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【インタビュー】「Yahoo!天気・災害」担当者さんに聞くTwitter運用とは ※前編

当note初のインタビューは「Yahoo! 天気・災害( @Yahoo_weather
)」のTwitter担当さん。毎日適切な天候情報を提供し、維持していくコツをお聞きしました。
取材日:2019年12月末

CM BAR 野際「天ちゃん(※「Yahoo!天気・災害」Twitter担当者さんの通称名)、今日はよろしくお願いします。」
Yahoo!天気・災害担当さん「いつもは社内でインタビューする側なので緊張しています…。第一回目がわたしでよいのでしょうか?」

CM BAR 野際「noteでは中小企業向けのお話が多いので、大手であるYahoo!天気・災害さんのお話もしたかったのと、天ちゃん(※)にはお会いするたびに運用等について質問をたくさんいただいたので。
それに、私が得た運用方法を当noteに書くことをお勧めして下さったのも天ちゃん(※)ですから。」
Yahoo!天気・災害担当さん「なるほど…!がんばります」

※以下、濃字=CM BAR 野際、
「」内=Yahoo!天気・災害Twitter担当さん

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アカウント運用について

ーーーさて、さすがYahoo! JAPANさんだけあってアカウントのフォロワー数がすごい、という印象ですが(※Yahoo!天気・災害アカウントのフォロワー数は14.9万フォロワー/2020年1月現在)

「いえいえ。フォロワー獲得目的で広告を打ったりはして来なかったですし、天気情報アカウントという中で言えば少ない方です。他のアカウントに比べてスタートさせるのも遅かった(2011年4月から運用開始)ので」


ーーーやはりスタートは早い方が有利だと思いますか?

「もちろんそれはあると思います…!これは大手や中小企業関係なく、スタートさせる時期が早ければ早い方が、と感じますね」


ーーー「Yahoo!天気・災害」さんといえば他社さんの天気情報もリツイート等をされている印象ですが、理由はあるんでしょうか?

「はい。そもそも”天気アカウント”ですし、『情報』ですから…。早くてフォロワーのみなさんに役に立つと思った情報なら、他社の投稿でもリツイートします。気象予報士さんのツイートももちろん。気象予報士さんあっての情報ですし、みなさんそれぞれの見解や工夫も素晴らしいですから。」


ーーー企業でいうと大手の分類ですが、それについては?

「扱っているものが”情報”というのもあるかも知れないのですが、大手と中小の差は感じないですね。
ただ、フォロワーさんの数が多いことで炎上につながる可能性も高まるので、企業アカウントとしての危機感はかなり強く持っている方だと思います。」


運用の苦悩や失敗談

ーーー情報アカウントならではの苦悩はありますか?

「天気が外れた時に「雨が降ったじゃないかー!」というお叱り等のクレームはたまにあります。当然といえば当然ですが…。」

ーーースマホアプリが最近リニューアルされたそうですが、反応は?

「まだユーザーさんの戸惑いのコメントもまだ多いので、変更点などを丁寧にお伝えしていきたいです。
たまにユーザーさんから元に戻してと言われるとちょっとシュンとしてしまいますが…。」

ーーーシュンとなっちゃうんですか?

「はい。良くしよう、使いやすく、わかりやすくしようとして検討を重ね、変更したものなので…やっぱりシュン…となりますね」

ーーーフォロワーの方からの反応が変わったな、という瞬間は今までありましたか?

「そうですね…大きく変わったのは、スタートしてからずっと早朝に毎日起きて、淡々と更新してたのですが、ある時2時間くらい寝坊しまして…。
ツイートする時間もかなり遅くなってしまって、もう言い訳しても仕方ない、と『もう正直に言おう…』と思って。
『すいません寝坊しました』ってツイートしたんです。

ーーーその時の反応は?

『ああ、中に人間がいたのか!』『bot(※)じゃなかったのか…』っていう反応がたくさんありました。」
※bot=プログラム等で自動でツイートされている無人状態のこと

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ーーーまさか毎朝4時起きで書いてるとは思ってなかったんでしょうね…

「そうですね。通常だったら情報アカウントなので、投稿が遅れたりするのは ”あるまじき事態” ではあるんですが、寝坊してしまったことで人間が頑張って起きてる、と知ってもらうことが出来ました。むしろ、たまには失敗もするよね、とあたたかい反応をもらえたんです。怪我の功名…だったのかも知れません」


ーーーそういえば早朝はどちらで更新しているんですか?

