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【ライブ感想文】10-FEET「"コリンズ" TOUR 2023 FINAL SERIES」@Zepp Sapporo 2023.10.28(土)



 こんにちは。シリアスファイターです。


 今回は10-FEET、昨年リリースのアルバムツアー、札幌公演のライブ感想文です。


 ツアーは継続中ですが、10-FEETの場合は同じツアーでもライブの度に劇的に曲目を変えていることや、公式のSNSでセトリがアップされていることもありますので、私もお構いなしに、思うがまま曲に触れながら以下の文章を綴ります。


 というわけで、張り切って参りましょう。
 よろしくお願いします。



 アルバムが出たのはもう昨年の12月。
 とんでもない早さで過ぎ去る時間の中、スラムダンクフィーバーも起こっていた10-FEETの皆さんは、その間も途方もない本数のアルバムツアーを周りながら、フェスやイベント出演、自身主催の京都大作戦など、「一体いつ休んでるんだ…」と勝手に心配してしまうほど、ライブに明け暮れていた印象でした。



 その当該アルバム「コリンズ」は、語感重視のかっこよすぎるミクスチャーロックから、徹底して歌詞に向き合わざるを得ない美しい歌メロ曲まで、ダサくて、情けなくて、独り善がりでも、また一歩踏み出せるまで待ってると、側で語りかけてくれるような溢れる優しさと愛情が染み渡るものでした。
 直接3人を見てきたわけでなくとも、ライブ現場などで、たくさんの経験と出会いを重ねてきたからこそ滲み出る人間力を存分に感じるアルバム。


 そんな積み重ねの果てに、今回のアルバムツアーもいよいよ終盤戦。
 常に現在進行形の3人の人間性を、ワンマンでこれでもかと感じるために、Zepp Sapporoに向かいました。



 この日も、私にとって安心と安全のZepp二階席。



 ステージ正面の最前列は、(たまたまでしょうが)親子でライブに来たお客さんが勢揃いしていて、ライブ前に写真を撮ったり、色違いのバンドTシャツを着て楽しそうにしている姿を見ながら、これから激しいライブが始まるとは思えないほっこりとした心持ちで開演を待ちます。



 ほぼ定刻どおり場内が暗転すると、怒号のような歓声と拍手!!
 まもなくして、お馴染みのドラゴンクエストのテーマ曲が流れ出すと、昂ったお客さんによる早すぎる手拍子…!
 そしてゆっくりと迫り上がる、ステージ後方のバックドロップ。



 真っ暗なステージに灯りが灯ると同時に、たくさんの10-FEETタオルを両手に掲げたお客さんが顕になります。
 待ちに待ったこの時間が訪れたことを否が応でも心が理解し、既に感極まってしまう光景です…!


 ほどなくしてステージに淡々と姿を現した KOUICHIさん(ドラムス)、NAOKIさん(ベース)、TAKUMAさん(ボーカル&ギター)の3人が準備を整え、中央に集まり拳を合わせると、いよいよ開戦の時。


 KOUICHIさんによる静かなハイハットカウントからの一曲目は…まさかの「ライオン」…!


 お客さんの歓声は登場時を上回るボリュームで、かつ待ち焦がれ過ぎていた気持ちが全面に出たサビ前のブレイク部分の手拍子は、演奏を遥かに上回るBPM。
 10-FEETの3人を、この音楽を待っていた…!
 この日のフロアの熱量はただ事ではありませんでした。
 3人の演奏はいたって淡々とシンプルに熱く、サビでは裏声は使わず「叫ぶ」TAKUMAさん。
 確かな一歩を踏み出す熱い幕開けです。


 「いくぞおおお!!」


 TAKUMAさんのシャウトも飛び出し、そのまま惜しみなく「4REST」とくれば、一階のモッシュピットはお祭り騒ぎ!
 笑い、歌い、たくさんの人が飛び交いながら、私も久しぶりに聞くこの曲が楽しくて、嬉しくてたまりません…!


 現実を生きるために、現実逃避のおっきなシャウトができて、それを全部肯定されているような気がした途端、気持ちがとってもあったかくなって、目から溢れて出してしまいました。

 曲終わりに、空中を思いっ切り蹴り上げるNAOKIさんに自然とガッツポーズしてしまうほど、既にこの日のライブはとんでもなかったのです!


