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創作を通して自分が自分でいることを少しずつ取り戻している

2022/12から2023/3まで渡邊康太郎さんが講師となり、株式会社flierが主催した「つくるとつくらないのあわい──非表現者のための表現ガイド」という講義とワークショップに参加しました。この中で僕は創作を通して自分が自分でいることを少しずつ取り戻し始めたので文章にまとめます。

どんなワークショップだったの?

実はこのワークショップの第二回目が催されるので気になる方はぜひ参加してみてください。このワークショップを受ける前に僕が日頃からとてもお世話になっていて尊敬しているデザイナーの方と仕事をしたのですが、そのときにデザイナーの仕事における考え方や動き方にとても魅了されて僕もその一端を獲得したいと思ったのがきっかけでした。が、この目的はとても良い意味で裏切られました。

創作は今この瞬間からできることを教わる

コンテンツがとても充実しているのですが、一言でまとめると創作は今からでも誰でもできるのだということを体得する講義やワークショップでした。よくビジネスの界隈でも「アイディアだけ浮かんでも意味はない」「とにかくまずアウトプットしてみることが必要なんだ」という言葉を耳にします。でも僕も含めてなかなか多くの人ができない。それはなぜなのだろう?それに真剣に向き合う場でした。

何より向き合ったのは自分自身とでした

創作のワークショップのですが、振り返ってみると最初の課題から自分との向き合う時間を強制的に持たせてもらえる日々でした。課題を考え、手を動かして取り組む時間もさることながら、一緒にワークショップに参加しているメンバーと時間を合わせて仕事の後に頻繁に対話し、他者を通して自分を投影したり、他者の言葉によって自分の新しい側面に気づいたり、対話できる環境を一緒に構築することによってどんどん挑戦したくなる自分に気づいたり。

メンバーの職歴や地位を知らない場

後からメンバーと振り返って他になかった体験の一つが、自分自身との対話を引き出してくれる、自分をさらけ出した相手の職歴や地位を知らない場であることでした。もちろん対話をしているので、相手がどのような人であったり、どのようなことで悩んでいたり、どのようなものを作りたかったりするかは聴いています。ただ、僕がこれまで生きてきた社会では自己紹介といえばまず会社名、職歴や地位を紹介していたと思います。そういった看板を取っ払い、とにかく自分の本質をさらけ出す、相手の本質を受け止める、そんな場でした。

創発が紡がれていくような場

課題も一人で取り組むのではなく対話の中でどんどんブラッシュアップされます。自分で創っているものは実は自分だけで創っているのではない。いろいろな人との相互作用で紡がれるもの。そんな感覚に陥りました。おそらくそれは課題のアウトプットだけではなく、渡邊康太郎さんやフライヤーのスタッフの皆さんが用意してくれたその場すら、参加した人との創発によって場が発酵して参加者がどんどん自分を表現していける場に途中からなっていった感覚もありました。

コミュニティとして昇華したワークショップ

そしてこのワークショップを終えた後、有志がコミュニティを立ち上げ、講義中にあったような活動を続けています。そしてまたこの講義によって創作の扉を開けた人たちが続々と現れ、創り始めました。僕もこういったブログを書いたり、Podcastを始めたり、自分のスキルを活かしたものを創ったりすることをし始めています。もちろん完全にためらいがなくなったわけじゃない。でも少なくとも前よりはしたいと思えるし、やれる。そしてまた背中を押してくれる仲間がいます。

強い文脈と弱い文脈を切り替えさせてくれる場

ビジネスを強い文脈とするならばビジネスであればわかりやすく話したり、結論ファーストで話したりすることが求められる。数字を出していくことが求められます。
しかしコミュニティでは弱い文脈を奨励してくれる。何かなかなか自分が考えていることをアウトプットできなくても対話によってそれを引き出してくれる仲間がいる。その心理的安全性があるからさらに新しいアイディアが浮かんでくる。スタートアップというのは弱い文脈から生まれてくるものではないかという話が講義中にあったのですが、心から納得できます。そしてこの強い文脈と弱い文脈の切り替えができることが、また僕の日々の暮らしの中で安心感をもたらしてくれます。

競争社会の中で引け目を感じていた自分が解放された

子どものときから勉強して良い学校に行き、会社に勤めることが良しとされて育てられてきました。それは両親の世代では当たり前だったことで両親を責めるつもりもないしむしろ感謝しかない。ただこの競争社会の中で常に上を目指さなければならないというのはハムスターの滑車のように思えてきて定期的にバテるときがやってきます。「これはなんのためにやっていたんだっけ?自分の幸せはなんだっけ?」と。またこういう疑問を持つのも「大して成功してないくせに」と自分を貶めたり、競争社会の中でもちろん自分より成功している人はたくさんいるわけで自分が引け目に感じることが非常に多かった。そんなときにこのワークショップに出会えて、「弱い自分で良いのだ」と自他ともに感じさせてくれる場がありました。

渡邉康太郎さん、フライヤーのスタッフの方々、そしてコミュニティのメンバーに出会えてこんなに視野が広がるんだ!という感覚を日々味わっています。

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