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幸福度アジアナンバーワンを支える豊かなグランドレベル!台北「永康街」を歩く編

突然ですが、台湾の台北を1週間歩き続けてきました。特に目的はなく、いい感じのグランドレベル採取ができればという軽い気持ちで。結論から言うと、今すぐに住んでしまいたいくらいに、ヤバイ都市でした。とにかくグランドレベルがヤバイ。そして、その都市のつくられ方が、今の日本から見れば最先端にも映りました。

コペンハーゲンやポートランドとは、また異なる豊かさを感じながら、途中で、もしや!?と調べたら、世界の幸福度調査において、台湾はアジアでナンバーワンだったのです。これはきっと、私たちが見た台北のグランドレベルの豊かさとリンクしていることは確実です。

というわけで、不定期になりますが、台北のまちを振り返りながら改めて歩いて行きますので、一緒にお楽しみください!

今回は「永康街」を歩きます。このエリアのすぐ隣の「東門市場」に宿泊したので、今回の旅は、この街がいわばホームタウンに。ちなみに地図の上が「永康街」の入口、下までいくと「師大夜市」のエリアです。

「永康街」のエリアにも、いくつか有名な小籠包屋さんがあったりします。いろいろ食べたけど、今回のお気に入りは「高記」というお店。

少し進めば、こんな素敵なグランドレベルのマンゴーかき氷屋が。原宿のクレープ屋のようなエポック的存在です。しかし、まさに流行らざるを得ないこの設え。基壇の上にテラス席があるのだけど、外を囲う手摺の外側にもさりげなくカウンターがあるのが効いています。席がいっぱいならここで食べる。暑いときは数分おきにミストが軒先から吹き出します。

旅先では、無意識に緊張しがちなので、どこでもじーっとすることが大事です。じーっと。じーっと漂うことで見えてきます。この風景も何か変。1階がどこもへっこんでいて軒先空間がある。そこでは水がチョロチョロ流れていて、ワンクッションあってからの内部。もちろん暑さ対策もあるでしょうが、人を呼び込むことと町並みにあるリズムを与えることに大きく貢献しています。

うぉー、めっちゃかっこええ。集住と集住の間にスペースがあったら、1階の開き方は長手方向に。見上げれば建物に切り取られた細長い天窓。こんな場所が、あの住宅街にあったらなぁと妄想してみたり。新築だとしてもこういう建て方はクレイジーだけど可能性を感じます。

とにかくどこも道路と建物の間に小さなバッファーゾーンが設けられているんです。あえてセットバックしているのか、せざるをえなかったのか。法的な理由を知りたい。どなたか台湾通の方教えてください。

中をのぞき込むとこんな感じ。もうとにかく街中の1階、グランドレベルの多くがこういった形で設えられていて。

無農薬天然ハーブ石けん屋さん「阿原(YUAN)」は、こんな設え。セットバックさせて水場があるし、その手間にフリーのお茶。面白いなぁ。壁面緑化もいきいきと。

そして、メインの通りからはずれても、この通り。グランドレベル、1階がすべてお店です。基本上は集合住宅。

もっと細い路地に入っても、こんな感じで。お店の看板がじつにかわいい。この細さの路地までに面的に魅力的なグランドレベルが広がっているのは、はじめてかも。

セットバックしているグランドレベルにカフェが入り、前面バッファーゾーンにはテラス席に。これこのエリアの上席。この光景が、ずーっと続くんだから、すごいでしょ?

この小一時間に膨大な量の写真を撮りました。台北に到着して数時間で、あまりに膨大な情報量でぐったり疲れ、この「CAFE KUROSHIO」で一休み。同世代であろう30代ほどのフリー的な人たちが、わいわいやっていて、居心地もよく。

隣に移ると、集住の1階の庭は、これくらいの壁の高さ。以前訪ねた建築家・藤村龍至さんが設計した住宅街のスケールにも似ています。

そして隣に行くと、こんなところにビルケンが!!!

このレベルのカフェが、本当にあちこちにあるんです。そうか。考えてみると、グランドレベル・1階にある店やカフェというものは、ひとつひとつが細胞みたいに呼吸をしているのだと。それを俯瞰したときに、まちや都市というひとつの生き物に見えてくる。だからこそ、グランドレベルが寂しいまちは、「デスシティ」と呼べるわけです。

グランドレベルにあるすべてのものは、本来連動しています。エリアの中心にある三角公園では、子どもたちがはしゃぎ、

サラリーマンたちが珈琲片手に談笑している。その周りで、地元民も観光客もうごいめいてる。公園もグランドレベルにひしめく個性的なお店たちも、互いが影響しあっている。どれも単体では存在し得ないのです。(もちろん、日本にも好例はあると思います。しかし、台北のここはレベルが違うのです。)

やがて、このこと自体に感動してしまいました。

そして、さらに思いました。ここに棲む人たちは「永康街」というまちを愛しているなと。よくよく観察してみると、店先の設えも、ただ人を引き込むというだけではなく、まちに貢献しようという愛を感じずにはいられなかったからです。

そうしてこのあと、歩き続けると、それは間違いではなかったことに気付かされるのでした。

次回は、この先で見つけた小さな小さな公園のレポートです。

おおにし・まさき
http://glevel.jp

http://mosaki.com

世界の日本のグランドレベルの話を
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