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聖少女

新作の人形について、少し書いておこうと思います。


この人形は、倉橋由美子の『聖少女』という小説をモチーフに作りました。
1964年刊行で、近親相姦がテーマになっています。


冒頭の有名な「いま、血を流しているところなのよ、パパ。なぜ、だれのために?パパのために、そしてパパを愛したためにです」
という文章から、鮮烈な血の赤いイメージと、文庫本の表紙の赤の印象が強く残っていて、ドレスは赤にしたいとずっと思っていました。


なぜこれを作りたかったかというと、私が20代の始め頃に創作人形に出会い虜になったその世界観と似たものを、この小説に感じるからです。
倉橋由美子もまた、聡明で知的な作家で憧れの人です。



ずっと変わらない、人形への想いや憧れに通じるものとして、この作品を作りました。
ずっと好きなものに浸って、好きな世界に生きていきたい。(…どこかで聞いた笑)

小さな創作人形の世界が好きです。


















クラフトアート10周年の記念誌に私も載せて頂いたんですが、
「あなたはなぜ人形を作っているのですか?」という質問がありました。

私は簡潔に「憧れ。好きだから。」と答えました。



人形作家には尊敬してる方が多くて、ずっと憧れがあります。
ヒトガタは、生半可な気持ちで作れるようなものじゃないから。


いや、作るのは誰だってできるし、snsで作家だと誰でも名乗れて発信できる時代です。
でも全然違う。何でもそうだけど。


私は「人形は人形」だと思ってます。
人に寄り添い、想いを受け止める役割、守る役割をするものだと。
作ってるうちにだんだんそう思えてきて…。


良い人形を作れる作家になりたい。
マイペースでがんばります。^_^




3/8より、よろしくお願いします。







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