【ライブ感想文①】RISING SUN ROCK FESTIVAL2023 in EZO 2023.8.11(金)〜8.12(土)
こんばんは。シリアスファイターです。
今回から2回に分けて、北海道が誇る夏フェス、RISING SUN ROCK FESTIVAL(以下、ライジングサン)で見たライブの感想をまとめていきます。
3年ぶりの開催となった昨年から、ステージ数も3→5になり、入場者数も倍近く増え、歓声も戻りと、コロナ禍以前の形に戻りつつあるライジングサン。
昨年は2日目のみの参加でしたが、今年は久しぶりに2日間通しで、運良くテントサイトを当てられたため久しぶりに会場でテント泊を挙行し、存分に石狩の海風を感じながら(それ以上に暑すぎる陽射しを受け止めながら)音楽を浴びさせていただきました。
今回は2日間のうちの初日に見たライブの感想文です(フル尺で観たものに限ります)。
有り余る想いは十分に伝わる程度に、できる限りコンパクトにしたいとは思っていますが、それでも長くなるのが私の常なので、興味のある部分だけでもご覧ください。
というわけで初日一発目のこのバンドから早速。
14:00〜サンボマスター
個人的に、ライジングで見るのは2013年以来10年振り(!)
正直そろそろCreepy Nutsが見たいお年頃(年齢ではなくライブを見たいと思ってからの年月の経過という意味)でしたが、それでも私の心に植ったロックンロールの種子が、開花したがっている気持ちに逆らうことはできませんでした。
この日の気温はおそらく30度超。
私が参加してきた過去7回?の記憶を遡っても、おそらくダントツで暑すぎる石狩の大地。
そんな太陽の輝きに負けじと4年ぶりに復活した、ギラギラと光る真っ赤な屋根の屋外ステージ、RED STAR FIELD。
テント貼りを終えた段階で既にバテかけていましたが、久しぶりのREDを早々に拝みたいと出番の30分ほど前に到着すると、なんとご本人登場…!
「今日はリハやんだよ…。いや、普段も別にやりたくないとか偉そうに言ってるわけじゃねえんだけどetc...。」と、早々に言葉が止まらない山口さん笑
まさかの「そのぬくもりに用がある」を、リハだからと抑えめにしっとりと演奏します。
歌い出しからマイクが熱を持ちすぎていたのか「熱っっっ!」とリアクションを抑えきれないところから始まり、「抑えろ俺…抑えろ俺…」と、演奏し始めると止まらないロック魂と自制心の一進一退の攻防を展開しながら、2番終わりのギターソロでとうとう大爆発するという最高の流れ笑!
既に暑さでしおれてしまいそうなエゾロッカーからも大歓声が上がります!
「お子さん優先で、最高の時間にしましょう。」
世にも珍しいフェスでリハーサルをするサンボマスターの姿を見ることができた時点で、この時間、このステージを選んだ全員の優勝が確定しました。
いよいよ本番。
開演SEとともに、勢いよく前に雪崩れ込むエゾロッカー一同。
「やれんのかこのやろおおおお!!」
もう抑える必要がない山口さんのシャウトと、木内さんの力強いドラミングから、「輝き出して走ってく」で、RED STAR FIELDの、RISING SUNの歴史が再び始まりました。
そのまま朝のご挨拶、ポーズをバッチリ決めた「ヒューマニティ!」で、私を含めたエゾロッカーをどんどん覚醒させていきます。
近藤さんも暑い中、立ち位置だけでいえば山口さんよりもグッと前のひなたまで出てきて、会場を見渡しながらベースを弾き倒します…暑すぎる…!
木内さんの雄叫びと力強いドラミングから「青春狂想曲」で、山口さんの煽りに負けじと心も身体も大いに踊らせていただきます…!
「いいか!?そこの…車椅子のお客さん…ですかね…?そこの周りぜってぇ守れよ!
後、お子さん最優先!!
