既存の感情表現に絶望しているひと
ほんとにはじめましての頃
SHOWROOMを聴くようになった理由は、はっきり言って詩央里さんの声質
(はじめましてで顔面が好きって言ってるようなものなので浅くてあんまり言いたくない)
愛なき場所も、息漏れと低音が気持ちいい曲
きれいな声で歌おうと思ってない感じ
でも、音は滅多に外さない
ビブラートはあっても途中でぶれることがないのは当たり前
歌がうまいって声質やテクニックだけじゃない
聴いている人全員、ライブハウス全体に遠く広く響かそうとしてる感じに聴こえる
(ガチャガチャ演奏するのが好きというひともいるだろうけど、どんなにギターうまくたって、ストローク強くたって、すごい顔して歌ってたって、歌詞が聴こえないは興醒めする)
ライブハウスで歌っていた詩央里さんが、2021年にルーテルホールでホールワンマンをした
ステージ上の振る舞いに何ら違和感はなかったのは、聴かせ方なんだろうな
ルーテル後くらいから詩央里LIVEを見る度に、歌あり演奏ありの舞台を観ているような感覚を持つようになる
弾き語りしてる詩央里さんの存在さえも、そのLIVEのパフォーマンスの中のごく一部みたいな(伝われ)
聴いてるこちらの集中力をアンコールまで途切れさせないステージング
物販に居る詩央里さんとステージ上に居る詩央里さんは同じだけどやっぱり少し異世界
自分の耳が"この音はいいもの"と、先に決めてくれたんだと思っている
4thアルバム Lighting in the dark のrelease後、今年のLIVEでひとつまたひとつと新曲が披露されて、詩央里曲は全部で46曲になった(23.9.16 ピエロ初披露)
それぞれの曲の好きな歌詞
あげたらたくさんになってしまう
生きてるあいだに
幸せだけでは完成しない命を
楽しみながら生きていくよ
私もその一人
傾いた世界を裁く正義の天秤よ
これが運命に似た感情ならば
見えているもの以上のものは見えない
誰かのプログラムだったとしても
変わらず生きたでしょう 選んだでしょう
いまの夢
ひとのこころに向かってまっすぐに
PEAK OUT
Peak out 声にもなりきれず消えていくだけの心が
Picking up 居場所を探して彷徨っている
いつか、詩央里さんのSHOWROOM歌枠の時にコメントした
「既存の(感情表現)形容詞に絶望してるひとの歌詞」
こんな感じだったかな
頭に浮かんだ素直な表現だった
貶してない
自分の仕事で意識的にやっていることは
①非日常的行動の選択の元になる感情を心理学的知見を使って聞き出すこと
②意識していないものを言語化させる為 機序になる質問事項を考えること
このふたつのことをひたすらに繰り返す
返答に納得できなかったら、何が記憶を引き出すトリガーになるのかをよく読み取って、抉り出す質問を考える
見たくもない共感したくもない他人のもの
選択に至る細かい思考の流れを読み解くみたいな作業
をやっていく中で、どんな人でも、全く気持ちが分からないなんて事がなかったのが逆に怖い
所詮感情やその動き自体は目に見えないし一切個から出ない
身体に触れても伝達しない
同じになる訳でもない
分け与えられるものでもない
もどかしいね
言葉は「最低限の共通概念」でしかない
その一面を疑うことなく、鵜呑みにしすぎた軽いやりとりは好きでは無い
その点、しっくりくる言葉を探して探して、或いは見つけて、詩に重きを置いている詩央里曲は歪(いびつ)で最高
キレイな部分だけじゃない
重たい奥の層にある複雑な情(じょう)みたいなものでじっくり練られたもの
眩しいくらいまっすぐなものもある
述語で構成され過ぎていて余白がある
聴いている側の解釈にストップをかけない
重たい
重たいがとても好き
見ている人聞いている人に、優しく、言い方は乱暴だけどたまに突き抜けるような気づきをくれたり、眠ってた経験を呼び起こさせる
自分の中身を外から揺さぶられて、経験と紐づいてる新鮮なままの記憶を気持ちごと引き摺り出される
痛い嫌だと思ってても聴いてしまう
これ堪らんよなぁ
キレイな声とキレイな言葉だけじゃ
ここまで聴くことは無かったと思う
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