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「100分de名著」で学ぶ孔子「論語」2回目その3

※NHKオンデマンド、U-NEXTなどの動画サイトで、ご覧いただけるNHK番組「100分de名著」を元に、学んだり、感じたりしたポイントをお伝えしています。
出演者:
司会 --- 堀尾正明さん
アシスタント --- 瀧口友理奈さん
講師 --- 佐久協(さくやすし)さん

1.知識力と思考力を身につける

前回、孔子は、三者三様で、弟子達に教えを説いたことをお伝えしました。

今回のテーマは、「自分で考えるようになるには、どうすればいいか?」です。

学んで思わざれば則(すなわ)ち罔(くら)し、思うて学ばざれば則ち殆(あやう)し。

意味:
知識だけ学んで、自分の頭で考えることをしないと、新しいことにぶつかったときに、自分で解決できなくなる。
その一方で、自分の頭だけで考えて、知識がないと、独断に陥る。
すなわち、知識力と思考力のバランスが大切である。

孔子の学問は、知識だけでもダメだし、思考力だけでもダメだという、バランスの学問という側面があります。
頭のいい学生ほど、どちらかに答えを求める傾向にあるようです。
中庸という言葉に対して、なんとなく理解はできても、どっちつかずと考えてしまうようです。
ここが、論語解釈の難しいところです。

司会者:
抜群の知識力と思考力があれば鬼に金棒で、どの企業も欲しがる人材ですよね?

アシスタント:
知識を詰め込んで、自分で考え、行動するというのは、なかなか難しいところです。

孔子は次のような言葉を残しています。

上知と下愚とは移らず

意味:
とびきりの天才と大バカ者は教育によっても変えられないかもしれない。

孔子は、天才や、何も考えないような人には初めから教えようとはしなかったようで、中間層の人を対象に教えようとしていたようです。

2.思考力を身につける

現代でも、本を読んだり、自分で勉強したりすることで、知識を詰め込むことはできても、思考力を身につけることは難しいとされています。

孔子は、どうすれば中間層の人が思考力を身に付けられるか?ということを、以下の言葉で言い表しています。

故 (ふる) きを温 (あたた) めて新しきを知る

ゼロから、あるいはイチから何かを考えるのは天才でないと難しいことです。
以前に学んだことや、昔の事柄を学んだり調べ直したりして、新たに新しい道理や知識を見出し、自分のものにしていくことを繰り返していけば、いずれは、天才のように、ゼロから何かを生み出せるようになっていきます。

この言葉から、孔子は励ましの教育を行っていたことが伺えます。

故きを温めてということは、知識を学ぶことが思考力の原点になり、それに自分の批判なり考えを新しく付け加えていくと独創性が出てくるというのが本来の意味であると解説者の方はお話されています。

論語に対しても、論語を学んで自分なりの解釈をしていくことで思考力を身につけていくことができるようになると、司会者の方が、話を結んでいます。

3.ここまでの感想

思考力を身につけたいと思う人は、今でも多くいることから、永遠のテーマであるとも言えます。

知識を学んでいくことは、思考するための前提づくりであり、考えるための材料集めとも言えるかもしれません。

考えるための材料を集めていき、自分なりに加工して味付けしていけば、オリジナルなものを作っていけますね。

古典を学ぶ際には、その歴史が長いこともあり、たくさんの解釈が存在し、どれを学ぶべきか、選択に困るところがあります。

しかし、そこで解釈の「正しさ」を求めるのではなく、解釈の仕方や考え方を学ぶという態度で臨めば、それが今後の自分の考え方にプラスにできると今回学ぶことができました。


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