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Creative Alliance

この度Bassdrumという(清水幹太がリードする)新規事業の立ち上げに合わせて、業務提携先であるdot by dotとのより効果的なコラボレーションを押し進めるために、僕の日本における活動のrepresentation(新規プロジェクトへのアサインなど)をdot by dotにお願いさせていただけることとなりました。

これまで通りPARTY個人宛に来る仕事の依頼ももちろん継続してお受けしますが、富永勇亮という優秀なプロデューサー兼ビジネスディレクターによって、僕のクリエイティブ・スキルが活かせるようなお仕事をこれまで以上に紹介していただいたり、素早くチームをアサインできるような体制を整え、より多くのプロジェクトに対応できるようにしていきます。また逆に、海外におけるdot by dotの仕事の窓口、海外業務に関するアドバイザリー及び、クリエイティブディレクターとしても僕が積極的に参加をしていくこととなります。短い言葉で説明すると「大好きで超いかしたクリエイティブチームともっとがっつりいっしょに面白いものつくれるようにしようぜ!」という試みなのですが、もう少し頭悪くなさそうに書くと以下のような理由となります。

現在僕はNYを拠点としており、仕事の比率が海外プロジェクトが80%(訳あって計算したのですが、厳密にいうと66%がアメリカ、14%がアジアやヨーロッパ)、日本国内のプロジェクトが20%ほどとなっています。20%というのが多いと思われるか少ないと思われるかわかりませんが、PARTY NYを始めるために相棒である清水幹太とリュック一つで渡米したときは全てが0%、もしくは日本から行ったことを考えると日本100%だったので、そこからは随分遠くへ来られたように感じます。それから4年、外様である僕らのような日本のちっぽけなクリエイティブラボがNYという巨大なクリエイティブのメッカで成功するためには、ともかくローカルの仕事で認められ、ローカルの経済圏できちんと回っていく組織にしないといけないと考え、断腸の思いで日本でのプロジェクトのご依頼をそれなりの割合で断るようにしてきました。これは日本のプロジェクトがつまらないからとか、規模が小さいからとかではなく、単純に地域に根ざした会社のポジションをきちんと確立するためでした。拠点は海外なのに結局日本の仕事ばかりしていたり、箔のためだけに一応海外に住所があるような会社には絶対したくなかったのです。異国の地で事業を立ち上げるためには、ちゃんとそのチームのDNAを抱えた「種」となる人がその土地に赴き根を張り、その土地の文化を土として、その土地の人やネットワークを水とし、その土地のプロジェクトを光にして会社という木を育てないといけないという想いでやってきました。そして4年がたち、上記のような業務比率が物語るように、やっと自信を持ってNYだけでなく国際的にも認めてもらえるPARTY NYという、きちんとNYに根をはって花を咲かせられる木を育て上げることができたと感じています。

なので今度はやっと初心に立ち返って、今のネットで繋がった社会の強みを活かせるような、場所という制約にとらわれずインターナショナルに活動できるようなビジネスモデル・企業体系にシフトしていけるようにしたいと思ったのです。つまり僕や幹太さんが常に物理的にNYにいなくても会社は回っていけるようになったのではないかと。国や場所という枠組みを気にせず、面白いアイデアや新しい体験を求めてくれるクライアントやオーディエンスがいる場所で企画・制作をするという当たり前のことを世界規模でやっていきたい。だからまずは、これまでの枷を外し、敢えてお断りしてきた日本のプロジェクトを再びもっと増やしていこうと考えています。そのために日本においてこれまで以上に戦略的に動ける物理的なプレゼンスを強化する必要があり、その一つが幹太さんのBassdrumであり、さらには僕とdot by dotの連携だったりします。dot by dotのメンバーとは以前からいくつもの「誰もやったことがない」ようなプロジェクトを「ロマン仕事だねぇ」と笑いながら、共に見果てぬ頂を目指して登頂するかのようにいくつも成功させてきました。お互いのスキルを知っているからこそ背中を任せられる信頼できる「パーティー」だと思っています。彼らが僕らのために日本で動き、僕らが彼らのために海外で動くことで両社にとってより面白い機会を創出できると考えています。

今の時代、仕事の仕方はひとつではなく、ひとつの「会社」に縛られるものではないと信じています。そんな枠組みにこだわることなく、垣根を気にせず「点と点をつなぐ」ように様々な仲間とアライアンスを組み、より効率的に、より面白いものを作れたらそれでいいじゃないか。そんな想いで新しい年を迎えつつ、気持ちを新たにものづくりを続けようと思っております。日本でお会いできる機会も多少増えるかと思いますので、みなさま今後ともよろしくお願いいたします。

川村真司
PARTY NY
CEO / ECD

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