見出し画像

世界一の「ファン」ブランドを目指して

"To become the #1 fan brand in the world"

世界最大級のスポーツライセンス企業であり、スポーツ領域でも数少ないユニコーンでもあるファナティクス社がグローバルで掲げているビジョンです。

初note投稿となる今回、私が東アジアの責任者を務める同社がどのようにこのスポーツ業界にインパクトを与えてきたかについて、ご紹介したいと思います。

■「ファン」向けのグッズに特化して成長

米国San Mateo/Jacksonvilleに本社を構える弊社は、会長のMichael Rubin(現Philadelphia 76ers・New Jersey Devils共同オーナー)がEC黎明期に創業しました。前身はGSI Commerceという会社名で、MLBshopNBAstoreといったリーグ・チームの公式オンラインストアの受託(フロント・バックエンドオペレーション含む)を中心に成長。

その後、GSIは2011年にEbayに24億ドルで売却されてExitを果たすのですが、同時にGSIの一部であったFanaticsブランドを買い戻して、スポーツライセンスグッズ専業のプレイヤーとして再創業を果たしています。

その後、実店舗の運営(マンハッタン5番街にあるNBA旗艦店が有名)、アパレルの企画製造(MLBのユニフォームメーカーであるMajesticを買収)からと領域を拡げ、スポーツライセンスグッズでは圧倒的なシェアを持つ自社チャネルFanatics.comの成長もあり、現在は川上から川下、オンラインからオフラインまで広く深く手掛けるプレイヤーに進化しています。

後述するMLB・NFL並びにNikeと締結した戦略的なパートナーシップや、次にも触れるホットマーケット対応をはじめ、スポーツライセンス業界での常識を打ち破る施策を次々と打ち出していることが認められ、Fast Company社選出の最も革新的な企業ランクでスポーツ領域でNBAに次いで第2位(全産業で40位)にも選出されています。

■「ホットマーケット(Hotmarket)」が大事。ファンは熱いうちに打て!

ファナティクスが米国4大リーグを中心に10年超にも亘る長期パートナーシップ契約を結んでいるのですが、どうやってこのベンチャー企業が、リーグの信頼を勝ち取れたのでしょうか。この要素の1つに、弊社が強みとするホットマーケットの企画生産販売能力があります。

ホットマーケットとは、スポーツで言うとチームの優勝、新記録の達成、選手トレードやドラフトなどの記念イベントが発生した際のグッズ需要のことを指します。ファンが興奮して「ホット」な時に、彼らが欲しいモノを如何に早く(又は事前に)企画して、それをリスク最小限に生産できるかが鍵です。

アメリカでは優勝記念グッズは決定数分後にはオンラインで販売開始され、基本的には即日発送されます。 日本でも優勝記念グッズの販売はありますが、多くの場合受注生産で発注数が確定してから生産開始。お届けは1-3ヶ月後、翌シーズン開始頃まで届かないということもあったようです。

ファナティクスでは、このホットマーケット対応に向けて、製造・物流インフラへの投資と需要予測、リーグやチームとの連携(企画承認)体制を整えています。MLBやNBAのPlayoffが始まると、どこが優勝したらいくら売れるかの需要予測が共有され、それが日々アップデートされていきます。その需要予測をベースに生産準備を行います。単にリスクを張って事前に無駄に作るというわけではないというのがポイントです。

日本でも、これを実現していきます。既に実現した実例として、昨年11月の大谷選手の新人王発表から24時間以内に、ちょうどその時行われていた最中の日米野球@ナゴヤドームで販売しました。当日持ち込んだ約500枚のTシャツが完売し、その後テレビでも取り扱われ、オンラインでも反響があったお陰で、その数倍もの受注がありました。これが「完全受注生産!2ヶ月後お届け」だったら熱は冷めてしまって販売は伸びていなかったでしょう。

■海外事業は欧州サッカー中心に拡大中。アジアは日本を核に展開

海外展開は、2016年のKitbag.comの買収と翌年のソフトバンクビジョンファンドからの10億ドルの出資受け入れを契機に積極的に開始。欧州ではReal MadridManchester UnitedManchester CityChelseaといったトップクラブのEC、ゴルフのRyder Cupのイベント物販などを中心としたマーチャンダイジング運営を行っています。

