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人の仕事を羨ましいと思った話 その1

数年前に、ベトナムのホーチミンへ出張する機会があった。

滞在中に、現地で駐在している同僚から、同業の方数名を紹介いただき、みんなで飲みに行く会に招待してもらった。

飲み会当日、その同業の方とタクシーで飲み屋に向かう途中、「他の知り合いも、今ホーチミンに来ているので、ピックアップしてから向かいましょう」という事で、寄り道した先で、同乗してきたのが、昔在籍していた会社のJさんだった。
Jさんは、当時の会社の中で有名なディレクターだった。
中途入社したエンジニアの私は認識できていたが、他部署他職種なのもあり、Jさんからは認識されてなかっただろうと思う。
そういった感じの挨拶をさせてもらった。
Jさんは、日本で個人で会社をされていて、ベトナムで人を雇いシステム開発をされていて、今回は出張という話だった。

そして、当日の飲み会は、同僚や、近くにいる方と飲んでいて、Jさんとはあまり話す機会もなく終わった。
別れ際にJさんから、「せっかくなので、また別の機会で、もう一回ぐらい飲みに行きましょう」と言われ、連絡先を交換した。

そして、数日後。
Jさんから「知り合いと飲むので、是非来ませんか?」という招待をいただき伺った。
タクシーでお店に着くと、Jさんの他に2名の知らない方がいた。
一人は、日本人で、Jさん同様個人で会社をされていてオフショアでのシステム開発をされている方。
もう一人は、アメリカ出身で現在ホーチミンでデザイン会社を経営されている方。
お二人とも、とてもフランクな方で、初めてお会いする私にも親しくしてくれた。

アメリカ人の方は、日本語があまり話せない様子で、8割型英語でのやりとりとなっていた。私以外の2名は英語が流暢だった。
三人は、このホーチミンで一緒に何かビジネスができないか?というテーマで集まっていて、そういった話をされていた。

学校英語程度しか習得できてない私は会話に置いていかれながら、「この人たちは、人種にこだわりなく、生まれた土地でもない、今が面白いと思っているホーチミンの地で、英語でコミュニケーションを取りながら、お酒を飲んで楽しくビジネスの話をしているんだ。」という事を改めて認識して、自分がそこにたまたま居合わせてもらった偶然だったが、とても素敵な場面に同席させてもらったと感じた。

大人の楽しみというか、教養や教育があってこそできる、この場所にいるという偶然を楽しんでいる。そう感じた。

例えば、学校教育で教えてもらった事があっただろうか。
「そういう事も将来あるかもしれないので、英語を勉強しましょう。ベトナムやアジア、世界の国々の歴史について勉強しましょう」という事は言われた記憶がない。仕事を通して楽しい場面に出くわした時、なんで教えてくれなかったんだろうとよく思う。

流暢に英語を喋れている彼ら、ビジネスの話をしている中で独自の仕事で得た知見がある彼らをとても羨ましく感じた。

自分が、その時そう感じた事は目標として、価値観として、決して忘れたくないと思っている。

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