編集後記「三十五日の山参り」

こんにちは、正井です。

PC新しくしたら動画作成モチベがぐっと上がったので何が起こるかわかりません。


今回は「三十五日の山参り」の再話翻案となります。

まんが日本昔ばなしのデータベースはこちらです。“放送日:1993年12月11日(平成05年12月11日)“とは随分遠くまで来たものです。

三十五日を淡路島外では行わないと正井が知ったのは、実は割と最近です。三十五日の法要は「おにぎり転がし」「団子転がし」と様々呼ばれます。最近では内田康夫の『神楽島』で描画されておりますが2012年のご本ですので今の時代の速度ですと少々古いでしょうか。三十五日法要にはこんな謂れがあってね、とは教わりますが、淡路島以外ではやらないんだよ、とは確かに教えませんね……。


ともあれ淡路島に根ざした暮らしをしていますと、大抵三十五日はやります。これは家々で変わっておりまして、親戚一同集まり、近所の一番高い山に参ります。日本昔ばなしでは東山寺、淡路島最古の木造建築のお寺さんで行われています。淡路市内ですとこちらがポピュラー、洲本方面ですと先山千光寺が有名と思われます。他にも常隆寺、観音山など宗派にも寄ります。

だいたい四十九日や一周忌と同じくらい盛り上がるイベントですが、法事法要、忌日ですので見学などは難しいでしょうか。あとは若いころに島外に出られた方は存じない方もおられますので、「淡路島っておにぎり投げるんでしょ?」の質問の前に忌日を淡路島で経験しているかも大事ですw

さておにぎり転がしの現場ですが、切り立った崖の山林の中におにぎりを投げますから、ラップは巻いてはいけません。害獣を防ぐため具材おかかなどもってのほか、ある意味風葬めいた儀式なのかも知れません。法要にあるまじきことに、飯粒で手がべったべたです。

淡路島は現在少子高齢化の極まった地域でもありますから、古典好きとしましてはこういった土着の不思議なものが忘れ去られるのもなんだか寂しく感じます。ご先祖さんは「仕方なし!」とされるでしょうか、「ゆるさん!」となるでしょうか。これは今後の楽しみとしておきましょう。

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