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[ライブレポ(後編)3/3]RISING SUN ROCK FESTIVAL 2022 in EZO 2022.8.13(土)

 こんにちは。シリアスファイターです。

 今回もライジングサンのライブレポ、これで最後です。

 ろくに休憩も取らずにハルカミライまでのライブを見終えた私は、流石に疲れてきたため、ここで一旦ご飯休憩へ。


 オールナイトのフェスは本当に長丁場のため、最後まで楽しみ尽くすためには、美味い飯と座るための椅子が必要不可欠です。


 ベンチに座ってザンギを食べながら、遠くから聞こえてくる、レキシによる、音源化不可能笑な「白日」カバーを聞きつつ、
 21時過ぎに打ち上がった今年初の花火を見つつ、
 花火終了と同時に始まった04 Limited Sazabysのライブを遠くから眺めて、やっぱかっけえなあと思いつつ、
 少しゆったりした時間を過ごして体力回復。

 その後SUN STAGEで、 ライジングサン恒例のセッションステージにて、くるり岸田さん、SUPER BEAVER渋谷さんの歌声や、上原ひろみさんと甲本ヒロトさん、そして中村佳穂さんとの贅沢すぎるステージに魅了(特に「さよならクレール」の上原さんと中村さんの即興セッションは、良すぎて1人で笑い泣きしてました…)されてるうちにあっという間に23時。

 いよいよ深夜帯のディープな時間に突入し、セッションステージに後ろ髪を引かれながら、踊ってたい夜が大切だった私は、EARTH STAGEのフレデリックへ向かいました。

 ここから朝日が昇るまで一気に駆け抜けます。

⑧フレデリック(23:45〜)


「(SUN STAGEで直前までやってたセッションステージで)なんか先輩たちが裏で盛り上がってて時間が押しましたけど笑、ここが1番盛り上がってることを証明してみせます。
 50分一本勝負、フレデリック始めます。」


 想像してみてください。


 すっかり真っ暗になったEARTH STAGE周辺、澄んだ北海道の空気の美味しさがより感じられるこの時間帯に、フレデリックの極上のダンスロックが聞けるという状況が整ったRISING SUN。


 始まる前から勝利しか確信していませんでしたが、このMCから雪崩れ込む「オンリーワンダー」で、一瞬にして変わる夜のダンスフロアに充満する鉄壁のバンドグルーヴは、もう楽しくて仕方なかったの一言に尽きます。


 この時間になると、思わず大きな声が出てしまう観客もいましたが、


「声出さないで見るフレデリック、最高にかっこいいから!
 でも、声でもらった気持ちは最高にうれしい!ありがとう!」


 という三原さんの名MCによって、その後一切の歓声が無くなった瞬間は、ルールを守って全力で楽しむ観客と、ルールの中で圧倒的な演奏力と説得力でロックバンドの熱を伝えるバンドの意志が強く合致した、RISING SUNの名場面になりました。


「この3年間、楽しいはずの夏なのに、コロナなどで奪われてしまって、色んなことを考えて作った曲をやります。
 シングルでもMV曲でもないけど、何か届けば。」


 との趣旨のMCから演奏された「SENTIMENTAL SUMMER」を、切なかったり、やるせなかったりしたこの3年間の思いを噛み締めながら演奏する様に、今日ここで1つ報われたような、救われたような感覚になり、間違いなくライブのハイライトになりました。


 近くのSUN STAGEで待機してる観客へも届くように手拍子へ巻き込んだり、とにかく踊らせて、踊らせて、踊らせまくった挙句、


「最初に出た2014年のライジングサンは1、2列目くらいしかお客さんがいませんでした。
 でもその後、この曲がきっかけで翌年のdef garage、そしてEARTH TENTを満員にできました。
 最後にその曲をやります。
 そしていつか、SUN STAGEの大トリでこの曲をやれるくらい、でっかいバンドになります…!」