絶対、ここにいる全員で楽しかったねって終わるんだ!!!」
こんなに激しいのに、こんなに暑いのに、こんなに優しさと愛に溢れる空間…!!
この日の「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」で、叫んだ「愛と平和」は、目の前の光景も含めていつも以上の実感と熱を伴っていました…!
「ロックンロールイズ、ノットデッドオオオオオ!!」
本当に喉から血が吹き出しそうな勢いで力の限り叫ぶ山口さんの曲紹介から既に込み上げていた「ロックンロールイズノットデッド」も、既にクライマックスかのような強烈な盛り上がりでしたが、個人的なピークはこの後にありました。
「俺たちの(ライジングサン)初出演は2004年。
そん時の俺らを超えるために力貸してくれええ!
…「美しき人間の日々」!!」
ぶわああああ…!!!
思わず悲鳴のような声が出てしまい、膝から崩れ落ちそうなほど涙が止まらなくなってしまいました。
私がサンボマスターを知った2005年から大好きな曲。
でも私が行ったライブでは一度も聞くことができていなかった曲。
曲中に何度も咆哮する木内さんに呼応するように、剥き出しの心で掲げる私の拳は止まりませんでした。
全ての過去を越えて、今のサンボが鳴らすロックンロールの革命が起きた4分間…!
「(今日は)時間ないから手短に!
この3年とか4年の間に、コロナとか戦争とかもあってさ、もう全部終わったのか…?
ふざけんな!!!勝手に終わらんせな!
君は終わってねえ!
君はいた方がいいよ…!
Future is Yours!Future is Yours!!」
この数週間、原曲で、ファーストテイクで、何度も励まされ続けたその言葉を、そのロックンロールを、とうとう目の前にいる山口さんから、サンボマスターから受け取ることができました。
もうここまできたら、今この空間で、ロックンロールにできないことなんてありませんでした。
サビではこのライブ1番の巨大なサークルもできる中、たくさんの人が歌い踊った「できっこないをやらなくちゃ」、そして最後は「花束」で、近藤さんのベースを煽っていつまでも終わらない「あなたが花束」のシンガロングまで鉄壁の流れ…!
「なにかちょっとでも不安なことがあったりしたらクスッと笑えるような、大丈夫だって思えるような今日を思い出せ!
お前の居場所はここにあるんだ!」
何があっても忘れない伝説の2日間と、その後の人生の始まりを鳴らしたロックンロールの余韻は、一生醒めることはありません。
15:50〜CENT
昨年9月に初めてワンマンに行った時、これが最後かもと感じた予感はそのまま現実となって、未だにほんのりと寂しさが募っていますが、各々がそれぞれの道を歩み出しているBi SH。
明日もアユニさんのPEDROが控える中、この日は久しぶりにチッチさんを見ることができました。
もちろんソロで見るのは初。
ステージ前方に緑色の木々や枝の装飾が施されたHygge STAGEの最前列は、ステージが始まる直前までギリギリ日陰になっていて、暑すぎるこの日のささやかな癒しとなります…。
気持ちいい…。
そんな気持ちいい空気の中登場したチッチさんを含む4人のバンドメンバーは、この季節にぴったりの「向日葵」から、カラッとした雰囲気のバンドサウンドを聞かせてくれます。
リハの段階で方々から「可愛い!」と声援が飛び交っていたチッチさんは、その愛らしさはそのままに、凛とした真っ直ぐな歌声を聞かせてくれます。
BiSHの時よりも肩の力が抜けて、柔らかくなった印象で、笑顔もたくさん見せてくれたチッチさん。
それでもどことなく切なさを含んでいるかのような歌声は、聞いていて癒されると同時に、どこかキュッと胸を締め付けられるような気持ちになります…!
