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入塾希望じゃありません。

黙々と資料を作っていると、隣にどさっと誰かが座ったのがわかった。

「さっき言ってたのこの資料なんだけど」
と依頼はしていないけど、説明を始めてくれる。
塾の生徒と先生のように、会話というにはあまりにも一方的なインプットが始まる。

自分の中に溜まった知識を放出したくて堪らないのだと思う。それがその人の癒しに繋がるならと興味のあるふりをして聞く。
実際にとても有益な情報ではあるものの、今は目の前の明日締め切りの資料作成に追われているので聞く余裕がない。

でもその人の心の傷が頭をよぎってついつい愛想良く、相槌を打ってしまう。それに悲しいことにそれが出来てしまう自分がいる。

こういう時に気を使わずにせめて嫌そうな態度を取りたい。

でもそれが誰かを心の崖から突き落とすんじゃないかと思ってできずに結局自分が疲れ果てる。

まさか飛び込もうなんて毛頭思わないし、そこまでぜんぜん追い込まれてなんかないけど、疲れてホームにぼーっと立っているのは事実だ。

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