 そんな宣言から放たれるのはもちろん「オドループ」


 最後の後奏がどんどん早くなるかっこよすぎるアレンジも含めて、進化を続ける名演を見せつけられたら、
 SUN STAGEで見るまでこのバンドに付いていくしかねえだろ…!
 と今日の50分でファンになった観客も、もういつからかすっかりファンになった私も強く思う、真夜中のダンスフロアでした。

フレデリック セットリスト
リハ
1.TOMOSHI BEAT
2.蜃気楼 
本編
1. オンリーワンダー
2. YONA YONA DANCE
3. KITAKU BEATS
4. 熱帯夜
5. SENTIMENTAL SUMMER
6. Wake Me Up
7. ジャンキー
8. オドループ


⑨藤井風(with piano only)(24:45〜)

 わざわざ私の感想文を読んでいる方であれば、諸々の概要をご存知の方がほとんどだと思われますし、YouTubeで中継の模様をご覧になった方もいると思われますので、レポートは最早不要と思ってます笑
(存じない方は「藤井風 ライジングサン」などで検索検索ぅ!)

 藤井さんに限らず、昼ごろのフジファブリックや、数刻前のレキシなど、コロナの影響を受けて急遽出演が決まった皆さんは、自分たちの持ち時間を使って、出られなかったミュージシャン、そしてこのフェスへのリスペクトをたっぷり込めたパフォーマンスを披露してくれました。


 こうしたパフォーマンスと、それらを暖かく迎え入れる観客と、そこに至るまでに尽力された多くのスタッフの方のおかげで、このフェスがずーーーっと続いてきていることを、改めて再確認する瞬間だったように思います。


 少しライブの感想を混ぜると、このド深夜の時間帯にSUN STAGEのスタンディングゾーンをパンパンに埋めて、かつ、ピアノの弾き語りだけで、50分集中させ切る藤井さんの全てを魅了する歌声とピアノさばきは、音楽に愛されすぎだと思いましたし、
 出演決定から2〜3日でセットリストの半分をカバー曲で埋めたライブを仕上げてくる準備と愛の深さは只者じゃなさ過ぎてビビりましたし、
 カラオケ音源で一緒に踊った「まつり」は、現地でしか味わえない感動の1つだったと思います。

 風さん、これからもSTAY HEATHYでいてくださいね。

藤井風 セットリスト
1.踊り子(Vaundyカバー)
2.恋風邪にのせて(Vaundyカバー)
3.napori(Vaundyカバー)
4.東京フラッシュ(Vaundyカバー)
5.何なんw
6.帰ろう
7.Vinyl(King Gnuカバー)
8.祝日(カネコアヤノカバー)
9.オーケストラ(BiSHカバー)
10.きらり
11.旅路
12.まつり

⑩ROTH BART BARON(26:10〜)


 風さんが過ぎ去りし直後、一瞬ザッと雨が降り出した時は、早く風と共に去ってくれることを切望しましたが、
 間もなくすぐに止み、少し閑散としたSUN STAGEのスタンディングゾーン。


 周辺のレジャーシートを引いて観覧できるエリアやテントサイトでは仮眠を取ったりする人も多い中、この時間に見れるロットが嬉しすぎて興奮している私は、意気揚々とスタンディングゾーンでその時を待ちます…。


 リハの「みず/うみ」からして、既に異空間に紛れ込んだかのような壮大で美しいグルーヴが石狩の大地を文字通り包み込む中、50分間の素晴らしい音楽体験がここにありました。


「こんな時間に寝てねえよな、ライジングサン。」


 いや、このビッグバンドで凄まじい演奏聞かせられて寝てるどころか、待機時間よりも覚醒させられてしまいましたよ…。


 大好きな「Ubugoe」のファンキーなグルーヴに身体を委ねまくり、
 出演の叶わなかったBiSHのアイナさんに触れつつ演奏された「BLUE SOULS」は、音源を遥かに超える瑞々しさで、先程の雨以上の潤いで石狩の大地を満たしていきます。