「こんにちはCENTです。
ライジングサンは、BiSHで来て以来大好きなフェスです。
今日は暑いので、ここから静かな曲を何曲かやります…、聞いてくれたら嬉しいです。
大切な存在を思い浮かべて作った新曲です、…「君へ」」。
曲名紹介がグサっと誠実に突き刺さるのはBiSHの時から感じる印象そのままに、伸びやかな声を誠実に聞かせてくれた新曲。
この曲に限らずですが、ステージ全体のお客さん全てに届けるように、ゆっくりと全方位に視線を送りながら歌を届けている様子に、音楽と、聞いてくれる人に向き合う誠実さをより強く感じました。
「…非常に緊張してます…!」
と本人は言っていましたが、緊張以上にその誠実さが光るステージ。
一番の驚きは、この後披露された新曲、「決心」。
銀杏BOYZの峯田さん提供曲とのことだったので相当激しい曲なのかとは思いましたが、それを表現するバンドメンバーのグルーヴの仕上がりたるや…!
特にイントロからギター、庫太郎さんのフレーズの暴れっぷりが尋常ではありません…!
それに負けないくらい、曲中に飛び跳ね、駆け足やステップで軽快な動きを見せながら、熱い歌を届けてくれるチッチさんに、いつまでも一方的に癒されている場合ではなく、こちらも手を挙げて存分に応えさせていただきました…!
「皆さんの心に何が残っていれば嬉しいです。
また元気で会いましょう!」
それはこちらのセリフでもあります!
これから続くチッチさんの旅路にエールのような拍手を送りながら、気付けば最前列にいてもギラギラに照りつけていた太陽は眩しくて仕方なかったですが、それは太陽だけのせいじゃなかったかも…しれませんね…!
17:20〜エレファントカシマシ
ホントにいつぶりですか…!!??(おそらく2016年のライジングサン以来)
私は…ずっと待ってましたよ!
この時間帯の各ステージは、個人的な強豪校が文字通り競合し尽くしていたため、ギリギリまで悩み狂いました(これは翌日も発生する)が、最終的には久しぶりすぎる4人の姿をドーンと胸張って焼き付けたくなった次第。
少しずつ陽が傾いてきたと言えども、まだまだ日差しが辛い夕方17時過ぎ。
そんな状況下でも上下真っ黒のスーツを身にまとい、頭を掻きむしりながら現れた宮本さん。
「イエー…エブリバディ!」
いつも何も変わらない好調ぶりがうかがえたところで、早々に石森さんと向き合ってリズムを取り始めます。
間もなく石森さんのギターからは聞き馴染みのある威勢のいいギターフレーズがズバーーンと飛び出してきます…!
一曲目から「ファイティングマン」…!
宮本さんはステージを左右に歩き回り、何度も両手を大きく広げて、時には投げキッスらしきものを連発しながら、その力強い美声で石狩の大地を圧倒していきます。
本日はサポートギターの佐々木さんを迎えた5人編成。
楽器隊の力強さと一体感は7年前に見たものと寸分違わず健在で、浴びるほどに私を力づけてくれます・・・!
紛れもないエレファントカシマシ・・・!!
大名曲「悲しみの果て」に続き、もはやライジングサンのエレカシと言えば?の代名詞ともいえる「風に吹かれて」。
少しずつ涼しい風が吹き始めたこの時間に抜群にはまる哀愁漂うメロディとロックサウンド・・・であることは当然でしたが、この曲あたりから(?)どうやら宮本さんのギターの調子があまりよくないらしく、歌いながら何度も袖のスタッフに身振り手振りで指示を出しています。
大丈夫かな・・・?といらない心配をしつつも、最終的にギターを置いてハンドマイクスタイルとなり、サビで大きく豪快に手を振りながら、力強い歌唱に徹する宮本さん…!
心配なんてなんのその、まだまだいけるじゃないか!と言わんばかりに私もその手で応えます。
ギターも調子を取り戻したのか、トリプルギター編成で続く「yes. I do」の渋すぎる重厚なセッションは圧巻。
トラブルも混みで必然的に響くメッセージと、何があっても、どれだけ時が立っても響き続けるだろうアンサンブルに、私も静かに胸を張ってしまいます…!