 そのままようやく登場するコリンズの楽曲から先陣を切るのは「和」。


「おい!…おい!!
 会いたかっぞ札幌!」


 間奏で溢れ出すTAKUMAさんのシャウトに、客席のボルテージは増々上昇…!
 橙色の照明に照らされ、どこか懐かしい趣を感じるサウンドは、熱量をみるみる増していきます。



「大事なこと言うぞ!
 大事なことやから一度しか言わんからな!
 ……Ha,ha...GO!」


 暗闇でTAKUMAさんが何を言い出すかと思えば、次の瞬間にはまた沸騰していた「SHOES」。


「愛がこれっぽっちも無くて薄情な切れ端が実は本当の僕なんだ」って
目を覚まして寂しさに驚いて
明かりも点けず泣いてた

SHOES


 こんなに悲しいのに、こんなに虚しいのに、こんなに楽しい…!
 カラッと垢抜けたような演奏が響く中、「I miss you.Ah...」の大合唱!
 ふと先ほどの2階席の前の方に視線を送ると、嬉々として手を振り上げて踊る子どもの姿も見られ、何だか平和すぎて元気が出ちゃいます…!


 そのままイントロの激しい同期音が流れ出すと、TAKUMAさがは両手を上に掲げてヒラヒラと揺らしながら、魚のように楽しそうに踊るところから始まった「SLAM」は、バンドサウンドが投入された瞬間に、Zeppのスケールでは収まりきらないほどの豪快なラウドサウンドに変貌を遂げます…かっ…かっこよすぎる…!



 アルバムでも一聴して好きになった曲ですが、ここまでライブで力強く進化されてしまうと、流石に私も力強く拳を挙げるのが礼儀というもの。
 …いや、そんなに重くならずとも、自然と握り拳を掲げていました。
 そして、2階席にいたはずなのに、既にシャツは汗まみれでした。
 どうなってるんだ熱量!!?


 正体が分かるようで分からない熱量は抑えきれないまま、TAKUMAさんの濃厚デスボイスと、サビの歌唱で暑く魅せた「aRIVAL」へと繋げていきます。



 休むことをほぼ知らない10-FEETのワンマンですが、ここで響くのはNAOKIさんのあの渋いベースフレーズ。
 嘘っ…!?ここでもう「2%」!?


 再び何度も「いくぞ!いくぞ!」と無邪気に煽るTAKUMAさんの姿と、いつか死んでしまうから今を生きることを強く提示するこの曲が私の中でピタっと重なって、いつも以上に詩と曲が心に流れ込んでくる現象が発生します…!


 うわああああ!生きたいよおおお!
 子どもみたいに目から溢れて溢れて止まりませんでしたが、この日もロックを通じて思い出した生きるための力…!

どうせ土に還るなら がむしゃらに熱く生きろ今
わずかな可能性に懸ける率2%

2%


 最後のシャウトとオイオイコール(私はひたすらに拳)に、今を生きるありったけの願いを込めました。


「一瞬で忘れろ〜おお〜🎵」


 なんてTAKUMAさんが歌い出したら、大歓声とともに、ジャンプの嵐で会場が揺れる「Freedom」。


 TAKUMAさん「歌えるやつおる?」

 (大歓声のお客さん!)


 TAKUMAさん「ほんまか!?」


ー瞬で忘れろ 長い目で見りゃカスみたいな問題!
どうだい?問題外! こんなとこで終わるつもりじゃないだろ?

Freedom

「すごいやん!」と、TAKUMAさんもご満悦の大合唱は、私もバッチリ参加できました!



TAKUMAさん
「お前ら声デカ過ぎ…声デカ過ぎや!」


 ここまで書いている通り、今日のお客さんの歓声は凄まじすぎて、TAKUMAさんもビックリしている様子。
 この前半戦で既に、お客さんもライブを作る主人公の1人であるという当たり前の事実を、これでもかと実感する夜です。

TAKUMAさん
「今日アホどれくらいおるん?」

(会場中の(私含む)ほぼ全員の手が真っ直ぐ上がる!)

TAKUMAさん
「めっちゃアホどれくらいおるん?」


(会場中の(私含む)ほぼ全員の手が真っ直ぐ上がる!)