「今日、俺らの前に演奏する予定だったバンドが出れなくなって、昔「Srv.Vinci」ってバンドで対バンとかしてて、今日はお互いの成長を確かめあう機会だったんだけど…、そのバンドの曲をやってみようと思います。」


 三船さんの、King Gnuへの想いを込めたMCから、リスペクトたっぷりの「白日」カバーが披露されました。


 流石の裏声の名手、三船さんはどの音域も全くブレることなく1番サビまで歌い上げ、そのまま、「極彩|IGL(S)」へと繋げていきます。


 真っ白な世界から、極彩色の世界へ、まだ朝の気配が見えない真っ暗な空に、聞いた人の数だけ色が灯る極上の音楽体験で、今日味わったどれとも異なるカタルシスが身体中を駆け巡りました。

「無名の俺たちを引っ張り上げてくれた大切なフェス。
 今日来てくれた人は本当に本当に本当に…ありがとうございました。」

 ラストは「鳳と凰」

 美しいコーラスを自分も心の中で歌いながら、間もなく訪れる夜明けに想いを馳せました。


「お互い生きていたらまた会いましょう。」って三船さんは最後に言ってましたけど、必ずお願いします。


 次回は大トリでもいいんじゃないですか?

※すいません…数曲自信がないため、セトリは省略します…。
 後日RISING SUNの公式で挙がるはず…。

11:BEGIN(28:00〜)


 こうして昼前から始まった2日目は、いよいよ大トリまでバトンが渡りました。

「みんなで、朝日を迎えに行きましょー。」

 と比嘉さんの和やかなMCとともに、次々と披露される沖縄印の暖かなサウンドの数々を浴びているうちに、空はじわじわと明るくなっていきます。


 この時間まで起きている観客を意識してか、アップテンポな曲を中心とした曲構成で、その優しさしかない音楽に、ゆっくり身体を揺らしながら聞かせていただきました。


 「涙そうそう」まで駆け抜けるように演奏したところで、最後の曲の前に比嘉さんが、


「俺は音楽やる人が政治的な曲を作るのがあんまり好きじゃない。
 だって法律や規則は、100年経ったら変わってるかもしれないから。
 でも音楽は100年以上続いている。
 俺たちは音楽の種を撒いていて、その種がこういうフェスで大木に育っていくかもしれない。
 君たちが今日ここに集まって、このフェスがまた開催できたってことは、とても大きなこと。
 自信を持っていい。」


 という趣旨のことを話していましたが、これで完全に、今日ここにきたこと、音楽が好きなこと、RISING SUNが好きなこと、全ての気持ちが報われたと感じた人は多かったんじゃないでしょうか。

 最後の「島人ぬ宝」だけ、ステージ横のスクリーンに歌詞が出ていました。


 今は声を出して歌えないけど、心で歌えるようにという気持ちが込められているように思いました。

 ずっとこの先も、このフェスが、音楽が続いていくようにと、誰かに届くように、祈りのように、優しくも暖かいピースフルな光景が、そこには広がっていました。

BEGIN終了直後のSUNSTAGE横からの風景。
完璧な朝日ではありませんでしたが、とても美しい朝の風景でした。
BEGIN セットリスト
1.Blessing Rain
2.アサイーボウル
3.砂糖てんぷら
4.海の声
5.竹富島で会いましょう
6.オジー自慢のオリオンビール
7.かりゆしの夜
8.三線の花
9.国道508号線
10.笑顔のまんま
11.ソウセイ
12.涙そうそう
13.島人ぬ宝

 ライジングサンのレポートは以上です。


 3年ぶりの開催に向けて尽力された皆さん、最高の瞬間の数々を本当にありがとうございました(公式のアンケートにも書いたけど)。


 そして最後まで読んでいただいたそこのあなた、本当にありがとうございました。

 ①(鈴木実貴子ズ〜フジファブリック)、
 ②(My Hair is Bad〜ハルカミライ)はこちらから↓

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