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その人の企画書を、勝手に作って送りつけずにはいられなかった。

10年前、机を並べて一緒に出版のことを学んだ人がいました。

その人の名を、板坂裕治郎さんと言います。

出版を学んだ仲間たちが次々と本を出していくなか、板坂さんは全力で仲間を応援していました。

大量に仲間の本を買い、イベントを企画して集客し、集まった人たちに仲間の本を宣伝していました。

仲間たちの本は次々に売れていき、活躍の幅を広げていきました。

アホ社長を再生させるために10年間発信を続ける

板坂さん自身の仕事は、著者の応援ではなく社長を応援することでした。特に中小零細企業の社長です。

成長できず会社を潰してしまうようなダメな社長を「アホ社長」と呼び、そんなアホ社長にならないためのコンサルティングやセミナー、ブログでの発信などをしていました。

「ブログでの発信」と軽く書きましたが、板坂さんはなんと、10年間毎日ブログを続けていたのです。

ブログで発信するためのノウハウも体系化し、全国から声が掛かる人気のセミナーになっていきました。

そして、勝手に企画書を作りはじめた

2016年に私の本「トヨタで学んだ自分を変えるすごい時短術(かんき出版)」が発売された後のことでした。

板坂さんが住む広島で仕事をする機会があったので、その旨を伝えたところ広島で出版記念イベントを開催してくれることになりました。

「トヨタ×時短」という少し偏ったテーマにも関わらず、しかもマツダのお膝元であるにも関わらず、無償でLPを作ってくださり懸命に集客をしてくださり、広島で他に知り合いがいない私なのにイベントは無事に開催されることになりました。

出版記念のイベントだから出演料は要らないと言っても無理やり手渡してくれたり、懇親会の手配から2次会~3次会まで面倒を見てくれて、広島の夜を楽しく過ごすことができました。

その夜、何から何までお世話になりっぱなしだったので「この恩をどう返したら良いものか」と考えこんでしまいました。

そして私は、広島から帰る新幹線の中で、1枚の企画書を作りはじめるのです。そう、板坂さんの出版企画書です。

一緒に出版を学んだとはいえ、出版にはタイミングや縁も重要です。板坂さんはそこが上手く合わなかったようで「ワシもそろそろ出版したいわあ」と嘆いていました。

「日本中の社長を救おうと動かれている板坂さんの本が、まだ世の中に出ていないなんておかしい。板坂さんのノウハウは多くの人にとって役に立つはずだ」そんな思いに突き動かされた私は、どうなるか分からないけれど、板坂さんの出版企画書を勝手に作って出版社に送ってみようとしたわけです。

本の企画書に必要なこととは

企画書には、タイトルやプロフィール、それに目次が必要です。

いきなりタイトルを考えるのはなく、まずはコアとなるコンセプトを考えます。板坂さんの場合はもちろん「中小零細企業の経営者を救う本」です。

そこで、コンセプトに沿って目次を作っていきました。これは、実際の書籍の目次とは異なっても構いません。まずは、その企画する本にどのようなコンテンツが並ぶのか、編集者にイメージしてもらいやすくするために書き出していくのです。

勝手に作りはじめた企画書ですが、目次もすらすらと書くことができました。なぜ第三者の私が目次をすらすらと書けたのかと言えば、そう、ブログです。

板坂さんには365日×10年間ものコンテンツがあったわけですから、ここから抜粋して章立てを作っていけばいいじゃないかと考えたのです。

それから数週間は、板坂さんのブログをひたすら読み込んでいきました。その中で、特に反応が良いものや、タイトルが面白いもの、多くの読者にあてはまりそうな内容、独特の視点でインパクトがある内容などをピックアップし、グルーピングし、章立てを作っていきました。

プロフィールも既にブログに用意されていますから、それを書籍用に少し変えて、企画書が完成しました。

そして、出版記念講演で一緒に広島に行ってくれた私の担当編集者に送りつけたのです。「この間、出版記念講演を主催してくださった板坂さんの本の企画書です。面白い本になると思います」とメッセージを添えて。

そしてついに、書籍が完成した

私はあくまで、きっかけを作ったに過ぎません。

きっかけを作っても、上手くいかないケースも多々あります。編集者との相性もありますし、編集者が手掛けたいテーマかどうかにも左右されます。出版社の意向にもよるでしょう。著者が執筆の手を止めてしまうこともあるのです。

しかし、そこから先も編集者が動いてくれ、板坂さん本人も執筆をし続け、ついに1冊の本へと繋がっていったのです。

それが、5月25日にかんき出版から発売された『社長の鬼原則』です。

https://www.amazon.co.jp/dp/4761273461

会社も自分も成長できない「アホ社長」を救うため、自身のどん底経験を踏まえて培ってきたノウハウや考え方が10年分、凝縮された1冊。

中小零細の経営者はもちろん、これから起業する人や会社の中で上を目指す人にも読んでほしい本です。

続けている人には成功が訪れる

さて、勝手に企画書を書いて送りつけたという話を書いてきましたが、実は大事なポイントはそこではなく、板坂さんの動きにあると思います。

出版が実現するまでの板坂さんの動きでのポイントは次の3点に凝縮されるのではないでしょうか。

・伝えたい、助けたいという強い想いが人を動かす
・惜しみなく与え続けている人は、必ず成功する
・惜しみなく発信を続けている人には、何かが起きる

私も板坂さんを見習って、強い想いとともに惜しみない行動を続けていきたいと誓うのでした。

それにしても、待ちに待った仲間が増えて本当に嬉しいです。

さあ、みんなで読みましょう。

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