グリクシス・ファイアーズ デッキガイド

みなさん、こんにちは。Magic the Gatheringのプレイヤー兼、公式解説者の黒田正城です。

今回は、グランプリ名古屋で使用した「グリクシス・ファイアーズ」というデッキを紹介したいと思います。使用したのは私と、レガシー業界では「土地単」で有名な堀 雅貴の2名で、どうにか2人とも2日目に進出することができました。残念ながら入賞はできませんでしたが、一番人気のスゥルタイに照準を絞った成果はあったと思っています。

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今週末に開催されるミシック・チャンピオンシップⅥが終わった後、何らかの禁止カードが設定される可能性が高いと考えられています。《創案の火》は大変なポテンシャルを秘めたパワーカードであり、このカードを使ったデッキは、おそらく禁止裁定後に勢力を強めることでしょう。そこで今回は予習も含め、この「グリクシス・ファイアーズ」ができあがるまでの道のりと、デッキの使い方について解説していきたいと思います。

1. 現在のスタンダード環境 ー青緑への対策ー

現在のスタンダードは完全に青緑の一強時代。ミシック・チャンピオンシップⅥでも、食物系のデッキが圧倒的多数になることは確実です。これまでにも圧倒的一番人気が存在した時代はたくさんありますが、メインから《害悪な掌握》がフル投入されるほどに歪んだ環境は珍しいと思います。
強いデッキが明確になれば、ミラーマッチが多発します。まず第一に重要なのは練習量で、時間をかけたプレイヤーが確実に結果を残しています。運だけでは、グランプリで13勝以上の成績を残すことはできません。

では、練習に十分な時間が割けない人はどうすれば良いでしょうか?
ここで、環境の流れを逆手に取ったデッキ構築がカギになってきます。そのためには、まず相手のキーカードである「青緑四天王」をしっかり意識しておく必要があります。

青緑は、序盤から終盤までいつでも役に立つ《王冠泥棒、オーコ》、《世界を揺るがす者、ニッサ》の2大プレインズウォーカーが最大の強みです。これほどまで流行すると、緑が好きな私でさえ食傷気味です。

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加えて、アグロデッキの心を折る《意地悪な狼》が、このデッキをさらに凶悪なものに仕立てています。地上を突破することは至難の業です。

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手札補充兼フィニッシャーとなる《ハイドロイド混成体》も忘れてはいけません。《世界を揺るがす者、ニッサ》が出てきた次のターンは特に注意です。手札破壊を叩き込むならこのタイミングです。

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これら四天王は着地した時点で既に半分ぐらい仕事をしているので、後出しで除去を打ち込んでもアドバンテージ差がついてしまいます。青緑以外のデッキを使うのであれば、絶対に対策を意識しておく必要があります。

2. デッキ選択とコンセプト

では、私が今回使ったデッキの紹介をしたいと思います。

グリクシス・ファイアーズは・・・
①序盤の手札破壊とクリーチャー除去で相手の動きを妨害する。
②《創案の火》をプレイし、擬似的にマナを倍に増やす。
③《龍神、ニコル・ボーラス》、《戦慄衆の将軍、リリアナ》、もしくは《願いのフェイ》で調達するパワーカードで勝利する。

というコンセプトのデッキです。
ソーサリータイミングのカードが多く、やることがシンプルなので使いやすいと思いますが、《願いのフェイ》を使うタイミングだけは選択肢も多く、複雑になります。このデッキにはプレインズウォーカーの奥義でいきなりゲームを決める勝ちパターンがありますので、その点は最初に抑えておく必要があります。

青緑系のミラーマッチを避けたかったため、対抗馬として《創案の火》を使うことは早期から決まっていました。
《創案の火》を使うデッキを3色デッキと仮定すると、色の組み合わせは3種類あります。それぞれの組み合わせに使いたいカードがあり、どれも魅力的でしたが、今回はその中からグリクシスを選択しました。

