友達
いいねが付かないのは内容の問題?それとも読まれてない?どっちも深刻な問題だ💦
今日はちょっと違った内容で、心霊とか何だとかは、一切無しw
ちょっと記憶に残ってる切ない話をします。全て事実ですが、人によって感じ方が違うかも知れませんね。良かったら、コメント下さい。
うちのクラスに「なる」と言う、凄く心の優しい男の子が居る。毎朝、誰に言われる訳でも無いのに、クラスで飼っている金魚に餌をあげたり、学級文庫の本を揃えたり、掲示物が剥がれかけていれば直したりと本当に優しく、クラスでもなるを嫌いだって言う奴は居ない位だった。
そして、もう一人のこの物語の主人公は、「みか」女の子である。みかは至って普通の子、厳密に言うと少し弱い子なのかも知れない。見た目も悪く無いのだが、このクラスには目立ちたがり屋の「えんちゃん」がいる為、いつも引き立て役にされてしまう可哀想なタイプ。たまにえんちゃんに嫌われまいと頑張ってオシャレしても、えんちゃんに影口を言いふらされ、みかはいつも辛い思いをしていた。
そんなみかの唯一の味方と言うか心の拠り所となって居たのが、何となるである。
子供だから付き合う付き合わないとかあったのか無かったのか知らないけど、なるは、いつも優しくみかに声かけていた。それを知ってるえんちゃんは、面白く無かった。何故なら、えんちゃんの周りにはチヤホヤしてくれる人は居ても、親身になってくれる人が居なかったからだ。
そんなある日、事件は起こった。
えんちゃんが教壇に立ち黒板に何かを書き始めた。
「みんな!注目!みかは今日からゴリと付き合います!」
黒板に書かれたのは、大きな相合傘、そこにはゴリとみかの名前が書かれていた。無理矢理教壇に引きずり出されるみか。
「じゃあ、みかから告白をお願いします!」
無理矢理みかを追い込む、えんちゃん。盛り上がる野次馬。俺やサチなど止めさせようとするもゴリの仲間達に阻まれる。
この状態で精神的にも追い詰められ泣き出すみかに意地でも告白をさせようとするえんちゃん。
「私はゴリくんが好きです。」
根負けしたみかは泣き叫んだ。クラス中が大盛り上がりになり、他のクラスからも野次馬がくる位だったので、うわさが広まるのはあっという間だった。
まだ、子供の発想なんで付き合うと言っても休み時間一緒に過ごしたり、帰り一緒に帰る位なんだが、みかは相当嫌だったんだろう・・・この日から学校を度々休む様になった。
この状況が許せないなるは、ゴリに詰め寄った。
「あのさ、ゴリ君・・・」
「あぁ?何だよ!なるっ」
ゴリは、クラスの中で一番身体が大きく、力も強い。周りからはいつも一学年・・・いや、二学年位上に見られる程だ。
「みかちゃん・・・今日も休んでるけど平気なの?お見舞いとか行ってみた?」
なるは納得はしていないが、みかはゴリの彼女と言うルールに従い、彼氏であるゴリにみかを心配してあげて欲しいと言う気持ちを一所懸命伝えた。
「ガシャーン!!」
激しい音をたてなるが、ゴリに突き飛ばされた。
「いちいちうるせぇんだょ!俺の彼女なんだから口出すな!」
仁王立ちでなるを睨みつけるゴリ、側で小馬鹿にする様に笑うえんちゃん。自分では勝ち目が無いと解って悔し泣きをするなる・・・
「ゴリっ!てめぇ!」
気が付くと俺はゴリに飛びかかっていた。お互い壮絶な殴り合いが始まる。口の中は切れ、顔や瞼は腫れ上がる。鼻血で着ていたシャツは汚れる。もう何が悪くて殴り、殴られてるのかもお互い解らなくなっていた。多分、正直に言うとゴリもどうしていいのか解らなかったんだと思う。
「ほら!お前達!辞めろ!」
壮絶な殴り合いは、二人の男の先生により強制終了となり、俺とゴリは時間をずらし病院に搬送される事となった。
病院での治療を終え、先生が家まで送ってくれた。先生に何で喧嘩になったのかとか色々聞かれたが正直、何て答えて良いのか解らなかった。ゴリが憎かったのでも、なるが可哀想だったのでもなくここまで何もしなかった自分が嫌だったのかも知れない。
家に着くと先に治療を終えた、ゴリとゴリのお母さんが謝罪に来ていた。
「まさるん君・・・うちのゴリが・・・本当にごめんなさいね・・・」
