タイトルをつけるほどでもないが、とてもエキサイティングだったこと。

目覚めた瞬間に嫌な予感。
時間はam5:45。ヘルシンキ行きのフライトはam7:00。パッキングはまだ終わっていない。そして空港までは車で30分かかるはず。さすがに間に合わない?なんとか間に合うか?国際線に?いろんな事が頭を巡るが今は動くしかないと腹を決める。

まずはUberを呼ぶ。
何よりも移動手段を確保することが先決だ。頼むから見つかってくれ。この今の状況を見かねて、仕方なく満面の笑顔でハイウェイをアクセル全開で踏み切ってくれるような、そんな粋なドライバーとマッチングしてほしい。ドライバーを検索するわずか3秒くらいでそんなことを考えていた。ドライバーの検索時間がいつもより長く感じるのは気のせいか、、、ヒット!爽やかな笑顔のポッチャリとした、いかにも感じが良さそうなドライバーがマッチングされた。朝方だというのに5分で到着してくれるUberとテクノロジーの発達には頭が下がる。ただし頭を下げている時間は残されていない。

さて、次にパッキング。
ドライバーを待たせるわけにはいかない。そもそも、急いでも間に合うかわからない状況のなかではあるが、もしかしたら間に合うかも知れないと思う小さな希望に向かって焦らず(実際にはかなり焦っていたわけだが)荷物を詰めていく。どうして昨日の夜にパッキングしておかなかったのか?こんな早朝のフライトなのに?理由は想像にお任せするが、それよりも重要なことがあったということ以外はここでは触れないでおこう。そして、そんなことを今更言ってもどうにもならないことだけは念を押しておく。いずれにしても、パッキングを手早く済ませた後は足早にフロントへ向かいチェックアウト。そのままホテルを出た瞬間にUberに乗り込む。ここまでの時間が、目覚めてからわずか5分足らずだと言えば、凄まじく慌ただしい光景がイメージできるはずだ。

まさかのUberがいない・・・
ホテルの前には車がいる気配がないので、ポケットの中のモバイルを開いた瞬間に目を疑った。配車がキャンセルされている。ポッケの中で起きた誤動作なのか、ドライバーが僕のプロフィール写真を見てキャンセル(そんなことはないはずだが)したのかはわからないが、いずれにしてもUberを呼び直すことになってしまった。この時すでにam5:55。繰り返すが空港までは30分。ヘルシンキ行きのフライトはam7:00。しつこいようだが国際線だ。

ようやく空港へ向かう。
新たなUberが到着。最初にマッチングされたドライバーは僕の期待に応えてくれそうな雰囲気を持ち合わせていたが、今回は少しクールで締まった表情のドライバーだった。しかしワガママを言ってる場合ではない。この時すでにam6:05。その他は散々伝えたのでわかると思うが本当にヤバい状況だ。焦る気持ちを抑えながら、ドライバーに丁寧に事情を伝えると、相手も悠長にこう言った。「そうか。それは大変だね。申し訳ないけど下道では50km以上は出せないんだ。」そこをなんとかと話に割り込んでお願いしたいところだったが、黙って彼の言うことを聞いてると彼は少し表情を緩ませながら続けた。「でも、ハイウェイに入ったあとは別だ。130km以上は出してやるよ。ただしな、レビューは5スターだぞ。」これは中々エキサイティングな展開になってきた。

空港までは20分で着いた。
ハイウェイを飛ばすドライバー。何度も時間を見直す僕。急いでいるときにどれだけ時間を見ても時間が縮まらないことはわかっている。時間を見直すことは無意味で焦りを増やすだけだと言うことも。だけど何度見直したかわからないくらい、時間を見ていた。あんなにも緊張感があったのは、今回の旅で初めてのことだった。結局のところ空港についたのは、am6:20を回ったくらいだったと思う。車が止まった瞬間に全力ダッシュを開始したので時計を見ている余裕はなかった。あんなにも全力で走ったのはどれくらいぶりだろうか。おそらくマラソンを始める6年前だったら、足がもつれて転んでいるくらいに全力で走った。これでもかというくらいに。彼には星5つでは恩を返しきれないな。


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