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失敗は良い!科学的考察。

参考文献:

「失敗の科学」マシュー・サイド

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日本では「失敗することは悪いことだ」と叩き込まれている風習がありますよね。

受験に失敗したからお前はダメだ。
就職活動に失敗したから自分はダメなんだ。
仕事で失敗をしたやつは悪い。

こんなに「失敗が悪い文化」の中で生きていこうと思うと息苦しく、失敗を次に活かすことができなくなります。

「失敗」:はダメなことではないんです

「失敗を活かせないこと」がダメなんです

世の中には失敗をすることで命を落とす職業もあります。

例えば
パイロット医者です。

ここに驚異的な数字があります。

この2つの職業が扱う命は同じですが、失敗している数が明らかに違うのです。

それはなぜかを紐解いていきましょう。

2013年の国際航空運送協会の調査によれば、3640万機の民間機が30億人を乗せて世界中を飛びましたが、そのうち亡くなったのは210人のみでした。

830万回のフライトのうち、わずか事故は1回ということになります。

次に医者の医療ミスはどうでしょうか。

ハーバード大学の調査によると、アメリカ国内だけで毎年12万人が医療ミスで亡くなっています。

これアメリカだけでですよ?

つまりボーイング747が毎日2機、事故をおこしているのと同じです。

あるいは2ヶ月に一回911事件が起きているのと同じなんです。

ここで問題になることは、なぜ航空業界と医療業界にこれほどの失敗の差があるのかです。

なにが違うのでしょう。

アメリカの医療現場の調査によると、医療ミスを起こした医者の言う言葉の大半が「しかたがなかった。」という言葉だそうです。

回りくどい表現でミスから意識をそらそうとします。
それは政治家もリーダーも同じです。

つまり言い訳ですよね。

「自分は正しかった。状況が悪かっただけ」

これで今後医療ミスが減ると思いますか?
恐ろしいですよね。

またその医者が医療ミスを行うと同じことを言うのです。

「自分は正しかった。状況が悪かっただけ」

では航空業界は失敗をどのように対処しているのでしょうか。

航空業界ではパイロットは正直に、オープンな姿勢で自分のミス(ニアミス)と向き合います。

また、自己調査のために強い権限をもつ調査機関が存在しています。

航空業界では、失敗をそのパイロット個人を非難するのではなく、すべてのパイロット、すべての航空会社にとって貴重な学習チャンスとなっていました。

たとえば1940年代にボーイングBー17爆撃機が一連の着陸事故を起こしていました。

この事故に向きあうため心理学者のアルフォンス・シャパニスに調査を依頼したところ、ついに事故の原因の核心をとらえました。

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