ここでとうとう黒いジャケットを脱ぎ、白いYシャツ姿となった宮本さん。
今度は椅子に座ってギターをポロポロとやりながら、何やら語っています笑
なんだなんだ…と少し笑い声も聞こえる中、唐突につんざくようなギターフレーズはまさかの「珍奇男」…フェスで聞けるとは…!
ところがまたもや調子の悪いギター。
すると曲中、石森さんの方を向いて「お前のギターを貸せ!!」と言わんばかりのジェスチャーで石森さんの引いていたレスポールを奪取して弾きながら歌い倒す宮本さん!
石森さんの立ち姿から、「えっ、どうしよう…?」という心の声が聞こえてくるようでしたが笑、スタッフさんの素早い対応によりすぐに代替のレスポールに切り替えられます。(無論ですが、この間演奏は一度も止まっていません…!)
いよいよ終盤、最も盛り上がる後奏のセッションで、高緑さん、冨永さんによる鉄壁のリズム隊が重厚な基盤を築き上げる中、宮本さんは石森さんの代替機の方が調子がよさそうだったから?なのかは最早素人の私には分かりませんでしたが、今度は「ギターを交換しろ!!」とのジェスチャーから、宮本さんは石森さんの代替機を、石森さんは元々持っていたレスポールを急いで交換してセッションを続行します!笑(曲終わり、「もう何のギターかわからなくなっちゃった。」と宮本さんもおっしゃっていましたが笑、それだけ演奏に集中していたということでしょう笑)
な・・・なにが起きているんだ・・・?ハチャメチャで演奏の音が止まったりブレたりするのに、爆発的なエネルギーだけがこちらに伝わってくるこれはなんなんだ・・・!?
ライブはいつだって1本それきりですが、思わず笑ってしまうのに、圧倒的なエネルギーに満ちたこの「珍奇男」は、どう考えても二度と聞けないし、一生頭と心から離れないことは明白でした…!
そんなエネルギーを最大限放射しながら、宮本さんが圧巻のボーカルワークを魅せていた「RAINBOW」は凄まじい生命力…!
高音+早口が続く高速ロックナンバーを、全く噛まず、音もブレず、その太い美声を維持したまま、肺の中にある空気を限界まで出し尽くすかのようにフレーズを紡ぐ宮本さんの全力と、迫り来るバンドのグルーヴは、虹色じゃ収まりきらない輝きを放っていました…!
それはライブ定番の「ガストロンジャー」でも健在で、こちらも胸を張って大きく拳を掲げずにはいられません…!
「もう時間ないか…?」と少し時間を気にする素振りを見せながら、続く曲は「so many people」…!
やった!ついに初めてライブで聞けた…!
実のところこの曲も、最後に演奏された「俺たちの明日」も、一度はギターとともに歌いだした宮本さんでしたが、結局調子が悪く歌いながら無理やり頭からギターを降ろしてハンドマイクスタイルで最後まで歌い切ることになりました。
それでも無論、宮本さんの絶好調の歌声は最後まで野太く途切れることはなく、渋さ満点の楽器隊は一音一音丹精込めて、愛と熱に溢れたロックサウンドを聞かせ続けてくれたエレカシ。
「次のこのステージは、The Street Slidersだ!」
そう言った宮本さんはYシャツを脱いで上裸になると、すごい顔をしながらそのYシャツで汗を拭きまくるという奇行(?)を見せ、ステージを去りました笑
何が起きても、宮本さんの持つ色んな意味で圧倒的なパワーと、それに必死に食らいつく楽器隊で乗り切ったライブ。
どう切り取っても私が知っているエレファントカシマシのライブだったこの時間が最高すぎたことは、周りのエゾロッカーの嬉々とした反応や表情からも明らかでした。
19:40〜PEOPLE1
今日は体力の消耗がすごい・・・。屋台でのカレーや冷たい飲み物に助けられ、何とか元気を取り戻したころには、流石に陽が落ちて涼しくなってきた石狩。
MOROHAとギリギリまで悩みましたが、ステージ間移動の体力や、CDJで見られなかった悔いなどを天秤にかけ、EARTH TENTへ向かいます。
到着したのが開演直前だったこともあり、既にテントに人が入り切っていない状態だったため、テントを少し出た外から観覧。
登場SEとともに、ライブ用の耳栓をしていても怒号のように響く歓声・・・!
