見出し画像

みんなが苦笑いする「コーポレートサイト」のお話|広報Tips

おはようございます。今日は「コーポレートサイト」について考えていきます。

今はほとんどの企業がコーポレートサイトを保有していますが、私の周りの経営者で、自社のコーポレートサイトに何も不満がない、という人は聞いたことはありません。多くの方が

「コーポレートサイトに時間かけられなくて……でも今の内容だと何やってるかわからないよね」
「直そう直そうと思いつつ、1年くらい経っちゃったんだよね」
「今やってる事業とか制度と全然違うことが書いてあって……ヤバイよね…」

などとおっしゃりつつ、何も手を打てていない現状があります。

なぜなのか考えた結果、出てきた答えの一つなのですが、コーポレートサイトってその性質上、担当者をおきにくいんですよね。広報担当者がいない企業を含めてコーポレートサイトは多くの企業にあるものだけど、情報を統括する人が決まっていない。

だからこそ、今あえて提案したい。
コーポレートサイトは、社長(経営陣)が面倒をみましょう!

もちろん、広報担当者がいる場合は一緒にやれるといいです。
いない場合は、経営陣が責任者になったつもりで。

面倒を見るというのは、もちろん、自分でコードを書いたりCMSを設計したりして作れということではありません。

「コーポレートサイト、しっかりやるぞ!」と宣言すること。
「いいものを作るぞ!」と決めること。
「いつまでにやるぞ!」と予定を入れること。
「進捗どうですか?」と忘れてないことをアピールすること。

まずはここからのスタートです。

ちなみに「今までコーポレートサイトには力を入れずに来たけれど、お客さんから注文をもらえた」という経営者の方。
こういう方はコーポレートサイトの重要性を軽視しがちです。

しかし、自社サイトの内容が貧弱であるがゆえに、顧客の新規獲得や採用の場面でどれだけの「見えない損失」とそれを防ぐための「見えない説明コスト」が発生しているか。そのことを改めて考えれば、取り組むべきであることは自明だと思います。

営業やマーケティングに力を入れたり、採用サービスにお金を払って人材募集を強化したり……。現場のみなさんは日々、企業を成長させるために頑張っています。コーポレートサイトの内容が残念なばかりに離脱していくメディア関係者や候補者がどれだけいるか、考えたことはありますか?

離脱を防ぐために担当者が補足のメールを入れたり、「コーポレートサイトは古いので…こっちが最新の情報です」と資料を改めて見せなければいけない状態が発生していることを意識したことはありますか?

短期的な施策をがんばる前に、やるべきことがあります。コーポレートサイトはその一つだと私は思います。
まぁ、重要性を理解してもらいたくてちょっと強い言い方になりましたが、おそらく、やらなくて良いと思っている経営者さんはいなくて、ただ優先順位が下がっているだけなんですよね。


たかがコーポレートサイト、されどコーポレートサイト。

ということで、今日はこんな感じでお送りします。

なぜ社長がコーポレートサイトの面倒を見るべきなのか

なぜ、現場の担当者でなく、社長や経営陣が責任を持つべきなのか。その理由は大きく3つあります。

1)企業の最新のビジネスやビジョンを一番理解しているから

ほとんどの場合、最新のビジネス状況と、それに対する自社のビジョンを一番理解し、言語化できるのは経営者です。担当者レベルでも把握はしていると思いますが、どうしても自分の業務領域以外の理解はおろそかになります。

コーポレートサイトでは、複数のステークホルダーに対する情報発信を行うという性質上、企業のあり方を様々な人の視点でみて、それぞれのステークホルダーに対して適切に情報を届けられているかをチェックし、メンテナンスしていく必要があります。

めちゃくちゃざっくりですが、私が考える、各ステークホルダーに届けるべき情報は以下です。

顧客・・・商品や事業の魅力や特徴と購入方法に関する情報
採用候補者・・・自社で働く魅力と募集状況に関する情報
取引先・・・信用スコアを表すなんらかの情報
メディア・・・「どんな素材(ネタ)になるのか」がわかる情報
従業員・・・実態と乖離なく、家族や友人に「ここで働いてる」とURLを送りたいと思える情報

