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独身子なしの私の人生が、よそのこどもと遊んで豊かになった5つの理由

インタビュアーの鯨井啓子です。

3月から先週まで、自由大学の講座「自分の本をつくる方法」を受講していました。

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自分の存在と、書くということについて、改めて客観的に向き合うことのできた、とても貴重な機会になりました。

途中から講座もリモートに切り替わり、仕事も変更が多かった中で書いたので、なかなかのまとまらない感ではありましたが、課題として提出したエッセイをここでもシェアします。

独身子なしの私の人生が、よそのこどもと遊んで豊かになった5つの理由

私は独身、子なしの36歳、女です。数年前から友達やきょうだいのこどもたちと、積極的に遊ぶようにしています。パパ、ママたちに「久々にコーヒーをゆっくり飲めたよ!ありがとう!」などとお礼を言われることがありますが、そんなとき、いつも思うのです。「私のほうこそ、遊んでくれてありがとう」なのだと。大人だけの世界では決して体験できない世界を、こどもたちは見せてくれます。逃してしまうのは本当にもったいないことだと思うのです。身近なこどもたちと遊ぶことで、私の人生はすっかり豊かになりました。数多くあるポイントの中から5つ、その魅力をお伝えします。

1.当たり前の日常に、新たな発見ができる
大人にとっては当たり前の日常も、こどもたちの目には不思議で、面白く、美しいものに映っているようです。一緒にいることで、段ボールはひっくり返して棒で叩くと太鼓になること。アリって結構面白い動きしてるなということ。しばらくやってなかったけど、神経衰弱って結構面白いゲームだな!ウルトラマンって意外と種類が豊富!!ということに気づきます。ひとつひとつはとても小さな発見ですが、今までの当たり前が小さく打ち破られることばかり。凝り固まった頭が柔らかくなっていくように感じられます。

2. 人には生まれ持った資質があると知る
多くのこどもたちに出会う中で、たとえ赤ちゃんであっても、それぞれに生まれ持った資質があることに気づくようになりました。よく眠る子。よく泣く子。ニコニコと動き回っている子。もっと大きくなれば、はやくにおしゃべりが上手にできる子。3歳近くまでことばが出なかったのに、しゃべれるようになったときにはすでにひらがなが読めていた子もいました。双子であっても違うところはあります。彼らを見ていると、人はそれぞれ、生まれながらにしてオリジナルな存在なのだとわかるし、「これだけせっかちな子が、成長の過程で急にのんびりになることはないよな」といい意味であきらめもつきます(笑)。生まれついて持った資質を矯正するのではなく、お互いの資質を理解し、活かし合うことこそが、みんなで仲良く生きるコツなのだということが実感できるようになりました。

3. 「人間も動物である」ことを知る
おなかすいた。眠い。なんかモヤモヤする。身体が発する様々なサインを、こどもたちは泣いたり、ぐずったりしながら訴えます。しかし多くの人は、成長して学校や会社などの組織に属するようになると、身体のサインに正直であることが難しくなるのではないかと思います。こどもたちを見ていると、身体のサインは私たちが動物だから起こる、とても大切なものだと理解できます。いつも出ているサインが出ないこと、あるいはいつもと違うサインが出ることが、身体の異常を見つけるのに役立つことも多いからです。私たちはロボットではなく、動物なのだ。だから、身体の出すサインに忠実に生きることはとても大切なことなのだと教わりました。

4. かけがえのない成長の軌跡を見届けられる
背も伸びないし、歯が生え代わることもない大人にとって、確かな成長を感じるのはなかなか難しいものです。けれどこどもたちは、立って歩くようになったり、ことばがしゃべれるようになったり、おむつが取れたり、背が伸びて体重も増えたりする。もっと大きくなると、え!?側転できるようになったの!?もう九九覚えてるの!?みたいなことまで起る。その無限の可能性には、「人間ってすごいな。ちょっと前まで赤ちゃんだったのに」と驚くばかりです。こどもたちの近くにいることで、成長を近くで見届けられること。それは、自分にとっては大きな変化のない時間が、かけがえのない成長の軌跡を見届けた時間に代わる魔法です。

5. ただただ癒される
人生にただただシンプルに、「かわいいあなたが大好きだよ」と思える、ちいさなともだちができること。その子から、「また遊ぼうね!」と言ってもらえる信頼関係をつくれること。それはこの上ない癒しです。様々な理由から、こどものころにありのままの自分でいることが許されなかった体験をした人ならば余計に、身近なこどもたちの想像力、創造性に触れること、彼らをいとおしく思うことで、過去の傷はじんわりと癒されていくはずです。そうしてはぐくまれた今までよりも少し寛大で、遊び心があって、あたたかい気持ちは、大人の世界にも持ち帰ることもできます。

パパ、ママにとって、よそからやってくる私はお祭り要員です。日々育児をしていないからこそ、気を付けないといけないこともあります。遊ぶ前には必ずしっかりと手を洗うこと。日常の様子や、接する中で気を付けることは、パパ、ママに必ず確認すること。そして、こどもたちが嫌がることはしないこと。そのうえで、こどもたちの世界にちょっとお邪魔させてもらうことは、誰にとっても豊かな人生への入り口になるのだと思っています。




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