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史上初の赤字!?【プロレス興行収支報告備忘録】

やや日にちが過ぎてしまいましたが、PPPTOKYO初の横浜進出となる、横浜ラジアントホール公演が先日無事に終了しました。

公式YouTubeチャンネルにてアーカイブ視聴可能です。1万回再生を超えてまだまだ見られています。

PPPTOKYO本公演としては超満員を記録出来ました。
しかしながら同時に反省点も非常に多く、ここでは特に興行ビジネスの数字的な部分にも若干触れながら、その難しさと今後に向けた学びを一般の方にも見えやすい形でまとめられたらと考えています。
しばしお付き合いください。

■プロレス興行は「イベント型」と「コンテンツ型」

以前のエントリーでも触れていますが、プロレス興行ビジネスは大きく分けると上記の二つに分類されると思っています。

・大資本傘下の団体で、選手を年俸ベースで契約し、自社の商品(キャラクター)として扱い、団体というコンテンツを作り上げるソレ。

・単発イベントベースで選手には都度の稼働費を支払い、一つのイベントとして積み上げていくソレ。

弊社は完全に後者発であり、一方で所属選手という契約を一部採用することによってソレらの中庸を目指していっているといった、いわば道半ば、一所懸命頑張り踏ん張りな日々を送っているわけです。
企業様のサポートやタイアップを積み上げていく事で、イベント単発ベースに少し毛が生えてきたという今日この頃です。

コンテンツビジネス化すれば、例えばある大会が赤字であったとしても、それは年間通じての投資として考えられる部分も大きいですし、それはそれとして成立するロジックと大義があります。

しかしながら、イベントベース型興行においての赤字はただの損失でしかなく、赤字グセはその後の成長を鈍化させる事は間違いないでしょう。

PPPTOKYOは旗揚げ以来イベントベースでPLが赤字になった事は一度もありませんでした。どんな形であれ、黒字化は最低目標であり、しかしながら売上以上に根本のクリエイターとしてのモノづくりを優先させている部分もあります。
この話はまた別の機会にするとして。

上記の話については例外として、何か別の事業や副業で売上が過剰にあり、税金対策や半ば思い出作りに行っているものは別です。実際そういうイベントも多くあるでしょう。

■興行における「支出」と「収入」

プロレス興行における「支出」と「収入」の内訳を見ていきましょう。

【支出】
①会場費
②リングレンタル代金
③音響/照明機材
④出演者ギャランティ
→選手/他出演キャスト/レフリー/音響/リングアナ/売店委託スタッフ/他
⑤広告制作物(ポスター、フライヤー等)
⑥プレイガイド委託手数料
その他にも雑費多数。

【収入】
①ゲート収入(チケット売上)
②グッズ売上
③スポンサー収入
④放映権料または自社映像コンテンツ収益

はっきり言ってプロレス興行は【支出】面が多いです。
これは実際に興行を打ってみないと肌感で分かり得ないところはありますし、それゆえに自身を過大評価し勘違いした金額のギャランティを請求してくる演者を見ると……。もっと頑張ろうと思える次第です。それはそれとして。

■演者参加型興行への嫉妬と渇望

個人的に身近なスポーツ興行で「ボディビル」「パワーリフティング」「柔術」などがありますが、いずれもアマチュア興行は参加者からも《参加費》を徴収し、観覧するお客様からも《チケット代》を受け取る、“超ゲート収入型”興行!!なわけです。

さらにボディコンテストなどの場合は出場に至るまでのセミナーや講習会でも参加費を徴収出来るわけで、ビジネスモデルとして最強だなあと日々学びと刺激をいただきます。

一方でプロレス興行はプロレスラーにしか出来ないわけで、一般人が参加するロールモデルを考えると地獄のような……

いや、けれどもそんなシステムが作れたら、それこそ世紀の発明なわけで。

話が逸れました。
先日の横浜公演は、盛り上がりや会場の雰囲気、視聴数などの“キテる感”の一方で、興行ビジネスとしてはかなり厳しい結果になりました。

では何が厳しかったのか……

■横浜ラジアントホールにおける失敗と学び

前述した内容に基けば、この会場はそもそもの会場費が高すぎるとい問題があります。
会場はもとより、控え室もべらぼうに高いという落とし穴もありました。
男子控室に加えて女子控室を追加で申請したら、丸一日で○○万円の請求が来てたまげました。

かといって、控え室を一つだけにしては、演者に対して失礼であり、
その辺りが自身が選手をやっているからこそ肌で分かる感覚というものがあります。

しかしながら、ビジネスとしては黒字化を目指し落とし所を作らないといけないので、今回は種々の判断が良い勉強になりました。


今回は「横浜初進出」というコンテンツとしてのブランディングに主旨がありました。
しかしながら、単発興行ではどんなに動員しても厳しいペイラインという中で、一日3部興行という賭けに出てみました。
会場費や付帯設備を按分することで1興行あたりの負担を少なくするという考え方です。

しかしながら、演者のギャランティという面、広告宣伝費という点について結果としてさらに支出を増やしたのでは!?という反省点はあるものの、単発で興行した場合の数字を想定すると、それはそれでかなり恐ろしいわけで。

■最適な会場はズバリ……

こうして振り返って見ると、やはり【リング常設】という会場はプロレス興行において最適解だと思ってます。
リングレンタルと設営及び撤収の手間と時間を考えると、費用対効果も含めて、PLの数字を見た時も差は歴然です。

ズバリ、新宿FACE最高にして最強!

個人的にはそう思ってしまうわけです。

はっきり言って後楽園ホールで興行を打つよりも、利益だけを見たら…

おっと、これ以上綴ると、新宿FACEの予約が取れなくなってしまうかも。

なんて事を思いながら、次回公演の告知です。

PPPTOKYOにとっては聖地・新宿FACE

『The New Year Glory-栄光の遊宴-』
🗓2024年1月9日(火)18:00/19:00
🏢新宿FACE
🎫公式ホームページ/チケットぴあ 等にて
チケット絶賛発売中!!


時に失敗しつつも、コツコツ前を向いて進みたい。体力と資金が持つ限りは。

本音を言えば自分はクリエイティブ、プロデュース、ディレクションに真の適性があると自覚しているし、経営は心底向いていない。

いつかPPPTOKYOというコンテンツを共に押し上げてくれる経営のプロに出会いたいという想いは持ちながらも、やれる限りは手弁当で突き進みます!

さあ、パーティーを続けよう。

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