TAKUMAさん
「アホばっかりやないかい!笑
 なんか聞きたい曲あるか?」


 TAKUMAさんの愛あるツッコミから、唐突に嬉しいリクエストコーナーに突入すると、思い思いのリクエスト(と言う名の雄叫び)が会場中に飛び交い、NAOKIさんはほぼ聞き取れないといった様子を見せます笑


「「Basket Case」は俺らの曲じゃない笑!」
「…HEY-SMITH?」
「コリンズっていう曲はないんやで、嬉しいけど笑。
 さてはお前コリンズ買ってないやろ笑」


 聞き取れたリクエストからお客さんとのコミュニケーションも広げていくとても微笑ましい時間です。



「今や!お前ら大きい声で言ったれ!」


 と、よく分からないタイミングで隙を見つけてお客さんを煽るKOUICHIさんや、お客さんの声を聞いていないかのように、決めポーズを中央で無心で決め続けるTAKUMAさんとNAOKIさん、3人それぞれに笑わせられつつ、最終的にはNAOKIさんの独断で決定!


「NAOKIが決めたからな!
 お前ら文句言うなよ!」


 KOUICHIさんのお言葉から、少なくとも私は文句がなかった、本当に聞きたかった「quiet」へ…!


 静かなAメロと、メロディアスなサビを行き来しながら、楽しくもシリアスな雰囲気に会場が締まっていくような心持ちです。


 こちらも少しシリアスで儚げな「夢の泥舟」。

夢の泥舟 夢の泥舟
壊れて 沈んで 同じのを作って
見えなくなって 見えなくなって
何度も 何度も また「札幌」に戻って

夢の泥舟


 最後の部分、唐突な替え歌に再び歓声が起こる会場。
 紛れもなく、何度でも何度でもこの土地に頻繁にライブに来てくれる、10-FEETの3人への感謝の気持ちが込められた歓声だったように思います(私は拍手で応えました。)。


 そのままKOUICHIさんのドラムが始まり、「おっ、次はこの曲か!」と思っていたら、何と違ったらしくTAKUMAさんが待ったをかけます笑


TAKUMAさん
「今、俺とNAOKIは違う曲の顔なのに、KOUICHIはその曲の顔やった。
 しかも始めたら、KOUICHIは間違いに気付いて不安な顔になった笑
 間違ってもええから、不安な顔はすんなよ笑、俺らも不安になるわ笑
 …じゃあその曲行くか!」


 その場の流れで急遽曲順を変更し、TAKUMAさんの紹介により、この日だけ曲名が、(KOUICHIが間違えた)というサブタイトルのついた「recollection」へ!笑


 先ほどのリクエストといい、このプチハプニング(?)といい、その場その場の流れも人間的な懐の深さと暖かさであっという間にライブを彩る要素に変えるのは、さすが経験豊富なライブバンド…!
 色々抱えつつ、またこれから始まる生活に想いを馳せつつ、これくらいの懐の深さが自分にもあれば…と、少し感傷的な気分の私に続いて襲いかかるのは、シリアスでたくましいギターが扇動する「アオ」


 真っ青な照明に照らされて誠実な演奏を繰り広げる3人を見つめながら、「作り上げた優しさ」でまた歩み出す日々と現実を想い、つい握る拳に力が入ります。


 シリアスな空気は続き、TAKUMAさんの静かなタイトルコールから「ブラインドマン」。
 イントロでは逆光で、サビでは激しく点滅し続け、メンバーの姿がハッキリと見えにくい照明演出はこの曲そのもののようで、ぼんやりとしか見えない未来の中で、何とか生きようともがき闘う3人のロックバンドの姿が強調されているように感じました。


 3人が闘っている姿が、音が、こんなにカッコいいと思えるなら、私も闘わない理由はありません。


 そんな私を鼓舞するような「Re方程式」は、新曲ですが既に私の中ではアンセムで、サビで何度も人差し指を掲げ続けました。
 「ブラインドマン」から続けて演奏されることで、より明日を模索する力強さが滲み出ていたこの曲。
 Cメロの導入部分で、TAKUMAさんの背後だけを逆光で照らし出す照明が、たとえ「1人」になっても、もう一度始めるための合図なんだと勝手に解釈して、気持ちを高めていました…!