正直なところ私はいわゆる「にわか」ファンで、知らない曲の方がずっと多かったPEOPLE1(最後にセトリを書きましたが、あれは後々調べて知ったものです。)
なので、ライブで聞いていた際、知っていた曲は半分くらいでした。
にも拘わらず、一曲目からバンドに対するイメージは激変。
本人もMCで「インターネットの世界から来ました。」と言っていましたが、いわゆる打ち込み主体の音源の印象が強かったこのバンドも、ライブではほぼ完全に生音による演奏。
それら全てが、とてつもない高揚感やスケールの大きさで飛び込んでくるものですから、音を浴びているだけで自然と心のやる気スイッチが入ってしまいます…す…凄い!
歓声が上がった2曲目の「DOGLAND」は、チェンソーマンの主題歌として私も聞き馴染みがある曲でしたが、やさぐれつつも、内に秘めた狂気のようなものが、サビで無理やり無邪気に解放される感じ…と言うんでしょうか?
ここでしか、この音でしか生きられない、という「ええじゃないか」状態の盛り上がりを見せるフロアの光景に息を吞みました…。
そんな中でも、ゆったりとした灯りがともるようなアンサンブルが気持ちよかった「常夜灯」のような曲もしっかりと聞かせてくれて、振り幅の広さを50分の持ち時間の中で存分に見せてくれます。
終盤の「エッジワース・カイパーベルト」。
まるでテーマパークのパレードに迷い込んだかのような圧倒的な多幸感、カラフルな照明、たくさんのタオルが舞う空間にクラクラしそうでしたが、私もついつい身体が動いてしまい、「エッジワース・カイパーべーーールト!」と口ずさんでしまいます。
意味は分からずとも、何よりも演奏と曲の良さをハッキリと見せつけられたら、こちらもロックバンドとして信頼するほかはありませんでした・・・!
最後の曲、実は知らない曲でしたが、このライブで圧倒的に印象に残っているのがこの「東京」。
キラキラした街の中で、必死に自分の光を探してもがきながら輝き続けるように広がる音の群れと、キラキラ輝くギターフレーズは忘れられません。
どの曲も原曲以上に生のライブで聞く魅力を放っていたPEOPLE1…これは最高の発見…!!
21:20〜くるり
大トリ経験もあるライジング常連バンドの1つですが、今年のステージはEARTH TENTということでこれは流石に初めてでは…!?(厳密には初めてではありませんでした…)
さながらライブハウスの様相に近いこの青い屋根のステージで、変幻自在のロックバンドはどんなライブを見せてくれるのか…?
PEOPLE1を見た時から感じていましたが、EARTH TENTは屋根で客席も覆われていて音の逃げ道(?)が少ないからか、全体的に音響がいい!
どこにいてもすべての音がずっしり響く!
そんな中フラリと現れたくるり御一行は、リハーサルからいきなり「ワンダーフォーゲル」をフル尺で繰り出し、私のロックンロールワクワクエンジンをフル回転させてくるという強烈な先制パンチ。
既にノックアウト…。
その後、「太陽のブルース」なんかも、ねっとりと聞かせてくれるものですから…。
まっ、待ってください!
本番まだですよね!!??
