猫のはなし…悲しみに寄りそう

昔一度だけ、公園で泣きじゃくったことがある。

理由はご想像に任せるとして、その時住んでた家の隣に公園があって、その出来事があった僕は、なんとなく家に帰らず公園で酒を飲んでいた。

何時間ぐらいいただろう。ずっと泣いていた気がする。

ふと気づくと、一匹の猫がやって来て、ずっとそばを離れない。
なんなら目の前にごろんと転がり、ゴロゴロ言っている。
僕は猫を撫でて、いつの間にか泣き止んでいた。

猫はこういうとこがある。
人が悲しんだり、落ち込んだり、誰かとケンカしたりしていると、そこにやって来て場を和ませようとするのだ。

きっと猫的には、

「お、人間だ。お腹も空いたしエサくれるかな〜」

ぐらいな感じでいるのかもしれない。

そして人間は、自分に寄りそってくれた猫にお礼としてエサをあげる。
この勘違いが生む関係が、僕はなんとも言えず好きなのだ。

でもそれ自体が勘違いで、猫は悲しむ人を全力で励まそうとしているのかもしれないと思うと、どっちにしろかわいいでしかない。

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