日本では、プロ野球5球団(2019年度シーズン現在)のユニフォームサプライヤーで知られる「Majestic」(2017年に買収)を母体とした組織となっています。私が2018年に日本法人並びに東アジア代表となってからは、メーカー機能しかなかったMajesticにリテール・EC機能を拡充してグローバルなファナティクス事業モデルの展開を行っています。

今年度からは、日本で最も規模的にも質的にもグッズ周りで先端を進んでいたソフトバンクホークスと包括的なパートナーシップ契約を締結し、共同でマーチャンダイジングの運営を行っています。

アジアでは、最近韓国オフィスを最近立ち上げ、現在事業ローンチ準備を進めています(もう少しで発表できそう…)。その他中国や東南アジアにも展開予定です。アジアの話はまた別途書きたいと思います。

■スポーツブランドとの革新的なパートナーシップ

2020年から、MLB・NFLとNikeとFanaticsの3社間で結んだ革新的なパートナーシップが開始します。これについて少し解説したいと思います。

我々はあくまでも「ファン」のためのブランドで、アスリート向けの商材を中心とした、所謂「パフォーマンスブランド」と我々が呼んでいる企業(Nike/Adidas/Asics/Under Armour/PUMA/Mizunoなど)とは注力領域が異なります。

パフォーマンスブランドにとって、スポーツリーグやチームへのスポンサーシップは、自社ブランドのブランド露出・アクティベーションに重要ですが、一方でライセンスグッズの企画製造は注力事業ではありません。背番号変更や選手の引退による在庫管理は面倒ですし、前述のホットマーケット機会などは手間の割に大きな事業機会でもありません。結果的に、SKU生産性から品揃えは限られるし、発注リードタイムも長いことも多いです。

一方で、リーグやチームの立場からすると、マーチャンダイジング事業はビジネス的にもさることながら、ファンサービス的にも力を入れて欲しい…。このようなジレンマを我々と組むことで解決しようというのが、今回の取り組みです。

端的に言うと、NikeはMLB/NFLというトップスポーツブランドの「オフィシャルサプライヤー」となり、ブランド露出メリットやリーグとしてのマーケティングアクティベーションメリットを享受。一方で、Fanaticsは「ライセンス商品パートナー」として、MLB/NFLのグッズを製造販売します。

来年から大谷選手、ダルビッシュ選手、田中将大選手が着用するユニフォームはNikeブランドに切り替わるのですが、そのNikeブランド商品まで弊社で企画製造を行って販売することになるということです。これは、これまでのスポーツライセンス業界の中では例を見ない革新的な取り組みと言われています。

このような発想は、「ファン」中心主義を追及して行った結果産まれたものです。今後、日本でも同様の課題を抱えるスポーツリーグ・チーム、パフォーマンスブランドの皆様との提携を積極的に推進していきたいと思っています。

Fanaticsは「熱狂者、狂信者」を意味する"Fanatic"、「ファン」の語源を由来としています。世界一のファンブランドとなり、ひいては日本・アジアのスポーツリーグ・チームのために貢献していきます。

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

note.user.nickname || note.user.urlname

最後まで読んでいただきありがとうございます!よろしければ感想をいただけたら嬉しいです。

Thank you! よろしければコメントもぜひ!
31

川名 正憲/ファナティクス東アジア代表

スポーツエンタメxテクノロジー、ファンエンゲージメント。'Leaders Under 40' Class of 2019 #Fanatics #FanForward #DeportarePartners #JTA #コルクラボ

#スポーツ 記事まとめ

noteに公開されているスポーツ系の記事をこのマガジンで紹介していきます。
2つ のマガジンに含まれています

コメント2件

私自身はラクロスの普及に携わっております。プレーヤーはもとより、ラクロスを知ってもらいライトなファン(プレーはしないけどラクロスが好き)をどう増やしていくかを考えるべく、こちらのnoteを拝見しました。これからの投稿も楽しみにしてます!
Fanaticsのドライビングフォースがよく分かる素晴らしい記事でした。ありがとうございます。
現在Roktという会社の日本立ち上げに携わっていますが、Roktを選択した理由の一つがスポーツマーケティング x 地方創生 x インバウンド というところでお手伝いできる可能性を感じたためです。モチベ、上がりました!
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。