正規メンバー+サポートメンバー3名による今回の編成が以下に真っ当なロックバンドとして成立しているかがよく分かったところで、いよいよ本番を迎えます。
「くるりです。よろしくお願いします。」
柔らかい訛りで挨拶する岸田さんに、大歓声で応えるエゾロッカー。
「In Your Life」で、一音一音着実に、石狩の地にくるりサウンドを植え込み始めます。
もうすっかり疲れがたまる中、涼しくてカラッとした風が吹く21時20分に染み込むロックサウンドNo.1。
じっくりと浸ったところで岸田さんが、その緩くも力強いストロークを見せると全私の細胞が喜びに打ち震えた「Morning Paper」・・・!
私がライジングでくるりを見た時は、ほぼ100%の確率で演奏されているため、ある意味勝手に定番曲と思い込んでいるこの曲。
原曲以上にじっくりねっとりとテンポを落としてとぐろを巻くAメロから、無邪気に爆発する間奏を経てのサビ…もう…たまりません!
「改めましてくるりです。よろしくお願いします…ベース!佐藤将司!」
2回目の爆発時には、岸田さんの宣言から佐藤さんのブリブリのベースも火を噴きます…!
岸田さんも、腕をぶんぶん振り回したり、楽しそうにマイクの前まで出て、バンド全体を見渡しながらノリノリでギタープレイに興じます。
そして最後にはサポートの松本さんの強烈すぎるギターが「ギュワーーーーーン!」と一発!
岸田さんの合図とともに雪崩れ込む、ギターロック好き歓喜のアウトロに大歓声…!
「涼しいと思ったら、北海道なのに暑いですね。
しっかりと汗かいてってください。
盛り上がってしまったので、くるりらしくバラードを笑」
そうは言いつつ、結局イントロのギターフレーズで盛り上がってしまった「奇跡」。
原曲ではサビの最後のフレーズを裏声でフェードアウトする岸田さんは、この日の演奏では最後まで地声を張り上げます。
何か祈るような気持ちを必死で紡いでいくような歌声と、ただただ綺麗で切ないメロディに身体も心も満たされていきます。
岸田さんを中心に、ステージ横の数本のシンプルな照明だけがメンバーを照らす中、岸田さんのアルペジオを皮切りに始まった「California Coconuts」は、聞きながらそういえば歌詞に「朝日」って入ってたな・・・!このフェスにピッタリだ!という雑念もよぎりつつ笑、そのまま今度は「琥珀色の街、上海蟹の朝」。
最初はギターを弾く岸田さんも、途中からハンドマイクで見事なラップを見せると、テント中のエゾロッカーから歓声が上がります…!
曲の最後には、岸田さんが前に出て、へんてこで可愛い踊りを披露するところまでセットで最高!笑
そんな空気を引き継ぐように、さらなる歓声が上がったのは次の曲が「ワールズエンド・スーパーノヴァ」だったからで、そのままノリノリの岸田さんは、イントロに乗って軽快な動作で交互にステップを踏み鳴らします。
どことなく感じる儚さや切なさはそのままに、冒頭の岸田さんの発言のようにしっかりと汗をかきながら、音と遊べるこの時間の尊さを一身に感じて、このビートに身を委ねます。
そこからさらなるさらなる歓声。
歓声のうなぎ登りが凄まじい中演奏されたのは「ばらの花」…!
幾度となく聞いてきたこのフレーズ。
今この時間だけは、確かな根拠はないけど大丈夫。
だからこのライブでは思いっきり感情を露わにしていいんだ・・・!