壁打ちが必要な場合もありますが、経営者の方であれば、きちんとヒアリングしていけばこの全てに回答できます。しかし現場の担当者にこれら全ての最新情報を追って、言語化し、コーポレートサイトに反映しろというのはかなり難易度が高い。

きっと経営者の方であれば、このリストを元にコーポレートサイトを見直せばいろんな違和感に気づくと思うんです。

あ、ちなみにお伝えしますが、違和感があるのは企業が前に進んでいる証拠。メンテナンスして、愛しい自社の「今」を反映させましょう。

2)現場担当者は遠慮するから

現場の担当者は「遠慮」します。

コーポレートサイトって、究極的には更新しなくても(本当は損してるんだけど)金銭的には損失が生じない存在だと思われています。それどころか「更新すること」自体がなんらかのコストだと思われている場合が結構あります。

これは反省も含めて、私自身も現場に入っているときになりがちなのですが「あ…ここの表現変えたいな…」「サービスの紹介文、更新したいな…」「メディア掲載実績にロゴ増やしたいな…」と感じても、「こんな小さなことで(サイト更新の担当者に)お願いするの、気がひけるなぁ。。」と思ってしまう。良いことなのにね。

デザインが古くて更新もしにくいから、新しく作り直したいとみんなが思っている企業もたくさんあると思います。
でも「費用がかかるよなぁ……。稟議通すのも面倒だし、業者選ぶのも大変だし。なにより担当できる人がいない。触れないでおこう……」という思考になってしまう。こういう現場担当者の立場も十分理解できるんです、なぜならみんな目の前の業務が一番大切だから。

よく言われる四象限の「重要だけど緊急性が低い仕事」に分類されるのかもしれません。なので、このエリアの仕事は経営者が「やる」と決めるのが大事なのです。

3)判断基準が「好きか嫌いか」になりがちだから

コーポレートサイトって、それこそ正解がありません。コーポレートブランディングを統括する担当者がいる企業を除けば、デザインも言葉も、究極的には「好きか嫌いか」「しっくりくるか」だけ。

完成しても文句を言う人は必ずいます。だからこそ、「判断基準になる人」が必要。一つ言いたいのは、「文句を言いたくなるのがわかっているなら、自分が責任者になった方がいい」ということ。

「デザインのことはわからないから任せるよ」と言いながら、出来上がったものに「なんか違う」と文句だけ言っちゃう社長さんは、現場に甘えさせてもらってると自覚してくださいね。

コーポレートサイトで網羅しておきたい項目

それでは、実際にコーポレートサイトのどんな部分をメンテナンスすれば良いのでしょうか。私はWebサイト制作の専門家ではないので、もしかしたら抜け漏れがあるかもしれませんが(専門家のみなさまぜひご指摘ください!)、私が広報の視点で見ている点は以下です。

まずは最低限、用意しておきたい項目。基本項目ですね。

・企業概要、事業内容
・商品、サービス、プロダクト紹介
・電話番号などの問い合わせ方法
・アクセス
(・IR情報)

これらに加え、以下があると、情報発信がグッとやりやすくなります。

最新動向のお知らせページ(ニュースページ)
顧客事例
創業ストーリー、ミッションなどのエモいコンテンツ
企業独自の制度、取り組みの紹介ページ(ユニークでなくてもOK!)
・最新の採用情報
・企業でSNSを運用している場合は、そのアカウントへの導線

なお、これらのコンテンツは結構頻繁に更新が発生するので、この部分だけCMSなどで広報担当者が更新可能になっていると最高です。

それが難しい場合は既存のBlogサービスやLP制作サービスなどを使ってページを作成し、そこに飛ばしちゃう、という手もあります。ドメインのこととかSEOのこととかデザインのこととかUXのこととか、、、考えればコーポレートサイトにまとまっているのが一番良いのかもしれませんが、背に腹はかえられません。できることからやりましょう。


「ここまでやらなくても、別にいいや……」と思いました?

コーポレートサイトを作り込むと、どんな未来が待っているのでしょうか。私が実際に手がけた例をご紹介しながら、引き続き考えていきたいと思いますが、長くなったので続きは次回。

よろしければ「♡」をポチッとしてもらえると励みになります。

それでは、今日も良い1日を!

Photo by Tim Gouw on Unsplash

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?