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ほとけさまのおしえ「平均台」

 子供の頃、運動会の「障害物競走」に必ずと言っていいほど「平均台渡り」がありました。

 スイスイ歩く人もいれば、怖がって進めなかったり、何度も落ちてやり直ししたりする人もいて、順位が「入れ替わったり」したものです。

 運動神経のあまり良くない私はどちらかというと平均台が「苦手なほう」でした。

 でも得意な友だちは、鉄棒の上もスイスイ歩けるほど上手で、羨ましい思いで見つめておりました。

 平均台を渡るとき、落ちたらどうしようと思うとドキドキして「足がすくみ」ます。

 でも隣で支えてくれたり、手を持っていてくれたりすると安心して渡れますよね?

 実は仏教にはこれに似た「例え話」があるのです。

 それは「二河白道」(にがびゃくどう)です。

 旅人が猛獣や盗賊から逃れて大きな河のほとりにやってきました。

 その河には幅十センチほどの「白い道」が通されており、向こう岸には「阿弥陀如来様や菩薩様」が待っておられます。

 そして白道の左側は炎がメラメラと燃え盛っており、右側は嵐のような波がうねっております。

 後ろから来る盗賊や猛獣から逃げるためには、その「細くて白い道」を渡らなければなりません。

 恐る恐る渡り始めますが、火や嵐の河に何度も落ちそうになります。

 でもそのたびに阿弥陀如来様や菩薩様に助けられ、無事に渡ることができたというお話です。

 勘の良いあなたなら、これは「己の心の中」を表しているとわかるでしょう。

 「怒りや憎しみや貪り」の心に何度も落ちそうになりながらも、ほとけさまのお導きで極楽世界に行かせていただける。

 そして阿弥陀如来様の支えがあればどんな細い平均台でも「安心して」スイスイと渡っていけることでしょう。


☆今日の一句☆

 よろけても
     落ちても救われ
           進みゆく

 

 


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