ジェスカイ
《轟音のクラリオン》、《時を解す者、テフェリー》、《帰還した王、ケンリス》

ティムール
《成長のらせん》、《豆の木の巨人》、《ハイドロイド混成体》

グリクシス
《思考消去》、《煤の儀式》、《龍神、ニコル・ボーラス》、《戦慄衆の将軍、リリアナ》


クリーチャー除去はグリクシスが最も得意とする分野であり、序盤のマナクリーチャーを壊滅させることは容易です。特に《煤の儀式》はクリーチャー化した土地や食物、《ハイドロイド混成体》を巻き添えにすることができ非常に効果的です。《害悪な掌握》と《思考消去》のおかげで青緑四天王にも耐性があり、何度かテストプレイをした結果良い感触を得られたため、本格的な調整を始めようと思いました。

このデッキのポイントは3つです。

①メインから《害悪な掌握》を無理なく使うことができる

打つところにほとんど困らない万能除去です。青緑系はもちろんのこと、グルールも緑のクリーチャーが満載ですし、ジェスカイ・ファイアーズとの対戦でも、《時を解す者、テフェリー》や《暁の騎兵》が出てきます。上位デッキで全く役に立たないマッチアップは、ティムール《荒野の再生》ぐらいでしょうか。

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②相手がメインから入れてくる《害悪な掌握》が完全に無駄カードになる

1本目の中盤に《思考消去》で相手の手札を覗くと、《害悪な掌握》を3枚握っていた、というケースが多数ありました。偏ったメタゲームの副産物ですが、1本目を有利に戦うことができる利点だと思います。

③《願いのフェイ》でサイドボードから持ってくる頻度の高い、《龍神、ニコル・ボーラス》を普通に使うことができる

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当然ですが、《創案の火》が手札に無いゲームもあります。そのときにパワーカードを無理なくプレイできるよう、構築をすることが重要だと考えています。全体除去を放った後に着地するこのカードはやはり強力で、複数取りたいと思いました。グリクシスであれば、5ターン目に自然とプレイできます。やや悠長ですが、4ターン目に《願いのフェイ》でサイドボードから調達し、次ターンにプレイする流れも有効です。

では、こういったコンセプトを踏まえ、デッキリストと個別カードの紹介に入りましょう。

3. デッキ紹介


Main:(60)
1 Island (島)
1 Mountain (山)
4 Swamp (沼)
4 Blood Crypt (血の墓所)
2 Castle Vantress (ヴァントレス城)
2 Dismal Backwater (陰鬱な僻地)
3 Fabled Passage (寓話の小道)
4 Steam Vents (蒸気孔)
2 Temple of Epiphany (天啓の神殿)
4 Watery Grave (湿った墓)
3 Fae of Wishes (願いのフェイ)
1 Sorcerous Spyglass (魔術遠眼鏡)
1 Witching Well (魔法の井戸)
4 Fires of Invention (創案の火)
4 Noxious Grasp (害悪な掌握)
2 Liliana, Dreadhorde General (戦慄衆の将軍、リリアナ)
3 Narset, Parter of Veils (覆いを割く者、ナーセット)
3 Nicol Bolas, Dragon-God (龍神、ニコル・ボーラス)
2 Angrath's Rampage (アングラスの暴力)
3 Drawn from Dreams (抽象からの抽出)
3 Ritual of Soot (煤の儀式)
4 Thought Erasure (思考消去)

Sideboard:(15)
1 Chandra, Awakened Inferno (目覚めた猛火、チャンドラ)
1 Nicol Bolas, Dragon-God (龍神、ニコル・ボーラス)
1 Ugin, the Ineffable (人知を超えるもの、ウギン)
1 Casualties of War (戦争の犠牲)
1 Command the Dreadhorde (戦慄衆の指揮)
3 Duress (強迫)
2 Enter the God-Eternals (永遠神の投入)
1 Kaya's Wrath (ケイヤの怒り)
1 Planar Cleansing (次元の浄化)
1 Planewide Celebration (次元を挙げた祝賀)
1 The Elderspell (古呪)
1 Unmoored Ego (漂流自我)

まずはキーカードの《創案の火》と《願いのフェイ》から紹介します。

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《創案の火》は、制限付きの《全知》です。4ターン目に設置して、5ターン目に5マナの呪文を2枚プレイすれば、10マナ分の働きになります。使えるマナが倍になるという観点では、《荒野の再生》と同じ役割です。

