの見た目は、髪を下ろしている以外は今とほぼ同じです。
しかし種﨑敦美さんは微妙に声のトーンや話し方を変えています。
フランメのことは御伽噺として語られるほど昔の話ですから当然と言えるのかもしれません。それをはっきりとはわからないけど、なんとなくわかるように、演じ分けています。さすがプロです。
そのお陰か、今よりもずっと幼いのだなということがわかります。

結局、フリーレンも自分の娘のように感じるようになってしまうのです。そう仕組まれているのです。

キャラの過去を程よいタイミングで描くことで自然に感情移入できるようになっていますね。そして、徐々にヒンメル、ハイター、アイゼンの過去なども明かされていっています。

それだけではなく、シュタルクが村で唯一生き残った話を通して彼にも思い入れが深くなっていきます。

そうこうして1クール終わったころには、視聴者は全キャラに愛おしさを感じる状態になっているわけです。

作者の術中にまんまとはまっているのですが、それさえも心地よいのがこの物語の良いところですね。

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