昨日の夜、お風呂から出てバスタオルで顔を拭いたとき、あれ？と思った。うちは柔軟剤は使わない。洗剤の匂いも洗い上がったらほとんどしない。
でもなんだか甘い匂いがする。なんだろう。もう一度、バスタオルを鼻に近づける。
知っている匂いのような。体まで全部拭いてから、ふいに気づいた。
金木犀の香りだ。
隣の家の金木犀の香りがタオルに移っているんだと気づいた途端、気持ちが緩んだ。
そのうち金木犀の香りも消えて、季節が変わっていく。
来年の今頃、今の私はもういないだろう。
去年の私がもういないように。

今日でnoteが365記事。毎日書くと決めて一年経った。こんなんなら書かないほうがいいだろうよ、という記事も中にはあるけれど、それも含めて私なんだと思う。続けられたことにとりあえず乾杯。読んでくださった方にはひたすら感謝。
言葉を連ねることに何の意味があったのか。
いつか腑に落ちることがあるのかもしれない。

開いた窓からは金木犀の香りと雨の音に混じって秋の虫の声が流れ込んでくる。
たくさんの人の顔が浮かぶ。
書いていなければおそらく出会うはずのなかった人たちの。

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