《創案の火》が優れているもう一つのポイントは、色マナを気にする必要がないことです。このおかげで、《願いのフェイ》からまったく色の合わないパワーカードを調達し、使うことができます。
ただし、《願いのフェイ》を使った構築は一長一短なので、その特性を十分に理解しておきましょう。採用すれば相手のデッキに合わせてサイドボードから致命的なカードを使うことができるため、1本目の勝率は高くなります。特に《戦争の犠牲》や《次元を挙げた祝賀》など、色が合わないパワーカードは非常に強力です。しかし、サイドボードの大半を《願いのフェイ》用に割く必要があり、入れ替えられるサイド用カードが7枚ぐらいしか使えなくなる点は大きなデメリットです。2戦目以降の柔軟性が明らかに低くなるため、本当に必要と思われるカードだけに絞って、できるだけ通常のサイドボード枠を広げておくことが重要です。今回のグランプリで言えば、《漂流自我》は一度も使うことがありませんでしたので、ムダな枠を確保してしまったと思います。

また、《願いのフェイ》は単体では壁にしかなりません。《世界を揺るがす者、ニッサ》、《王冠泥棒、オーコ》が作り出す3/3クリーチャーや、《厚かましい借り手》を止めて活躍することもありますが、どうしてものんびりした印象があり、重ね引きはしたくないカードです。そのため、枚数を3枚に抑えました。

続いて、他のカードを紹介していきましょう。まずは妨害枠です。

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《思考消去》は万能の手札破壊であるだけでなく、諜報がデッキの安定度を大きく高めています。《創案の火》を最大限に活用するためには、毎ターン土地を出し続けることが極めて重要なので、4枚必須のパーツだと思います。

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《害悪な掌握》は上述のとおりです。今のメタゲームであれば4枚必須ですが、禁止カードの設定しだいで変わるかもしれませんね。


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《アングラスの暴力》も、2マナ域の優秀な除去として採用しています。後手の2ターン目に《王冠泥棒、オーコ》を狙い撃ちできるのは大変優秀です。アーティファクトに触れることができる点も、《魔女のかまど》に効いたりしますので汎用性の高いカードです。


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《煤の儀式》はこのデッキの命綱です。青緑を相手にした場合、《意地悪な狼》を除く、ほぼ全てのクリーチャーを除去することができます。《世界を揺るがす者、ニッサ》が着地しても、このカードを連打しているといつの間にか逆転していることが多いです。サイドボードに1枚追加しても良いかもしれません。


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最後に《魔術遠眼鏡》です。言うまでもなく、緑のプレインズウォーカー2種類を強く意識したカードです。緑系のデッキと戦うときは、サイド後の《夏の帳》が頭痛の種ですが、まずこのカードから入ることで、相手の手札を確認して動くことができる点も優秀です。

続いて、プレインズウォーカーの枠に進みましょう。

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《覆いを割く者、ナーセット》は《創案の火》や後続のパワーカードを探す役割で入っていますが、3/3クリーチャーが世の中に溢れかえっている環境であるため、ほとんどの場合に1度しか起動できませんでした。青のダブルマナが3ターン目に揃わないこともあったので、《可能性の揺らぎ》にすることを検討しています。こうすると、3枚目以降の土地や《願いのフェイ》にもアクセスできますので、安定度が向上しそうです。

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《龍神、ニコル・ボーラス》は、デッキの核となるパワーカードです。メイン、サイド合わせて4枚使うことを推奨します。
奥義の能力と、《古呪》、《次元を超えた祝賀》の2枚がサイドボードにあることを常に意識してください。思いもよらない盤面から勝利につながることがあります。中盤以降は選択肢が複雑になりがちですが、このゴールを意識していると、プレイがとてもシンプルになります。


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《戦慄衆の将軍、リリアナ》は、《龍神、ニコル・ボーラス》が苦手とするクリーチャーの複数展開や、《意地悪な狼》を難なく処理してくれます。もともとは《目覚めた猛火、チャンドラ》をメインに採用していたのですが、《意地悪な狼》がどうにもならず、《世界を揺るがす者、ニッサ》の能力でクリーチャー化した土地はエレメンタルなので-3の能力もパッとせず、という理由で入れ替わりました。
このカードも奥義が重要です。決まれば勝ちなので、忘れないようにしてください。

