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心が動けば

4月6日〜7日
大阪籠球会として能登半島へ行ってきた。
来年でチーム結成20年、これまでも東日本大震災を始め色んな被災地へ行ってきた。
炊き出し、泥かき、そしてバスケットを通しての活動。
初めてチームとしてボランティア活動した東日本大震災の時も大阪でイベントを開催してその売り上げでバスケットゴールとボールを購入して東北へ持っていった。
出来ることなら色んな場所や沢山の人をサポートしたい。
ただ僕達は大阪で活動しているストリートのバスケチーム。そんな訳にもいかない。

 『できる事』を『できる範囲』で【継続】すること。

この13年で自分達なりに出した答えだ。
学生時代にバスケを奪われたら…想像を絶するストレスだと思う。
もちろんバスケットだけじゃない、野球、サッカー、音楽やゲーム。エネルギー溢れる10代、夢中になってるものがいきなりなくなる。しかも長い期間で。
今回も震災直後にグッズ(手ぬぐい)を販売してその売り上げでゴールとボールを購入し被災地の子供達へ届けに行ってきた。
1日目は金沢市で開催されているミニバスの大会へ。ここでもボールを寄付させてもらった。翌日クリニックを開催する珠洲市のチームも参加していた。
そこから西岸というエリアの支援ベースへ。
体育館に支援物資が沢山並べられていた。

体育館に並ぶ支援物資

ここで代表のトムさんから色んな話を聞いた。
2日間の旅で1番印象に残っている時間かもしれない。

写真に写っているブルーシートは外から中が見えないようになっている。中が見えると『◯◯がこんなにある!』と必要以上に物資を持っていってしまう人がいるからこうしていると。だから細かく仕分けして渡しているんだと。

支援ベースのトムさん

金沢市内は特に不自由は感じなかったが、この辺りからは上下水道共に復旧してないエリアでトイレも全て仮設だった。
ニュースを見ていたら道も水道もかなり復旧しているイメージだったがそうじゃなかった。
『水道は9割復旧しています』の【9割】という数字にはトリックがあった。【国】が管轄している水道が【9割】復旧しているだけで、そこから民家へ繋がる水道は全く復旧していない。故に国が管轄する水道が100%復旧しても、その先が復旧しないと家から水はでないのだ。

他にも行政との連携や自衛隊の話、録音して文字起こしすればよかったと後悔している。それだけ密度の濃い話。
メディアじゃ報じられない話。
次行く時はもっとしっかり時間を取って話を聞きたい。
支援ベースの後は輪島市へ。
今回、能登半島のバスケット関係者と繋がりを作ってくれたMAN WITH A MISSIONのトーキョータナカさんに挨拶。サポウィズ、コネクトとして全国の被災地で活動している。

MAN WITH A MISSIONのトーキョータナカさん🐺

輪島市も至る所で仮設住宅が作られていた。
震災から3ヶ月、目標の2000に対してまだ100しか作られてないらしい。

急ピッチで作られている仮設住宅

そしてこの日はたまたま輪島市のお祭りの日。倒壊した家屋だらけの真ん中にある神社や広場を使っての開催。
タイミングよくさだまさしさんのLIVEを見れた。

さだまさしさん

LIVEのMCでさだまさしさんが言っていた。

音楽で心が動けば身体が動く
身体が動けば疲れる
疲れるとしっかり寝れる
しっかり寝れると元気になれる
だから被災地で僕は音楽を続ける

野口健さんや箭内道彦もイベントに参加していて、自分達が知らない人達も行動している事を知れて嬉しかった。
そこからは輪島市で火事になった場所へ。

この光景は、心身共に元気な自分もかなりダメージを受けた。『被災地、行ける人は行ったほうがいい』って言う人も多いけど『元気な人で』って条件も付け足した方がいいと思った。
【自分が潰れたら終わり】
お金、体力、メンタルどれをとっても無理をすると続かない。自分のできる事を考える所が第一歩だなと。

1日目の工程を終えて今回泊まらせてもらう宿へ。
ここもまだ上下水道共に復旧していないので、トイレを流す水も大阪から持参した。ボランティアは基本自己完結。
トイレもやけど、顔を洗う、髭を剃る、歯を磨く、日常生活で当たり前に水を使う場面全てが不自由。
ペットボトルに水を入れて宿の前で歯を磨く。
ただそこに広がる景色は最高に綺麗でした。

宿の前で歯磨き

シャワーすらなくボディーシートで身体を拭くしかできないけど、それでも電気が通っていて、マットレスの上に寝袋やけど部屋の中で寝れる事はありがたかった。
俺らは一泊の我慢。
でもこっちの人はこれが日常。
沢山の情報より、一泊の体験が勝る。正にそんな夜だった。
僕達が泊まっていた宿もクラファンやっているので是非チェックしてみてほしい。

2日目は珠洲市のみさき小学校でクリニックとパフォーマンス。輪島市からでも1時間ちょっとかかる半島の端の端。前日の金沢市の大会にも参加しているチームの子達も沢山いたのでこの距離を移動していたのかと驚いた。
会場に到着したら大きなポスターが入り口に貼られていた。この情報は珠洲市の公式LINEでも告知されていたみたいでビックリした。

体育館入り口に貼られた大きなポスター

午前中はクリニックがメイン。
普段奈良でスクールをやっているskillelementsのKANとみつきを軸に約2時間のクリニック。
お昼ご飯は学校の目の前にある海辺で。

学校の目の前が海

クリニックに参加していた小学生の女の子が
『おっさん達とご飯食べたくなーい!カップラーメンは身体に悪いよー!』
って言ってたのに、どんどん近付いてきて結局最後は一緒にカップラーメンも食べていた。笑
昼からはパフォーマンスとゲーム。
保護者含め生まれて初めてパフォーマンス見る人が殆どで楽しんでもらえて本当によかった。

パフォーマンスを見る子供達
(メンバーのみつきが1番笑っている)

被害の大きかった珠洲市。
家が倒壊してしまい、避難所じゃなく一時的な引越しをした子供達も沢山いて、中学校でも部員5人もいなくなってしまって試合すらできない状況だと。
1日通して子供達や保護者の方々とコミニケーション取ってみて【各々の問題】があるなって印象でした。
たった1日、数時間だけでも『楽しい!』って思える時間になったならそれだけで行ってよかったなと思う。

参加してくれた珠洲のみんなと

今回は去年から仲間になった大阪籠球会の若手メンバーも一緒に行く事ができた。京都大作戦やSOMECITY、パフォーマンスだけじゃなくチームとしてこういう活動もしっかり伝えていきたい。

帰りの車で相方のKANとダツラジオで色々話しました。
これも合わせて聞いてもらえたら。

今回で見えた『やれる事』も沢山あるので、色んな人を巻き込んでまた能登へ行きます。
この記事で1人でも心を動かす事ができたら
書いてよかったなと思う。

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