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女性が女性のアイドルを選ぶときに容姿で選ばない仮説

先日興味深いことを友人に聞いた。あるアイドルを選考するプロジェクトで、インターネットで一般人からの投票でアイドルを候補から決めるものがあるらしい。男性のアイドルは明らかに容姿が端麗な人が選ばれる。一方で女性のアイドルは容姿が端麗な人は落ちて話が面白い人が選ばれるというのだ。そして投票している人は(データを取ったわけではないだろうが)女性が多いという。評価者の大半が女性であるという仮説を前提としてこの記事を書く。

女性が女性を選ぶときは容姿で選ばずに、話の面白さで選ぶというのはとても興味深い。容姿が端麗で話が上手ではない人は選ばれないらしい。

思考実験として女性が男性を選ぶときに、話下手で容姿端麗な人と、話上手で容姿が比較的端麗ではない人がいたとして、どちらを選ぶか。僕は容姿が端麗な人を選ぶ人は一定数いると思う。実際に男性アイドルで寡黙な人はそれで成立している。クールだと褒め言葉がついてくることもあるだろう。

なぜ女性が女性を選ぶときに容姿で選ばないのか。容姿が端麗な人に対して嫉妬する気持ちが働くのだろうか。すでに成功しているかどうかは関係ありそうだ。たとえば女優は女性からも好かれているように思うし、女優に対して嫉妬はしないだろう。少なくともあまり聞かない。女優はすでにその業界で成功しているからだろうか。一方でアイドルの選考で自分が投票するときはある種、まだ成功も失敗もないいわば自分たちと同じ土俵から出ていく過程だから、嫉妬が働くのだろうか。ホフステード博士の研究によれば、日本は世界で2番目に、成功者を崇め奉る文化を持っている。それに由来しているのかもしれない。

しかしもったいない。話すことはトレーニングすれば後天的に身につけられる。容姿はなかなか変えることができない。ルッキズムに対しての批判はあるだろうが、一方で大半の人がルッキズムを大量に消費している現実があるし、ルッキズムを批判するその人も知らずのうちにルッキズムを娯楽として消費している可能性はある。たとえば男性アイドルは応援するのに女性アイドルに厳しい人はこのパターンだ。ルッキズムによってインクルーシブでない環境があるなら大問題だ。だがただアイドルという娯楽なのになぜ素直に容姿を評価しないのだろうか。

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