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なぜ裸婦のモチーフが多いのか

今回も質問頂いた内容に沿って話をしています。

写真でも絵画でも、女性の裸っていうのは多く扱われるけど、なんで男性と半々じゃないんだろう?
またなんで年齢に偏りが(若い女性)ばかりなんですか?

というような質問を頂いたので解説というよりかは、僕なりの考察を話してみます。

話はずっとずっと戻って

美術には◯◯派/主義っていうのが多く存在しています。皆さんもいくつかご存知のはず。
有名だった印象派だって数十年しか続いていません。100年続いた◯◯主義なんてものはほとんどないんです。

そんな中、古典美術の時代、つまり古代ギリシャ・ローマ時代が終わったあと
なんと約1500年もの間続いたのがキリスト教美術でした。

時代の中で描き方や描く内容はどんどんと変わっていきますが、この時代のメインのテーマというのは、ギリシャ神話や聖書の内容を描くということでしたね。

裸婦の公式

ティツィアーノ・ヴェチェッリオ「ディアナとアクタイオン」(1556‐1559)

ティッツアーノのこの作品はたくさんの裸婦が描かれています。右から二番目の女性(1番右に黒人に侍女がいるのでその隣)の頭に三日月のシンボルが描かれているのがディアナ(狩猟の神アルテミス)です。
その他の裸婦は、ニンフという下級女神です。

蛇足ですが、このシーンは間違って入浴を覗いてしまった狩人のアクタイオンに、裸を見られて憤怒したディアナが聖水を掛けて、アクタイオンは牡鹿に変身してしまいましたとさ。というシーン。ちなみに石柱の上に牡鹿の骨が描かれており、このシーンの暗示が表現されています。

何が言いたいかというと、
女神達以外は裸で描かれていないということです。

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