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#51  『現在・過去・未来 ♬』ー「過去」から「未来」を観る

1.本日の東京は「梅雨の晴れ間」

 本日の東京は「梅雨の晴れ間」。第2月曜日で、新聞休刊日だったこともあり、1日の時間の流れがいつもと違う感じがしましたが、終日穏やかな晴天が続きました。
 本日、四国地方の梅雨入りが発表されました(観測史上5番目に遅い梅雨入り)。昨年は、中四国地方に1か月以上遅れて梅雨入りした関東甲信ですが、今年は、四国地方に1週間先行して梅雨に入りました。
 今週半ばには、全ての地域の梅雨入りが予想されており、しばらくは、雨模様の不安定な天気が続きそうです。皆様体調に留意してお過ごし下さい。

全国の梅雨入り日

2.『現在・過去・未来 ♬』ー「過去」から「未来」を観る

2-1 「迷子になった時は1回入口に戻る」(平良三郎「ちむどんどん」)

 NHKの朝ドラ「ちむどんどん」(第43回)での片岡鶴太郎さん演ずる平良(たいら)三郎が、黒島結菜さん演ずる主人公の暢子にかけた言葉です。

 私は、余りテレビは観ませんが、朝ドラは、2005年の「ファイト」以来、欠かさず見続けています。ーどんなに酷評されても、休まずに見ています。
 勿論、作品の巧拙によって好き嫌いはあるのですが、「反面教師的」に観ることを含め、どんな作品でも、見どころを感じて観ています。

暢子と平良三郎のやりとり≫>
 「だけどこれ以上、どんな手を打てばいいのか、分からなくて迷子
なってるんです」(暢子)
 『入口に戻るしかねえなあ。迷子になった時は、1回入口に戻る。料理のことは良くわからねえが、それが人生の基本だ』(平良三郎)

平良三郎が、比喩的に使った『入口』は何処にあるのか:人それぞれに、場面や環境によって、違った『入口』があると思いますが、こういったシーンは、誰にでも思い当たる経験があるのではないでしょうか。

迷子』という言葉に、昨年10月の「私の履歴書」に連載されたノーベル化学賞受賞者である吉野彰さんの『迷い道』を思い出しました。

2-2 『現在・過去・未来 ♬』ー「過去」から「未来」を観る(吉野彰さん)

昨年10月に#19としてnoteに投稿していますが、10月9日付の日経新聞「私の履歴書(吉野彰「迷い道」ー苦闘の合間にカラオケ 歌と研究の類似点に共感)を題材に書いたものでした。(「迷い道」1977年渡辺真知子作詞曲)

 吉野さんは、”「現在」からではなく、「過去」から未来をみること、の大切さ”を語っておられます。

・「迷い道」はとりわけ思い出深い。この曲は78年に大ヒットしたが、初めて耳にした時から不思議に思っていた。「現在・過去・未来」という歌いだしだ。普通なら過去・現在・未来のはずだが、なぜ入れ替えたのだろう。
・ずっと後になって、ふと思い当たった。「未来」は「現在」の延長にあるのではなく、「過去」の延長線上にある。現在からではなく過去まで遡って未来を見よ、といっているのではないか、(「私の履歴書」(9)迷い道)

 吉野さんは、2020年の初めに、「迷い道」の渡辺真知子さんと対談の機会を得ますが、渡辺さんも後日、吉野さんとの対談の思い出を語っています。

1977年の渡辺さんのデビュー曲である「迷い道」は圧倒的な歌唱力が印象的でした。当時、私は大学2年でしたが、今でも口ずさむと、当時の情景が脳裏に浮かびます。Youtubeの公開URL「迷い道」を貼付します。

(ここからは少し”脱線”です)
「迷い道」の歌詞「現在・過去・未来」が、どうして”「過去」から「未来」を観る大切さに気付くヒントになったのか”、私なりの考察です。

「迷い道」イントロ部分(筆者作成)

 「迷い道」の冒頭の歌詞、「現在・過去・未来」が、吉野さんのリチウムイオン電池の大発明につながるヒントになった理由・・・私はずっと疑問に思っていました。
  軽快なテンポで始まる冒頭の「現在・過去・未来」ですが、「現在」の次に「過去」が来て、「過去」のすぐ隣に「未来」があります。
 何度も歌い、聴いていると、この部分には「ミ・ラ・イ」が、「過去」の中に深く沈潜して行く感覚があります
 それが、吉野さんが「過去から未来を見ることの大切さ」に気づくヒントになったのではないか、と考えています。
 繰り返して歌いながら、私も、その感覚を共有できたような気がします。吉野さんに確かめたわけではありませんが(笑)

3.子どもの頃の自分に会いに行く

 ミドル・シニア対象のキャリアデザインセミナーやセミナー後の1on1面談で、「未来のありたい自分」をイメージしようとするとき、多くの方が、苦労されます。
 どうしても、「現在」の視点で観てしまい、色々なものに囚われ、自由な発想ができないのです。
 そんな時、「子供の頃の自分に会いに行きませんか?」と切り替え、こんな質問を投げかけて、やり取りをします。この場合の「入口」は、「子どもの頃」なのです。
(例えば、こんな質問からやり取りを始めます。)
・子供のころ(3歳から6歳ころ)、誰にあこがれましたか?その人はどんな人で、どんなところにあこがれていたでしょうか?
・子供の頃に抱いていた「将来の夢」はどんなものでしたか?なぜ、そんな夢を抱いたのでしょうか?
 
「子供の頃」に「時間軸」を動かす
 しがらみのない、子供の頃(過去=入口)から「未来」を観ること:
「時間軸」を動かして「未来」を観ることで、「現在」からは見えない景色が見えてきます。
 「対話」には、内省(=「自問自答」)にはない、「他問自答」「自問他答」、両者の相互作用があります。
 キャリアカウンセリングにおけるナラティブの手法ですが、クライエントとの面談においても、この手法を適宜取り入れています。クライアントに「物語って」いただくのです。

「迷子」ー「迷い道」(現在・過去・未来)ー吉野彰さんー「過去から未来をみる」ー「子どもの頃の自分に会いに行く」
 先週の朝ドラから始まって、点と点がつながり、私自身が、子供の頃の自分に会いに行った一連の時間でもありました。

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