そんな実感がこんなに嬉しくて、愛おしくてたまらない至福の時でした。
「ここからの曲、逃げたらあかんよ笑」
この後の「虹」は、ラスサビ前の岸田さんのアカペラに震えつつも、曲終わりまでほぼ原曲の展開通り、じっくりと淡くも力強いアンサンブルを聞かせてくれたと思いきや、そのまま曲は終わらず、全く別の曲かのようなヘンテコなビートに載せて、岸田さんと松本さんによるヘンテコギターフレーズ大会に突入!笑
そのまま今度は野崎さんによるキーボードソロ大会の様相で、楽しいジャズ風味のセッション会まで催され、このまま全楽器の見せ場セッションとなるかと思いきや、そこで唐突に終了笑。
「虹」で感じた重厚な余韻はどこへやら笑
なんだったんだこの時間、でもなんだか妙に楽しかったと思った時点で、完全にくるりの変態グルーヴに掌握されきっていた私。
「ありがとう!くるりでした!!」
何となく、この曲で終わったらいいとうっすら期待していたけれど、いざドラムカウントからその曲に入るとびっくりして泣いてしまうラストは「ロックンロール」で、文字通りの大団円…!
あんなに変態だった前曲から一転して、切ないのにこんなにワクワクしてしまうアンサンブルで、ステージだけでなく会場中がキラキラ輝いているように見えてしまいました。
さよならを言わなきゃいけない時はあっという間に来てしまったけど、また会えるような気がしてしまうし、どうしても期待してしまう自分に嘘は付けませんでした。
私がライジングで見てきたくるりの中で、ダントツに会心の一撃となったロックアクト…!
全く違う形になってるかもしれませんが…ああ…やっぱりそろそろ久々にワンマンも行きたい…!
23:30〜ストレイテナー
午後10時30分ころ、私は考え事をしながら、水場で歯磨きをしていました。
次のステージに進むか、体力を温存して寝るか。
今は涼しいけど、正直今日の暑さで体力的には相当堪えていたこの時間。
でも、先ほどのくるりの素晴らしい余韻も手伝い、後悔はしたくありませんでした。
次なるステージは、通し入場券を持つ者のみが観覧を許される、初日深夜のステージ。
ストレイテナーとの60分一本勝負…かかってこいや!!!
ちょっと意味不明でしたが、要するにそのくらいの意気込みで23時過ぎのEARTH TENTへ。
いつも通りのSEに乗せて、満場の歓声とハンドクラップとともに、晴れやかな表情の4人が姿を現します。
いつもながら感慨深げにドラムの椅子の上に立って客席を見渡すシンペイさんを見るだけで既にグッときてしまいますが、今日はただ感慨に耽っている場合ではありませんでした。
クールな表情のOJさんが繰り出す熱いギターストロークを口火に、もう疲れ切った初日の深夜に集った音楽狂いのエゾロッカーに「KILLER TUNE」を一撃!
さっきまで「疲れてるしどうしよう…」と言っていた自分はどこへ行った!?
手を挙げ、身体を揺らし、声を出す自分を覚醒させるには充分すぎる真っ直ぐなロックンロールだけがそこにありました。
「Braver」で聞かせる重厚でメロディアスなサウンド、「宇宙の夜 二人の朝」で浸るこの深夜の風景と、これから訪れる朝に繋ぐ僅かな希望に想いを馳せながら、そんな夜明けへの希望を「From Noon Till Dawn」に託します…!
「朝までやるぞ!!!」
曲中に叫ぶホリエさんに呼応するように、ますます熱気ムンムンのEARTH TENTの主役は、そこに立つテナーと、全力で迎え打つ私を含めたエゾロッカー!!
そのまま続くは、まさかの中盤戦で披露される「Melodic Storm」…!
ここで終わりでもおかしくない大団円と大合唱で、涼しい風が吹くEARTH TENTに、音楽でとてつもない風を巻き起こしてくれます…!
既に感無量の光景…!!
「ライジングサン、6年ぶりに帰ってきました!
おかえりって言ってもらっていい?」
ホリエさんの呼びかけにテント中から「おかえり!!!!」コールの嵐!
「6月にツアーで来て、今日はライジングで、来月もSORAONってイベントで新十津川に来て、俺たち北海道大好きバンドです!
6月のツアーの時MCで、ひなっちがテントが立てるみたいな話を冗談で言ってたら、本当にテントのセットを立ててくれました!
