無常等、いりません。

いつも新しいことを始めると、それと入れ替わるように何かが終わる。
しかも、それが終わるのは良い方向ではなく、悪いまたは悲しい方向へ向かっていることも多い。

人間の感覚って、とても優れていると思う。
だから、悪い予感なんかがけっこう当たっていたりする。
からだに経験則が染みついているのだろうか。
私の悪い予感もよく当たる。どうしてなのだろう。

今日、親とのラインのやりとりで判明した事実があった。

本題の前に書いておくべきことを書いておく。

実家では犬を飼っている。トイプードルだ。
家族になって15年。私が小学生のとき、たまたま行ったペットショップでたまたま見かけた子犬。とっても人懐っこい性格で、私たちはこの子の虜になった。
そして、次の日には、我が家の一員になっていた。名前はマーブル。

三兄妹の私たちに4人目の弟ができたように、一緒にはしゃぎ、一緒に寝て、一緒にご飯を食べた。うちの四男はかなりの大食い。自分の食事が終われば、ほかの食事中の席の隣にスタンバっていた。
きゅるるんとしたかわいさと吠える姿の迫力に負け、いつも甘やかしてしまう私たちだった…。

時はたち、子どもだった私も社会人になり、彼も私の年齢より先輩になっていた。
就職で引っ越しをした私だったが、彼のことはいつも気になっていた。
年のせいもあり、体が弱り、肺に水が溜まるようになっていたのだ。クスリを飲ませていたのだが、完治するわけではなかった。

なんとなく気にしていたなかで、ラインで母に「たまにマーブルの爪切ってあげてね」と連絡を入れた。

すると、すぐにきた返信には「電話ができる?」と。
嫌な予感がしてたまらない。

「今、マーブル入院してるよ。もうこれで最後になるかもしれないのを覚悟しておかないといけない。」

ゆっくりと、冷静に、冷静に、受け止めようとした。
でも無理だった。私の人生史上、一番泣いちゃってる。はぁ。

まだ私が家から出ていって一週間ほどしかたっていないじゃないか。
ゴールデンウィークに帰省して、マーブルととことんラブラブするつもりだったのにな~。

いつもそう。
何かが始まれば、何かが終わる。
そういうことが世の常か。
無常なんていらないよ。

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