その他のカードとして、ドロー操作は下記2種類を採用しました。

《抽象からの抽出》は《創案の火》を貼った状態であれば最高のドロースペルです。ただ、普通にプレイするとどうしても重さが気になります。そのため3枚にしていますが、まだ多いように感じています。1枚を《可能性の揺らぎ》と入れ替えた方が良いかもしれません。

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《魔法の井戸》はあまり見かけないカードだと思いますが、使ってみるとその良さがわかると思います。このデッキは《創案の火》を貼ってしまうと、マナの使い道が《ヴァントレス城》しかありません。そのため、このカードを起動する4マナはいつでも使うことができます。追加の土地(特に6枚目)を調達してくれるので、何度も助けられました。
占術も非常に良い働きをしますので、ぜひ一度お試しください。

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4. サイドボード紹介

《願いのフェイ》がいるため、メインデッキと同じレベルでカードの解説をしたいと思います。

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《強迫》

黒いデッキの定番品。グリクシスカラーは青も使えるため、《否認》などのカウンターも候補になるのですが、《創案の火》を貼った後に引いてしまうと無駄カードになってしまうため、能動的に動ける手札破壊を重めにとることにしました。サイドインする頻度が非常に高い、便利なカードです。

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《永遠神の投入》

アグロ相手に非常に頼りになる1枚です。現環境では当たる可能性が低いですが、赤系のビートダウンに当たると比類なき強さを発揮するため、最低でも1枚は使うことをおすすめします。


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《目覚めた猛火、チャンドラ》

メインの枠は《戦慄衆の将軍、リリアナ》に譲りましたが、全体除去、単体除去のどちらでも使える優秀なカードです。カウンターされない点も以前であれば強みだったのですが、最近は《霊気の疾風》に引っかかることが増えてしまいました。。。

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《人知を超えるもの、ウギン》

《願いのフェイ》で持ってくる選択肢として用意しましたが、他のカードよりも使われる頻度は低いです。グリクシスカラーはエンチャント破壊ができない色なので、‐3の能力で相手の《創案の火》に対処できる点は評価に値します。(と言っても、ほとんどの場合は《戦争の被害》を使うのですが、、、)

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《龍神、ニコル・ボーラス》

《願いのフェイ》でサーチするための4枚目です。コントロール相手のときは必須カードになるので、4枚目もサイドインしましょう。

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《次元の浄化》

クリーチャーとプレインズウォーカーを複数並べられ、圧倒的に不利な状況に陥ってもこのカードが何とかしてくれます。自分の《創案の火》も一緒に割れるので、「1ターンに呪文を2枚までしか唱えられない」というデメリットが加除され、そのターンのうちに自分の盤面を再構築することが可能です。この動きはむしろメリットと言えるかもしれません。《願いのフェイ》を使うなら、必ず1枚サイドに入れておきましょう。

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《戦争の犠牲》

《次元の浄化》が不利な盤面をひっくり返す大逆転カードである一方、このカードは五分五分の盤面を勝ち確定の場に変化させる使い方が多いです。《世界を揺るがす者、ニッサ》、巨大な《ハイドロイド混成体》、3/3のエレメンタルになった土地、食物トークンをまとめて破壊することができます。《創案の火》のミラーマッチでも、先にこのカードをプレイできた方が圧倒的優位に立ちます。

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《古呪》

あまり積極的に使いたくないカードですが、「2個の忠誠カウンターを置く」という能力が捨てがたく、サイドに1枚忍ばせています。《龍神、ニコル・ボーラス》の忠誠値が5、相手の場に《世界を揺るがす者、ニッサ》と《王冠泥棒、オーコ》が出ている、というようなシーンは大チャンスです。

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《次元を超えた祝賀》

最初は、アグロ相手に16点のライフを得るカードだと思っていましたが、想像以上に多様な活躍を見せるカードでした。どの能力も使用しますが、特に増殖は、上述の《古呪》と同じ働きをする優秀な能力です。対戦相手にもほとんど警戒されませんので、思わぬところで勝ちを拾うことがあります。

