AI、機械学習に興味のないプログラマやUIデザイナの為の具体的なメリットの例

僕は、基本的に今後はテクノロジーを考慮しないデザイン、経営は数年遅れになると思っています。というか、今までもそうでした。その逆も同様で、デザインを考慮しないプログラマもです。

それをこれから説明します。要は知らないとヤバイよと、焦らせる感じで書きたいです。少し長いです。


僕はOnefuncPlanというAIスケジュール管理アプリをプログラムからデザインまで全て作っているのですが、そのアプリの機能の自動スケジュール調整を例に書きます。

*ちなみに今作っているサービスやアプリがある人でもこれから書く例は参考になると思います。



AIでタップ数を減らしたりできます。

具体的に、写真入りで解説します。

流石に今の段階では人の頭をAIが覗くことはできないので、スケジュール調整の最初は明示的に「作成する」ボタンを用意しないといけません。

以下は「作成する」ボタンを押した後です。予定調整設定の最初の画面です。モーダル画面で、下から上に上がってくる良く見る画面遷移です。これ以降は右から新しい画面が出てきます。

まず、予定名さえわかれば大体の「予定の長さ」は推測できます。過去のデータからです。これで予定の長さを毎回設定する必要が無くなります。タップ数が減ります。

また、予定名からカテゴリーを推測できます。これにより、カテゴリーのデフォルトの設定(ユーザが明示的に設定したもの)などを読み込めます。

次に予定調整参加の依頼をする参加メンバー選択画面です。上の画像の「メンバー」をタップするとこの画面が出ます。

*「demoデモ」というアカウントが今操作中のアカウントです。

画面上では2人にチェックマークが入っていて、選択している状態です。これも「予定名」からAIが推測することが可能です。参加メンバーをAIが推測することで、タップ数を減らせます。(これはまだOnefuncPlanではやっていません。今後やると思います。)

その後、最初の画面の「次へ」を押すと「候補日時」の選択画面になります。

以下の画像が「候補日時」の選択画面です。

この最初の5つの候補日時はAIが推薦している日時です。現状のOnefuncPlanは「祝日」を考慮しない(赤色表示はします。今後対応)ので、祝日も候補に出しています。

これはAIが「予定名」から「どの曜日と日時が妥当か」を推薦してくれます。ユーザがわざわざ毎回タップして判断して選択しなくても良いです。

流石に色々と過去の学習データと計算がおかしくて、変な日時を推薦している場合もあるので、ここは念のため「ユーザにしっかり見せる」ことにしています。

以下の画面は削除後です。祝日や休日っぽい赤色の候補日時を削除しました。

*画像を撮ってから気づきましたが、1/2や1/3も仕事するには早いですねw


最後に「確認」ボタンを押すと、下の画面になります。少し上が途切れていますが、画面は縦長で、上には予定名や参加メンバーのアイコンなどが表示されています。

確認して終わりです。「送信する」を押せば予定調整作成完了です。

以下の画面は作成後の一覧画面です。

作成後の調整はAIを使わずに自分で操作することも可能です。

あとはAIが完全に勝手にやってくれます。あとで候補日時に被る予定を自分で入れると、その日を参加不可にしたり、空いている日を優先度高く自動で投票します。OnefuncPlanは単純に空いている日や時間を埋めている訳ではなく、スケジュールを解析して優先度を決めています。忙しい日は優先度を下げたります。ちなみに、先に最初の方に「予定名からカテゴリーを推測」と書きましたが、「仕事」カテゴリーの予定が18時以降に普通はない場合はAIは18時以降にその予定は不参加にするなど、カテゴリー毎に個別の動きをします。働き方改革!

また、自分のカテゴリーは他のユーザには分かりません。というか、学習データはユーザ毎に端末内にあるので、他の人のカテゴリーを計算で表現できません。例えば僕が「仕事」でも他のユーザは「会議」というカテゴリーにしているかもしれません。


上記の全ての操作は学習データ次第でより精度が高まります。

ここまでが、現状のOnefuncPlanの自動スケジュール調整の最初の予定調整作成の例ですが、現状でも、AIというか、機械学習や統計的解析でかなりタップ数を減らしています。

最終的には、予定名を入れたら「確認画面」の状態へ持っていくデザインにしたいと考えています。


ここまででわかったと思います。

タップ数が減るのはいつの時代でも基本正義です。

AIや機械学習を知らないデザイナーだけが画面のUIや体験を考えていては、現代の最高の体験をユーザに提供できません。少なくとも何ができるか?何ができそうなのか?ぐらいは知っておいたほうが良いと思います。

そうでないと、例えば5年前の体験を今も最高だと思っているのと同じです。

また、これはプログラマにも言えます。デザインやユーザの体験のために機械学習を使ってユーザに何ができるのか?を考えることです。

もちろん、全てを自動にしても失敗すると思います。例えば、現状のOnefuncPlanでも「候補日時」はユーザに確認してもらっています。安全性のようなものは必須です。「何が起こるかわからないボタン」や、不安定で怖い機能は基本使われません。「何が起こるかわからないボタン」は特に危険です。なぜなら、一生押さないということは、開発者の時間の無駄です。スタートアップでは避けたいところです。


*ちなみに勝手にAIがユーザの予定を決めても良いのか?って難しいところですが、自動で自分の予定の全てをAIが決めることも僕は技術的にもデザイン的にもできると考えています。やるかやらないかは別です。これは前に書いた「成長へのポテンシャルを見抜く人」に繋がる話です。


最後に

どんなサービスやアプリでもユーザの「設定」の癖を最初から提案している方が楽だと思います。適切なデフォルトです。

今回はタップ数を例に出しましたが、他にも色々とあります。技術とデザインが合わさることでユーザの体験にかなり影響を与えることができ、しかもそれ自体が「価値」になる可能性も秘めています。機能は同じでも、体験が異なります。

21世紀です。まだまだいけます。「良い体験とは何か?」から「新しい体験」をこれからも作っていきましょう!

AIスケジュール管理アプリ OnefuncPlan ぜひ使ってみてください。15-30秒ほどで大まかな使い方がわかると思います。