 中盤戦を締めくくるのは「シエラのように」


 この日最も情感を込めるようなTAKUMAさんの歌唱は、想いが溢れて苦しそうなのに、どこか優しい響きで、紡がれるロックサウンドは重たいのにどこか暖かい。
 優しさや思いやりを持って、少しでも気高く生きられたらという願いの切実さがグッと伝わるような名演でした。


TAKUMAさん
「(この日のライブは)ちょうど半分…いや半分弱かな?
 毎日おつかれさん。
 今日も、騙し騙しやってきたからここで会えたんやろな。
 ここにいる人の数だけ人生がある。
 お前らには元気になってほしい。
 大人にはビールみたいな…今日は子どももおるけど、子どもには早いからマクドみたいな夜にしような笑」


 TAKUMAさんのMCを経て、ゆったりと優しく鳴らされる「深海魚」


 この曲の主人公はまだ笑えないかもしれませんが、いつか笑えますようにという願いは、ここまでのライブを経て、深く染み込むものがありました。


「元気になってな…!」


 曲終わりのTAKUMAさんの優しい言葉に、生きようとする力を取り戻します。


「こんなところにこんな曲が…。」
と、何故かTAKUMAさんはボソッとツッコんでいましたが、私は聞けると思っていたので当然嬉しかった「ハローフィクサー」へ。


 昨年のワンマンやジョインアライブで聞いた時は、静かに夜に忍び込むというイメージでしたが、今日は熱くタイトに、スピード感を持って駆け抜ける演奏という印象で、こちらもかっこいい…!



 この曲を新たな着火材として、いよいよ本格的な終盤戦は、イントロからTAKUMAさんの咆哮とそれに続くお客さんの地鳴りのような歓声が重なり合った「その向こうへ」から…!


 何回聞いてもカタルシスを感じてしまうこの流れ、そして、サビのタイトルフレーズの大合唱。
 もうライブが終わるとは誰も言わずとも、終盤を思わせる気合いがメンバーからもお客さんからもほとばしっています!



 続くは「RIVER」。


 前曲もそうですが、ワンマンだけでなくフェスでも数え切れないほど聞いて、歌詞を見ずとも歌えるし、石狩川からの豊平川の流れも北海道では定番と言えるほど、ある意味では聞き慣れているこの曲も、何度聞いても胸が熱くなってしまいます。


 そう感じるのはこの日も、この日限りの3人とお客さんとのやり取りの果てに生まれた時間を持って曲が鳴らされるからで、特にこの日はお互いの熱量高すぎて、相乗効果で何重にも重なる巨大なミルフィーユのよう…!


 飛び出していくお客さんの目は、とにかくキラキラして楽しそうです…!


 ちょっと忘れかけていましたが今回はアルバムツアーで、この日のライブでそのアルバムから最後に鳴らされたのは、待ってましたの「第ゼロ感」…!


 冒頭のNAOKIさんによる煽りとともに、先ほどラウドさのスケールアップを色濃く感じた「SLAM」の伏線を全面回収するように、勢いよく燃え盛る勇猛果敢なサウンドに、本能が雄叫びを上げます…!!!



 着火し続けて、衰え知らずに燃え上がり続ける歓声!熱狂!魂!


 ここまで燃えたぎって、心臓が爆発しそうなほど気持ちが抑えきれないことは、熱く滾る思いは、もう止められません…!!


 0を1に変えて「1sec.」でますますヒートアップするフロアは、2階から見ると充分すぎるくらいの盛り上がりやクラウドサーフに見えていましたが、まさかの早々に曲を中断し、滾り倒していたTAKUMAさん。


「そんなもんか!?
 まだまだいけるやろーー!」


 仕切り直したイントロで、再びヒートアップするお客さんに


「いけるやろ?悪ガキども!?」


 煽ることをやめないTAKUMAさん。
 3人も、お客さんも、最高潮に達していたこの瞬間、一階フロアにいたら、もしかしたら臆病な私でも飛び出していたかもしれません…!!



 最後のサビ前、



「YEAH!!!
 …YEAHHH!!!!!
 ……YEAHHHHHHH!!!!!!!」


 過去に聞いたことのないほど、振り絞るようなシャウトを連発するTAKUMAさん。
 ぐるぐる回転しながらベースを弾き倒すNAOKIさん。
 終始熱く高速のビートを叩き出すKOUICHIさん。


 今!ここで!
 燃やせ燃やせ燃やせ!
 いつか消えるけど、今は絶対に消させない!!
 自分の中にあるのが信じられなかったくらいの魂を引き摺り出されて、理性と記憶が少し飛びかけるくらいには、心の中がグツグツと煮えたぎる凄まじい時間…!