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《ケイヤの怒り》

緊急時のリセットボタン。《時の一掃》ではなくこちらを採用しているのは、土地が4枚で詰まった経験が何度かあるからです。

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《漂流自我》

ミラーマッチやエスパースタックス、《大釜の使い魔》など、青緑以外の様々なデッキに使えると考えてサイドに入れましたが、残念ながら活躍しませんでした。他の候補を探したいと思います。

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《戦慄衆の指揮》
実は勝利貢献度の最も高いカードです。このカードがサイドボードに1枚入っているおかげで、ただただ相手の邪魔をしてリソースを消費させ続けることが勝ちにつながるようになっています。《金のガチョウ》や《王冠泥棒、オーコ》を釣ってくれば失ったライフも取り戻せますので、ギリギリまでライフを支払って圧倒的な場を作ることができるでしょう。

5. サイドボードプラン


《願いのフェイ》があるため、大きな入れ替えは発生しません。下記の点を意識すれば、シンプルに入れ替えができると思います。
・《強迫》が必要か
・《永遠神の投入》が必要か
・《害悪な掌握》を抜く必要があるか
・《煤の儀式》を抜く必要があるか

スゥルタイ、シミック
アウト
先手
-2 《覆いを割く者、ナーセット》
-1 《龍神、ニコル・ボーラス》

イン
+3 《強迫》

似たような展開になるためまとめていますが、スゥルタイの方が楽な勝負になります。シミックは《厚かましい借り手》と《霊気の疾風》で《創案の火》に対処できる点が厄介です。

サイド後は《夏の帳》をかいくぐって《強迫》と《思考消去》を通せるかが勝負です。相手が緑マナを出せないときは最優先でプレイするようにしてください。例えば先手1ターン目のアクションは、タップインの土地を置くよりも《強迫》を優先した方が良いと思います。
中盤以降も、《夏の帳》を常に意識しましょう。《龍神、ニコル・ボーラス》の+1能力や奥義は、対戦相手を対象に取っていないので気兼ねなく使うことができます。

なお、この対戦で最重要なのは《戦慄衆の指揮》です。相手の脅威を全滅させた上で、《願いのフェイ》でこのカードを調達し、複数枚の《金のガチョウ》と《王冠泥棒、オーコ》、余裕があれば自分の墓地からもプレインズウォーカーを釣ってくるのが勝ちパターンです。《意地悪な狼》はこれらのカードでチャンプブロックし、時間を稼ぐことでダラダラと対処します。頑張って除去しようと思わないことが大切です。

ジェスカイ・ファイアーズ
アウト
-3 《害悪な掌握》
-3 《煤の儀式》

イン
+3 《強迫》
+1 《人知を超えるもの、ウギン》
+1 《目覚めた猛火、チャンドラ》
+1 《漂流自我》

手札破壊の分だけこちらが有利ですが、《時を解す者、テフェリー》が厄介です。《霊気の疾風》も合わさると、何度も《創案の火》を戻されイライラする展開になりがちです。そのため、《害悪な掌握》を2枚だけ残しています。《人知を超える者、ウギン》、《目覚めた猛火、チャンドラ》は普通に引きたいカードなので、メインに移します。《願いのフェイ》で持ってくるカードは、ほぼ確実に《戦争の犠牲》になるからです。

エスパースタックス
アウト
-3 《煤の儀式》
-4 《害悪な掌握》

イン
+3 《強迫》
+1 《人知を超えるもの、ウギン》
+1 《目覚めた猛火、チャンドラ》
+1 《龍神、ニコル・ボーラス》
+1 《漂流自我》

こちらが展開するパーマネントが重いものばかりなので、《予言された壊滅》を出されると予想以上に苦戦します。手札破壊が含まれている初手をキープすることが重要です。

ティムール《荒野の再生》
アウト
-3 《煤の儀式》
-2 《害悪な掌握》

イン
+3 《強迫》
+1 《龍神、ニコル・ボーラス》

非常に相性の悪いマッチアップです。この対戦でも手札破壊が重要ですが、《夏の帳》が邪魔をしてくるだけでなく、《思考消去》に《神秘の論争》が刺さってしまうのが難点。やっとの思いで《創案の火》を通しても《霊気の疾風》で戻っていったりと、フラストレーションがたまるゲーム展開になるはずです。今後このデッキが増えてくるのであれば、《戦慄衆の解体者》や《軍勢の戦親分》のような、低マナで効果的なクリーチャーを入れることが必要です。