電飾までお金かけちゃって笑」
まさしく私が参加した先日の札幌公演で言ってたやつじゃないか笑、とこのライブ前にそのセットを写真に納めさせていただきました笑
「再会の歌を。」
鳴らされる「彩雲」に切なさは皆無で、また会うことができた喜びをエゾロッカーとテナーがお互いに讃えあうような時間が流れます。
そのままじっくりと「SIX DAY WONDER」を聞かせた後、ザクザクと野道を掻き分けるようなホリエさんのギターストロークから、ライブでは久しぶりに聞く「羊の群れは丘を登る」。
サビのラスト、裏声ではなく、力強く声を張り上げていたホリエさん。
何年も地道なライブ活動でバンドを続けてきたテナーが、その先にたどり着いた6年ぶりのライジングサン。
自分で歩いた先に、どんな景色かは分からずとも、まだ見ぬ景色に出会えることを、この場では「希望」と言わずに何と言えばいいか私には分からないまま、アウトロの身を削るようなセッションとホリエさんのシャウトを受け止めました…!
そんなテナーが辿り着いた先を描く「Silver Lining」、夜の野外で叫び出したくなるような、夜空そのものが叫んでるかのような錯覚する覚えるOJさんのギターフレーズに胸が締め付けられるような思いすらした「叫ぶ星」を経て、美しいアルペジオイントロから歓声が上がった「REMINDER」。
一生忘れない、何度でも思い出すこの夏の深夜の光景を思うと、ラスサビ前の攻撃的な間奏部の破壊力は過去一番の「REMINDER」でした。
そしてやはり、この曲は聞きたかった「シーグラス」…!
石狩の港で文字通り、今年最後の海へ向かう夢は叶いました。
もうすぐ初日が終わってしまうのはとっても寂しいのに、こんなにロマンチックでワクワクしてしまうのはどうして…!?
この胸の高鳴りはなに…!?
「ありがとうございました!!」
と、唐突にホリエさんが言うものですから、あれ!?終わり!?かと思ったエゾロッカーからアンコールを求める激しい拍手が起きます!
どうやらまだ終わりではなかったらしく、一旦拍手が止むと、「いや、止めるんかい笑」とホリエさんからツッコミが入りましたが笑
「最後に大好きなバンドの大好きな曲をカバーして帰ります!
ありがとうございました!」
ひなっちさんの見事にうねるようなベース捌きは…まさかのミッシェルガンエレファントの「ダニー・ゴー」!?
シンペイさんの力強いドラムも、OJさんのギターも、1mmも小細工なしで原曲通りの真っ向勝負!
何より驚いたのは、ロック界きっての美声の持ち主であるホリエさんの声がサビで、がなる!われる!だれる!
それは今日出演予定だった、療養中のThe Birthdayのチバさんへのエールだったのかもしれません。
真意はこちらには分かりませんが、直球で激しく打ち鳴らす4人の姿から、ミッシェルが大好きで、この曲が大好きで、ロックンロールが大好きで仕方ないことがビシビシと伝わってきました…!!!
最高…!!!
そんな姿を見せつけられたら、やっぱりもうちょっと見たくなります…!
たまらずアンコールを求める拍手に応じて、再び登場するメンバー!
「もう声出ないよ笑
…ありがとうございました!」
アンコールは全てを出し切る「ROCKSTEADY」…!
今思えばこの時間、この場所にぴったりなフレーズと、最後までどの楽器も真っ直ぐに心をとらえて離さなかったストレイテナーのロック。
夜だってのに空も、心も、快晴…!
清々しい余韻とともに1日目の夜は更けていきました…
結局この日の夜は…4時間しか眠れませんでした…!笑
今回は以上です。
近日中に2日目の感想も書き終えたらあげようと思いますので、よろしければお付き合いください。
その前におそらく一本、別の記事が上がると思います笑
最後まで読んでくださったそこのあなた、本当にありがとうございました。
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