 「後4曲!「蜃気楼」!」

見失っても 遠くに消えても
繰り返しの日々も 表情の無い日も
ああ 僕はぎこちない朝
また同じ夢を見ていた

蜃気楼


 3人の実直な演奏に導かれるように、また訪れた朝焼けが眩しすぎます。
 失った感情を全て取り戻しにいくように、振り上げる拳とサビを口ずさむ口。
 これが「口ずさむ」になっていたのは、本当は大きな声で歌わずにいられないほど燃えていたのに、目から溢れるものが止まらなくて上手く声が出せなかったからで、それでも声になり切れないほどの心をここで出すことを諦めるわけにはいきませんでした。


 私は私なりの闘い方で、このライブを全力で楽しみます。


 NAOKIさんがステージ中央正面に出てきて、イントロのフレーズに合わせてベースを上に掲げながら3発、頼もしいベースヒーローとしての姿と音を魅せた光景が離れられない「goes on」


「いつものやつやっとくか!
 しゃがめ!しゃがめ!」


 2番のBメロでギュウギュウ詰めの一階フロアと、難なく座れる2階フロアのお客さんを座らせると、最後のサビとともに一斉にジャンプ…!!

この悲しい記憶で照らせる 幸せにいつかは会えるかな
ごまかして偽って笑って いい訳とプライドにまみれて
いくら泣いても時は流れて 意地張っては置いて行かれて
Goes on...

goes on


 悲しい記憶は消えないけど、今日の楽しい記憶で塗り替えたり、音楽に助けられたりしながらまた歩きだす。
 そんな決意とエネルギーに満ちたライブは後2曲。


「達者でな…!
 また会おうな…!」


 「ヒトリセカイ」のイントロで、これ以上ない優しい笑顔と言葉を送っていたTAKUMAさん。


 この曲のAメロと終盤で、NAOKIさんはその柔らかい身体を活かした鬼開脚をとうとう披露しながら見事なベースプレイ!
 「見て見て!」と言っているかのように、歌いながらNAOKIさんをちょっとだけ指差すTAKUMAさんはとってもかわいらしかったです笑

嗚呼 言葉のない遥か大昔
それなら今より少しは分かり合えたかな

ヒトリセカイ


 これだけたくさんの手が上がっても、たくさんの合唱が響いても、しっかりここにいる一人ひとりの人生にしっかりと突き刺さったからこそ、これから来るべき次の朝を迎え討つ最後のシャウトは、これでもかと心を込めることができました…!


 そのパワーを持って最後の最後で繰り出されたのは、大好きすぎる「VIBES BY VIBES」…!


 人生の肝心なところで奮迅するためのパワーと、これでもかと貰った元気で、最後まで拳を振り上げ、飛び跳ね、3人の想いを受け止め切ったと余韻に浸…ろうと思いきや!


TAKUMAさん
「頼まれてないけど!
 このままアンコール行きます!」


 余韻も何もないまま、「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」の無邪気なグルーヴに、すっかり楽しく解放されるライブハウス!


「二階だけいくぞー!
 遠くからで1番恥ずかしいやつ!笑」

 悪戯っ子みたいな不敵な笑みを浮かべるTAKUMAさんの提案により、最後のサビ前に、2階のお客さんとTAKUMAさんによるコールアンドレスポンスに突入!
 1階フロアのお客さんの視線も一身に浴びる中、「アリさんみたいな声で!、ワンワンみたいな声で!」というTAKUMAさんのフリに応えながらするレスポンスは…それはそれは恥ずかしかったです照
 見事な辱め笑を受け、メンバーもニコニコする中、一階フロアのお客さんから暖かい拍手と歓声…!
 そして会場全体で再びバッチリとコールアンドレスポンスを決め、最後のサビへ…!


 でたらめに楽しすぎる時間はあっという間に過ぎていきます。


「ありがとうとかも大事やけど、
 ごめんなさいも、その真っ直ぐな姿勢と顔で言えるように明日からも頑張るんやでー!
 俺らも頑張るから!
 また会おうな!」


 TAKUMAさんのギターフレーズに合わせて、一階フロアにニョキニョキと生えるダイバーさん。


 「ほなな!」


 最後は「back to the sunset」
 爆速で過ぎていく夕焼けの景色のようなツービートとクラウドサーフを見つめながら、今日の楽しかった光景に思い馳せていました。


 ありったけのピック、ドラムスティック、タオル、セットリストの紙(紙飛行機にして飛ばしてましたが、NAOKIさんの飛行機だけ上手く離陸できず、再挑戦するも不規則な軌道を描いてほぼ目の前で着陸笑)を客席に投げ込んで、最後はNAOKIさんが「北海道大好き!!」宣言!!