グルール
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-2 《覆いを割く者、ナーセット》

イン
+2 《永遠神の投入》

ようやく《永遠神の投入》が必要なデッキになりました。アグロに対して素晴らしい活躍をするカードで、《探索する獣》を除去できるとたまらなく嬉しいです。
しかし、改めて見ると現環境で《永遠神の投入》を複数枚採用する必要はなさそうですね。

6. 今後の変更案

GPの結果を踏まえ、今このデッキを使うならこんな形にしたいと考えています。変更点は下記の3つです。

・土地を28枚に。特に、《創案の火》を貼った後のマナの使い道として《ヴァントレス城》を重視。(本当は4枚目が欲しいところです。)

・序盤の安定性を重視して《可能性の揺らぎ》を採用。

・サイドボードであまり活躍しなかったカードを入れ替え。スゥルタイではなく青緑用として《霊気の疾風》を採用。また、《戦慄衆の将軍、リリアナ》は《願いのフェイ》で持ってくる分も確保。

Main:(60)
1 Island (島)
1 Mountain (山)
4 Swamp (沼)
4 Blood Crypt (血の墓所)
3 Castle Vantress (ヴァントレス城)
1 Dismal Backwater (陰鬱な僻地)
4 Fabled Passage (寓話の小道)
4 Steam Vents (蒸気孔)
2 Temple of Epiphany (天啓の神殿)
4 Watery Grave (湿った墓)
3 Fae of Wishes (願いのフェイ)
1 Sorcerous Spyglass (魔術遠眼鏡)
1 Witching Well (魔法の井戸)
4 Fires of Invention (創案の火)
4 Noxious Grasp (害悪な掌握)
2 Liliana, Dreadhorde General (戦慄衆の将軍、リリアナ)
3 Shimmer of Possibility (可能性の揺らぎ)
3 Nicol Bolas, Dragon-God (龍神、ニコル・ボーラス)
2 Angrath's Rampage (アングラスの暴力)
2 Drawn from Dreams (抽象からの抽出)
3 Ritual of Soot (煤の儀式)
4 Thought Erasure (思考消去)

Sideboard:(15)
1 Chandra, Awakened Inferno (目覚めた猛火、チャンドラ)
1 Nicol Bolas, Dragon-God (龍神、ニコル・ボーラス)
1 Liliana, Dreadhorde General (戦慄衆の将軍、リリアナ)
1 Casualties of War (戦争の犠牲)
1 Command the Dreadhorde (戦慄衆の指揮)
3 Duress (強迫)
1 Enter the God-Eternals (永遠神の投入)
1 Kaya's Wrath (ケイヤの怒り)
1 Planar Cleansing (次元の浄化)
1 Planewide Celebration (次元を挙げた祝賀)
1 The Elderspell (古呪)
2 AEther Gust (霊気の疾風)

7. 最後に

グリクシス・ファイアーズは、とにかくパワーカードが好きな人におすすめのデッキです。序盤を乗り越えた後の、逆転につながる連打を経験すると病みつきになるでしょう。
今回紹介したデッキは《願いのフェイ》を活用したタイプですが、《炎の騎兵》、《風の騎兵》を使ってプレッシャーをかける形も非常に強力です。特に《炎の騎兵》は、余ったマナの使い道としても素晴らしいカードだと感じています。
完成された青緑系のデッキと比べ、研究が進んでいないアーキタイプだと思いますので、色んな可能性を試していただければと思います。

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さて、今回は以上です。この記事が少しでも皆さんの助けになれば幸いです。
記事に対する感想やご要望があれば、masashiro.41236@gmail.comまでメッセージをお願いします。ここまで読んでいただきありがとうございました。


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