見出し画像

不自由と自由のサブスクリプション

サブスク断捨離

世の中サブスク(定期購読、、ですよね本来の意味は)のビジネスモデルが乱立しすぎだと感じているのは僕だけではないはず。

自分でもあまりに契約しすぎていて、5年間以上税金を払い続けてきたEvernoteを解約するなど、今年はちょっとサブスク断捨離に取り組んでいる。

今、プライベートとビジネス合わせて、所謂月額定額契約をしているものを列挙すると…

・Gsuite
・Amazon Prime
・Disney+
・DMM英会話
・Sonoligo
・Zoom
・Y!mobile (話し放題なので、いちおう。)

なんかまだある気がするけど、よく使っているのはこんなもん。あと、会社のネット回線やオフィスの家賃なんかもサブスクといえるのかもしれない。

ちなみにデジタル大辞泉によれば、「サブスク」は「定額制」にリンクが貼られていて、「一定の料金を払うことで、期間中に何度でもサービスが受けられる形態のこと。特に、インターネット・携帯電話の通信サービス、動画・音楽の配信サービスなどにおける、利用時間や通信量によらず一定の料金を課すシステムについていう。サブスクリプション。サブスク。」とある。

この定義によると、月に一冊しか届かない「月刊誌」や、日に1部か2部しか届かない「新聞」の定期購読を「サブスク」とはいわない気もする。


まるでサブスクリプションのバーゲンセールだな…

いわゆるビジネスコンテスト的なものでプレゼンを聞くと、猫も杓子もサブスクのビジネスプランばかり。

そりゃあサブスクモデルって、事業計画つくるのは超楽(客数だけいじればいいわけで)なんだけど、そもそもそのモデルって本気で成り立つの…と思うものの割とある。

サブスクを考える時点でもはや完全に財布の中身(というかクレジットカード枠)の奪い合いになるわけで、
日本におけるAmazonやDisney+の驚異のコストパフォーマンス(2020/10/30は #ThisIsTheDay ですね! )と一緒にクレジット明細に並ぶ勇気はあるのか、という話。


自分でもサブスクを考えることもあるので、研究を兼ねて、この夏様々なサブスクに登録してみたものの、
コンポスト、完全栄養食、コーヒー…
全部ひと月で解約してしまった。

発見の場

なんでこの記事を書こうと思ったかというと、一度解約したこのコーヒーのサブスク PostCoffee を、今更ながらやっぱりすげーいいと感じてきたから。

冬場1日に5-6杯はコーヒーを飲む僕にとって、セブンのオリジナルブレンドモカブレンドは心強い味方だけど、毎日同じ味のものを飲むことになる。

なんとなく好きなスペシャリティコーヒーがないことはないけど、くり返して楽しむ嗜好品って、結局一種類だと飽きる、僕みたいな人は多いはず。

そういう意味で、様々な味がパーソナライズされて送られてくるPostCoffeeは、自分で選ばなくてもいいうえ、飽きないという、素晴らしい体験。

これって、SpotifyのDaily MIX(これまでの履歴を元に、自分が好きそうな曲をちょいちょい織り交ぜてくれる)やNetflixやAmazon Prime Videoのレコメンドと一緒。
めっちゃ楽なんだよな。


SpotifyのDairy MIXが素晴らしいのは、自分がよく聴いたり、LIKEしているアーティストだけでなく、それらを元に「聴いたことのないアーティスト」も紹介してくれること。
(THE BAWDIESや The Sonics、オールディーズばかり聴いている僕は、The Crampsを「発見」した)

これはPostCoffeeでも一緒で、今までインドネシアのマンデリンばかりに傾倒していたが、めっちゃアロマな香りで美味い「ホンジュラス」の発見につながった。

うーん、やっぱり再契約しようかな、PostCoffee。


不自由と自由の狭間

ここで気が付いたんだが、すべてのサブスクリプションサービスって、「使い放題」という表現に代表されるとおり「利用回数の自由」を保障し、「自分の枠」を超えた発見を提供してくれる一方、「選択の自由」は放棄して「サービスの枠」に身をゆだねていることと相違がない。

(Spotifyでは、僕の好きなしまんちゅアーティストの「ヤンバラー宮城」は聴けない…! これが時たま垣間見えるSpotifyの「サービスの枠」だ)

これ、例えば元祖?サブスクの新聞購読でもそうだよね。
ある新聞を契約すると、一日では読み切れないほどの量の情報(=利用回数の自由)を提供してくれる。

一方で、例えば産経新聞を読んでいる人に朝日新聞の記事は届かない。


つまり、「デザインされた無限の自由」なんだよな。


ちなみに、産経新聞も朝日新聞も読売新聞も選択する自由は本来あるわけだが、残念ながらみんななぜかあんまり契約してないよね、多分。
(そういう意味で、他の新聞と重ねて契約している人が多い印象の日経新聞の戦略は賢いのかもしれない)

僕は「独自コンテンツ」という名の罠にハマって、Disney+とPrime Videoを重ねて契約してしまっているわけが、残念ながら今、Netflixを追加契約する時間的な余裕はない…
(おかげさまでアイアンマンに加えて、マンドーとトランスルーセントが好きなヒーローリストに加わった)。


戻ってきたくなる「枠」を

すべてのサブスクサービスは、解約の方法をわかりにくくするのは本当にやめたほうがいい。

実際、ここまでPostCoffeeのことを書いておきながら、現時点で再契約に踏み切っていないのは、解約時における心象がめっちゃ悪かったから。解約くそやりにくいねん。

「解約したい」と思われた時点で、製品や顧客体験の設計に何か問題があったわけで、それ以上心象を悪くするのは、お国から免許をもらう大手携帯電話会社ばりのインフラポジションになってからにしたほうがいい。

「発見」さえデザインされていれば、人はまた喜んで「デザインされた無限の自由」に戻るから。

あー、再契約しようかなーー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?