 もう完全にやり切ったし、私も大満足だったのですが…!!


 客電が点いてBGMが流れ出し、なんなら後ろのお客さんは退場し始めても、お客さんの手拍子は鳴り止むどころか、一層勢いを増していきます…!


 これは…もしや本当にあり得るのでは…!?
 そう思ったら私も、2階から手拍子に加勢するほかありませんでした。



 願いは叶い、予定調和ゼロのアンコールが実現…!やったあ!
 この日の客席の熱量の高さと、バンドの熱量の高さが、とんでもない密度と質量で噛み合い続けていたことを改めて象徴する光景…!


「後一曲だけ!
 …「CHERRY BLOSSOM」!!!」



 大歓声とともに、バンドへのありったけの感謝と、楽しくて仕方ない思いをたくさん載せたタオルが舞う光景が美しすぎました…!
(私はタオルを忘れてしまったので、心のタオルで一花🌸)


 本当の意味での大団円となった一曲でライブはおしまい…じゃないんですか!?
 間髪入れずにTAKUMAさんがヘビーなギターリフをお見舞いすると、一瞬戸惑いながらも嬉しかった「BE NOTHING」へと雪崩れ込みます…!
 一曲じゃなかったんですか…!!?


 あからさまに驚いたように呆気に取られるフロアの光景を見て、間奏でTAKUMAさんが一言。


「この曲知らない人…盛り上がってください笑」


 そりゃあ心は再び大沸騰しますし、既に29曲目のこのライブで、その重厚なデスボイスと、パワフルなグルーヴは一曲目かと思うほどの熱量…!
 サビのNAOKIさんボーカルの瑞々しさも格別でした…!!


「Foot! Toe! Tail…。
 Foot! Toe! Tail!!!」


 ええ!ええ!…ええええ!
 歓声が響く中、ダメ押しに次ぐダメ押しで「DAVE ROAD」…!


 もうはちゃめちゃすぎてよく分からないまま一瞬で駆け抜けて、これで本当にフィニッシュ…!


 去り際にTAKUMAさんから一言。


「1月から始まったこのツアーで、今の曲が1番下手やった笑
 久しぶりにやったから、NAOKIもKOUICHIもビックリして、何よりこの曲を始めた俺に俺がビックリしたわ!笑
 全然覚えとらん!笑
 下手だったって…ツイートすんなよ〜笑」


 散々感情を掻き乱された挙句、最後は楽しかった!!と大爆笑しながらライブは終了笑笑笑


 「すごかった!」「楽しかった!」と晴れやかな表情のお客さんで溢れ返っている光景を見ることができて、とても幸せな気持ちで会場を後にしました。



 Zeppに収まりきらないほどラウドにスケールアップしすぎて、優しさに溢れすぎていた楽曲たち。
 とてつもない熱量で応える中で、騙し騙しの日々で忘れかけてた、生きるための炎にものすごい勢いで元気を投下し続けられた、パワフルすぎる2時間、全30曲。


 「ありがとうございました」では足りません。
 ありがとうございましたすぎました!!!!

セットリスト
1.ライオン
2.4REST
3.和
4.SHOES
5.SLAM
6.aRIVAL
7.2%
8.Freedom
9.quiet
10.夢の泥舟
11.recollection
12.アオ
13.ブラインドマン
14.Re方程式
15.シエラのように
16.深海魚
17.ハローフィクサー
18.その向こうへ
19.RIVER
20.第ゼロ感
21.1sec.
22.蜃気楼
23.goes on
24.ヒトリセカイ
25.VIBES BY VIBES

(セルフ)アンコール
1.JUST A FALSE! JUST A HOLE!
2.back to the sunset

アンコール
1.CHERRY BLOSSOM
2.BE NOTHING
3.DAVE ROAD


 今回は以上です。



 最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。


 【おまけ】
 昨年のワンマン参戦時の感想はこちらです↓

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