「平日4:30~5:00にfacebookと共に、自宅からPCで更新作業しています。週末はちょっとゆるめですが。
もちろんその時間分は働いたという扱いになっています。」


ーーーアカウントは天気だけではなく災害時の情報もですよね。社内から来る情報を即上げるという運用ですか?

「通常の天気はYahoo! JAPANの情報が届くのですが、災害時は自分からも情報を取りに行って投稿しています。災害は時間との戦いになるので」


ーーーなるほど。緊急対応を実際にされた時はいかがでしたか?

「普段は『Yahoo!天気・災害』のSNSは東京だけで対応しているのですが、災害時は常駐なので睡眠を摂るために大阪にいる社員と交代制で対応していました。」

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ーーーアカウントならではの担当者の悩みはありますか?

「うーん、アカウント担当になる前は週末、健康ランドによく行っていたのですが、気軽には行けなくなったことぐらいでしょうか…。」


ーーー健康ランド?

「健康ランドは基本的にスマホは持ち込めないものなので(笑)」


ーーーそれはTwitterアカウントのためですか?

「そうです。常時、天候や災害等の情報がスマホに届くようにしてあるんですが、どうしても1時間近く情報を見られない時は、その用事などが終わった直後に情報確認してしまいます。
見ていなかった間に天候の変化や災害など、何も起きてないことを確かめると安心出来るんです。」

継続して運用することについて

ーーーそんな緊急対応や毎日の早起きが続けられたコツは?

「それは…”気合い”です。8年続けられているのは気合いでしかないです。
わたしは小学生のときから5時起きしていたくらいの早寝早起きタイプではあったので、これを活かせるのではないかと思ってYahoo!天気・災害の責任者に要望を出してOKをもらいました。」

ーーーなるほど。もともとの素養があったのですね…(朝が弱い私(筆者)には出来ないですね…)

「ただ、お天気は毎日=休みがない、と後で気付いて「あっ」と思ったりはしましたが…(笑)。今思えば無謀だったかも?」

ーーーアカウント開設や運用について検討していた時期はありますか?

「まず2011年2月にFacebookの運用を開始し、3.11の経験を経て、『Twitterも運用したい』と思ったので4月からTwitterを開始しました。」

ーーー情報アカウントという意識だそうですが、天候を扱う上で気をつけている事はありますか?

「お天気は毎日変わりますから、ネタには困らないんです。
ただ、それをどう伝えるかによると思っていて、Twitterは特に短時間で確認されることも多いので、できるだけシンプルでわかりやすい言葉で伝えることを心がけています。」

ツイートの量や制限について

ーーー1日のツイート量は決まっていますか?

「災害時は別ですが、必ずしもこの量、というのは決めていません。
だいたい1日で6〜10ツイートくらいでしょうか。返信はカウントしていません。
facebook用の長文を作ってからTwitter用に言い換えたり順番を変えたりして3分割にしているので、基本的には
・朝に3ツイート
・お昼に天候の変化があれば
・気温
・明日の予報

です。」


ーーーツイートに制限、ルールなどの決まりはありますか

「特に制限などは設けていないのですが、タイムライン上で邪魔に思われないように連続投稿はしないことは意識しています。」


ーーーなるほど、意外にも「中の人」がいて、毎朝の早起きで運用というアナログな部分や災害時のチーム体制のお話は興味深かったです。
それにやはり「一般ユーザーからどう見えているか」の意識をされているんですね。
それではより詳しい部分について、後半に続きます。

ーーー情報アカウントとしての意識を持ちつつ、人間味のある魅力をのぞかせてくれるYahoo!天気・災害アカウントの担当者さん。

後半は、アカウント担当者ご本人について、またペルソナ(人格)、運用ルール、継続のモチベーションなど、企業の規模に関係なく運用の参照になるコツ等をお聞きします。

※後編はこちらから
「Yahoo!天気・災害」担当者さんに聞くTwitter運用とは ※後編
https://note.com/cmbar/n/n328335ed5be4

取材、文、撮影:CM BAR 野際

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