違うんだよな・・・殴られて怪我が酷いのは俺。喧嘩のきっかけになったのはゴリかも知れない・・・でも、先に殴りかかったのは俺。ゴリだって怪我してる・・・
「・・・んだ。違う!先に手を出したのは俺だし、負けたから怪我がちょっと酷いけど・・・悪いのは俺なんです。ごめんなさい!」
ゴリのお母さんは泣いて何度もお礼を言って行った。
「すまなかった・・・」
ゴリとも握手をしてその場で和解した。と言うよりお互いが憎しみあっての喧嘩じゃ無かったからかも知れない。お互いの気持ちがよく分かった気がした。
翌日、顔に絆創膏だらけの俺をみんなは笑って迎えてくれた。勿論、その中にはゴリも居る。目があった瞬間お互い軽く手を挙げ、大丈夫な事を確認した。
「まさるん・・・大丈夫?」
心配そうに駆け寄って来たのは、みかだった。話によると昨日の放課後、なるはみかの家に行き、みかの容態と今日の事を全て話、また来れるなら学校に来て欲しいと伝えて帰ったそうだ。なるらしい行動だ・・・
チャイムが鳴り、席に着くと担任がやって来た。
「今日は、ちょっと大切なお話があります・・・」
あんだけ壮絶な殴り合いだったから怒られるんだろうなぁ・・・そう思い、チラッとゴリの方を見るとゴリはすまんと謝っていた。仕方がない長くなっても怒られよう・・・と決心した次の瞬間、信じられない言葉が出てきた。
「なる君は、今日を持って学校を変わる事になりました。」
通学可能圏内にいくつか学校があるが、基本、通学距離を考え学区で分けられ決まった学校に行くのだが、通学上交通量の多い危険な場所を通る、学力的に今の学校が合わない、いじめなどで近くの他の学校に転入する事が可能なのであるのだが・・・余りにも急過ぎる。クラスの殆どの生徒が呆気に取られていた。みかそして、えんちゃんも泣いてる。何があったのだろう・・・
帰りの会が終わると同時に、俺、サチ、シロ、みか・・・そして何故かえんちゃんまでも着いて来てなるの家に向かった。
チャイムを押すとなるのお母さんが凄い剣幕で出てきた。
「貴方達なのね!今更謝って貰わなくて結構です!」
えっ💦何の事?呆気に取られていると奥から松葉杖をついたなるが出てきた。なるは、お母さんと言葉を交わすとお母さんはドアを閉め奥に入って行った。
「わざわざ来てくれたんだね。ありがとう」
いつも変わらない笑顔で応えてくれた。足の怪我と転校の事を聞くと、なるは話してくれた。
昨日の放課後、なるはみかの家にお見舞いに行った。そこから、家に帰る途中にえんちゃん達に会ったそうだ。そこで、えんちゃん達は、なるがみかの家にお見舞いに行った事が気に入らず口論となったそうだ。でも、どうにか解って貰い帰る途中の坂道でつまづいて転がり落ち怪我したっ・・・
「嘘つき!なるの嘘つき!」
泣いて喚き散らすえんちゃん。
「あの時、私はなるをみかに取られたく無かったから・・・なるはみかは関係ないって言うけど・・・私・・・なるが好きなんだもん! でも、振られたから悔しくて・・・つい・・・」
誰も何も言えなかった。
「僕はつまづいて転がり落ちたんだよ。親はいじめられてるんじゃないか?って心配してたけど・・・こうやってみんな来てくれるのにいじめられてる訳無いじゃん」
まるで家に居る母親にも聞こえるようになのか、なるは大きな声を張り上げた。そして・・・
「いじめって事で転校させられちゃうんだけど・・・また、みんなで遊びに来て・・・俺、みんな大好きだから・・・」
みんなかけてあげる声が見つからなかった。玄関先で笑顔で手を振って見送るなるをまともに見ることが出来なかった。
なるはもう居ない・・・でも、会おうと思えば何時でも会える場所に居る。みんなそれぞれ傷付いたから、傷が癒えたらみんなで行こう・・・
「ねぇ、まさるん?」
サチがニヤついた顔で見ている。
「何かあったら、サチの事守ってくれる?」
えっ!?これって・・・
「サチの方が強いじゃん」
シロの一言で大笑いし、廊下で立たされながらもサチに蹴りを入れられたのであった・・・
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