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ほとけさまのおしえ「紅葉狩り」

 今年の夏は「終わりが見えない」ほど長く暑い日が続きました。

 これだけ暑いと冬はさぞかし暖かいのだろうなと期待しておりましたが、それとは裏腹に毎日「凍える」ような日々が続いております。

 でもそのおかげで、紅葉がきれいに色づいております。

 自坊の裏の山にも何本かの「紅葉」が植わっておりますが、紅い葉が日差しに照らされて鮮やかに輝いております。

 また境内には銀杏の樹もあり、この時期は鮮やかな黄色に色づき、落ち葉が埋め尽くすほどになります。

 秋になり葉が色づくのは、なにもそういう「色素」が葉っぱに出てくるわけではないそうです。

 落ち葉として落とす前に、葉っぱから養分や葉緑素を幹や枝に「吸い取る」のです。

 つまり養分や葉緑素が抜けて、残った色が葉っぱを「彩り豊か」にしてくれるのですね~。

 でもそれと「同じこと」が私たちにも言えるのではないでしょうか?

 若いころは可能性を伸ばし、青々と陽射しを浴びて育っていても、いずれ「年老いて」いくものです。

 その時に欲望や期待といった「煩悩」が心から徐々に抜けていくのではないでしょうか?

 時々お年を召された方で、とても穏やかにいつも笑顔でいらっしゃる方がお見えになりますが、きっと心が「鮮やかに」色づいているのでしょうね。

 そんなことを考えると、歳を重ねるのも「悪くないな〜」と思うのです。

 そして、みんなに慕われ憧れられるような鮮やかな色遣いで人生を彩っていきたいものだと感じております。


☆今日の一句☆

 煩悩が
   抜けて鮮やか
       心色(こころいろ)

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