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コペンハーゲン中央駅には、食文化レベルを上げようという理念たっぷりの超イカシタ生活協同組合のスーパーがあった!

今回は、コペンハーゲン中央駅にあったスーパーのレポ。この日は着いた翌日ということで、まずは滞在先のTrianglenから中央駅までを、気温零下の中、ぶら〜り散策。(その途中の模様の一部が前回のレポになります。)この日のルートが基本的には、その後のコペンハーゲンまち歩きの軸となりました。こういう軸が持てると、はじめてのまちをより楽しめます。地図の上がairbnbの宿泊先で、下が中央駅。

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下の動画は、上のルートの途中の部分を最終日、空港へ向かうタクシーから車窓を撮ったものです。

少しはずれたエリアから中心部へさしかかるまでも、グランドレベルのまちのコンテンツは途切れることがありません。歩きやすいまち、歩くのが楽しいまちというのは、単に計画上整備されているということではなく、人のささやかな伊吹が「常に」感じ続けられること、が大事だということがよくわかります。

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見えてきたのは、コペンハーゲン中央駅。(前回のレポートにあったように、)ここにたどり着くまでに、あらゆる質の高さに打ちのめされていたのですが、この時計を見て、またため息。こんな素敵な時計を日本全国の主要な駅にも共通で付けてほしいものですよね。では、駅へ入ってみましょう。

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おぉ!!やっぱり、海外はどの駅もいい。けど、電車が見当たりません。どうやら、このグランドレベルは、いろんなショップ群が、電車のホームは、階段を降りた下のレベルにあるという変わった形でした。これも何度か計画的に改修されて、今の形に行き着いたそうです。ちなみに基本コペンハーゲンの鉄道や地下鉄には改札がありません。

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駅の正面口を入ってすぐ右手に、何やらこれまたオシャレなスーパーを発見!この外観、そそります。その名も「MAD(マド)」。マドとは「食」のこと。

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2015年の夏にオープンしたという「マド・コーペラティブ」は、どうやらデンマークの生協がしかけているらしく、入口を入ると、ポストカードなどのオリジナルグッズが。こっちはワーイ、かわいい!とキャピキャピしているのだけど、この時点でヤバイですよね。スーパーですからね。ここ。

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店内はこんな感じで、オーガニックの野菜や肉から調味料までが並んでいます。言わずもがな、やっぱり照明がかわいすぎる。入口のガラスに映り込んでいるのも、きっと計算済みです。もちろんカフェースペースも併設。

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肉やお惣菜やコーナーも充実です。お客さんたちを観察しても、中央駅にあるこういうショップで購入することが、スペシャルな何かというよりも、日常の生活に根ざしていることがわかる。商品のセレクトも、ほんとうにいいものを真剣に選んでいる感じがして、調べてみたらやっぱり! テーマは「Sammen om bedre mad (Together For Better Food)」。日本のスーパーは、価格やシズル感をどうするかってことにしか意識がいってなくて、肝心要の理念を押してそれに共感してもらうってスタイルがほとんどない。海外のオーガニック系のショップはこうして、地に足着いてるのに感心します。日本にありがちな“地球家族”的な空気なんてものも、一切ない(笑)。

因みに誰がデザインしているのかと気になって調べて見ると、どうやらロンドンのCada Design(http://www.cada.co.uk/)という会社。HPを見れば、小売のインテリアからコーポレートアイデンティティ、ブランド戦略、グラフィックデザイン、デジタルデザイン、パッケージングまでをすべて請け負ってるというから、つくられているこのクオリティ、頷けます。このレベルをつくれるというだけでも、日本には敵う会社はないですよね。こんなイケテル会社が、当たり前のように国境を越えてこの質の小売りショップを次々と手がけていることに、いろいろと考えさせられます。

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さらに奥に行くと、お酒のコーナーに円形のイベントスペースが。この時はガランとしていましたが、定期的に食のイベントが開かれているのだそう。その名も、「’Go’ appetit’ with Bitz and Holm」。Bitz と Holm というふたりの人気シェフが、新しい料理を提案し、それらがサイトと連動してにアーカイブされているという。見てみてください。超絶食欲をそそります!

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今回の旅で、予想外に驚いたのは、コペンハーゲンで食べるものの美味しさでした。美味しい素材はもちろん、料理そのものが、体験したことのないものばかりで、しかも美味しい。これまで周辺国のいろんな影響を受けてきたというデンマークは、料理を楽しみ進化させていくという土壌が育ったようで、新デーンマーク料理という言葉もあるくらい。しかも、そういったことが日常生活にまで降りてきているくらい市民の意識も高い。だからこそ、このような一連のお店の形が成立してるってことなんですね。

つまり、理念と理解ある市民があってこその新しいサービスの形ってことです。単に形やデザイン、企画をコピーするというわけにはいかない。けど、得てして海外にある魅力的なものが、日本に取り入れられる場合、理念や文化が漂白されて、ただ広告的に扱われがちなのは、本当に残念なことです。

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さて、再び駅構内へ出てみましょう。

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正面入口の脇にあるのは「JOE & THE JUICE」というデンマーク発のコールドプレスのフレッシュジュースが売りのカフェ。イケメン兄ちゃんたちがのりのりでつくってくれます。旅の途中で気付いたのですが、冬の町歩きの休憩には、コーヒー紅茶よりも、こういったジュースの方が嘘のように体力が回復します。

このお店はコペンハーゲンの至る所で見かけるのですが、どれも非常にカジュアルな店構えで、どの店のスタッフもこれまたカジュアル。けど、やっていることは真剣。さっきの理念の話はここにも通じます。ホームページやトップ動画を見てみると、そのニュアンスがとても伝わるってきます。韓国、シンガポールあたりまで出店されているので、東京もそのうち? 日本にはまだコールドプレスジュースのお店は、これといってないですよね。

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正面入口を出ると、正面にチボリ公園がドドン! 1843年開園の世界最古のテーマパークは、4月~9月と11月~12月の期間限定に開放される公園。今回は入れなかったので、次回に。そこから少し駅沿いに歩いていくと...

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回り込んだこちらからは、直接ホームに行けるのですね。階段下に見える黄と青いの機械がチケットをチェックするもの。あとは車内でチケットの確認があるので、基本は改札がありません。先ほど、いた大きな駅舎は、この写真に写っている3連ボールトの向こうに水平に延びる屋根の部分ですね。

というわけで、いろいろと話が飛びましたが、今日はここまで。どうです?コペンハーゲン、楽しそうでしょう?

大西正紀(mosaki)

http://mosaki.com

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