1904_読書メモ_サマリー

【#読書メモ】あなたの話はなぜ「通じない」のか

コミュニケーションを体系的に学べる1冊で、コミュニケーションの教科書にしたほうが良いと思った良書。


【特に気になった言葉まとめ】

【目次】
プロローグ 想いが通じる5つの基礎
第1章 コミュニケーションのゴールとは?
第2章 人を「説得」する技術
第3章 正論を言うとなぜ孤立するのか?
第4章 共感の方法
第5章 信頼の条件
エピローグ 通じ合う歓び
【著者プロフィール】
山田ズーニー Twitterアカウント@zoonieyamada
文章表現インストラクター・作家・慶應大学非常勤講師/ Benesse小論文編集長として高校生の考える力・書く力に16年尽力し独立。フリーランスとして大学・企業で書く力・表現力・考える力・プレゼン力の教育を展開。著書に『伝わる・揺さぶる!文章を書く』『あなたの話はなぜ「通じない」のか』他。 「おとなの小論文教室。」連載中



【特に気になった言葉①】

●理論的なコミュニケーションで必要なのは「意見」と「なぜ」。つまり、自分がいちばん言いたいこと(=意見)をはっきりさせ、なぜそう言えるか(=理由)を道筋立てて説明していく。ゴールは相手に「なるほど!」と思ってもらうこと、つまり「説得」だ。

●コミュニケーションの5つの基礎
1.自分のメディア力を上げる。
2.相手にとっての意味を考える。
3.自分が一番言いたいことをはっきりさせる。
4.意見の理由を説明する
5.自分の根っこの想いにうそをつかない

自分の信頼性や色を認識し、相手の状態をとらえて、自分が言いたいことを理論的に意見と理由で構成し、気持ちを込めて伝達をするって、コミュニケーションを上手くするためのステキな方程式だなと思ったポイント。

オフラインだけでなく、オンライのコミュニケーションでも使える内容ですよね。また、企業のマーケティング施策は1と2を飛ばして、3からはじめることが多い気がするなと思った箇所。



【特に気になった言葉②】

●考えるスタートは「問い」の発見。
●「問題発見力」とは、文字通り「問い」を発見する力だ。
●問題が与えられたら、私たちはすぐ、「答え」を探そうとする。暗記と応用で正解をだすことに慣れているからだ。でも、正解のない問題を自分で考えたいなら、まず、「問い」を探すことだ。

●「問い」の視野の広げ方。
時間軸:過去→現在→未来
空間軸:身のまわり→日本社会→世界
人の軸:自分とは?→相手とは?→人間とは?

「問い」ってホント大事。以前、「”探す”と”見つかる”んです。当たり前だけど、重要な意識。」でも書きましたが”問い”を作ると、考えることが始まり、思考が深まります。この3軸(時間軸、空間軸、人の軸)はぜひ活用してみたい。コミュニケーションだけでなく、分析するための3軸にもなりそう。



【特に気になった言葉③】

●情報は配列が命。
●相手が知りたい情報が、知りたい順列で配列されていれば、言葉を飾ったりしなくても、思いやりのある優しい印象になる。

情報が溢れて1つ1つの価値が低下している時代は、取捨選択のスピードが上がっているので、読んでもらうために情報を上手く配列してみせることはほんと重要ですよね。



おわりのつぶやき

この書籍は自分で発見したのではなく、同僚に問うて紹介してもらったのでほんとに”問い”って大事。




【その他に気になった言葉】

話がつうじるためには、日ごろから人との関わり合いの中で、自分というメディアの信頼性を高めていく必要がある。
「何を言うか」より「どんな気持ちで言うか」が大切。
「通じ合えない」と、傷つき、苦しんでいるとき、あなたの志は高い。
ゴールをはき違えた技術は虚しい。
うそは、本当の意味で人を動かさない。ひとはそれほど愚かではない。仮にうそで、相手が自分の思うように動いたとしたらどうだろう?相手が愚かしく見えるのではないだろうか。偽りで結果が出せたとしても、出せば出すほど、自分の術中にはまった相手が愚かしく見える。そいう仕事に意欲が失せるのは自然なことだ。
内面で通じ合うことを諦めたら、そのすべてが虚しいし、諦める必要なんかない。相手もそれを持っている。内面のない石のように扱われて喜ぶ人間など1人もいない。
「メディア力」は、多様な軸で、複雑に編み上げられた、その時の、その人が放っている世界だ。
コミュニケーションというのは、人と人との間に、橋を架けるような作業だ。橋を架ける技術には、いろいろある。重宝しそうなのが「論理」という橋だ。この橋を渡りきった先のゴールは「説得」だ。
ところが、「理論」では、橋が架からないことがある。メッセージは関係の中で、人の心に届くからだ。正論は、ときに人を傷つける。そこで、「共感」という橋が登場する。理詰めで説得して、肩をゆすっても、動かせなかった相手が、いいな。と共感することで、相手の方から動いてくれる。この橋のゴールは、「好き」になること。ファンとか、シンパになることにつながる。ディズニーランドに何度も足を運ぶ人は、説得されたのではなく、好きだから、心が向くからだ。
相手にわかるように道筋立てて説明していく、これでいいのです。これが理論的なコミュニケーションなんです。必要なのは意見となぜ。つまり、自分がいちばん言いたいこと(=意見)をはっきりさせ、なぜそう言えるか(=理由)を道筋立てて説明していく。ゴールは相手に「なるほど!」と思ってもらうこと、つまり「説得」だ。
発見のない思索は、徒労感を強め、考えること自体への意欲をしぼめてしまう。こんなときは、具体的な「問い」を立ててみるのだ。5W1H。
自問→自答→自問→答えが出ない。→調べる→答えがわかる→さらにその答えから疑問が生まれる→自問→自答→自問→自答・・・。これを粘り強くつづけることが「考える」作業だ。
自分と相手の「論点」を共有していないと、会話はすれ違う。話が通じないと思うとき、「何を言おうか」「どう言おうか」よりも、「いま、相手はどんな問に基づいて話しているのか?」「自分はどんな問に基づいて話しているのか?」とチェックしてみるといい。
問い発見力を鍛える方法。
1.面白い!と思った記事などを切り抜いて貼る。
2.その面白い考えは、どういう「問い」から出てきたのか、文中に書いてあれば線を引く。
3.文中に「問い」が書かれていなければ、「意見」から逆算して割り出す。
「意見」は問に対する答えだから、逆算すれば問いが割り出せる。
「これはこうだ」と結論で通じあえなくても、「これはどうなんだろう?」なら通じ会える。魅力ある「問い」があれば相手を巻き込める。
「意見となぜ」で、やりとしりても、話がかみ合わない場合、相手がとりあげた「問い」をチェックするといい。
・相手は、どういう「問い」に基づいて話をしているか?(問い)
・相手の問いは、問題解決に結びつく有効な問いか?(問いの質)
・先に検討しておかなければいけない「問い」はないか?(問いの位置)
論点→なぜ→意見:晩のおかず何にしようか?→今日はお祝いだから→すき焼きがいい。
正論を言うとき、自分の目線は、必ず相手より高くなっているからだ。では、学校で、生徒は先生にしょっちゅう腹を立てているのかというとそうではない。それは、「教えてください」という生徒がいて、互いの合意の上で上下関係ができているからだ。望んでもいない相手に、正論をふりかざすのは、道行く人の首根っこをつかまえるような暴威だ。
自分にふさわしい「メディア力」を相手の中に刻むために、ちょっと「情報占有率」を意識してみるといい。
できるのなら、この時代、自己アピールはした方がいい。自己アピールのうまい人を、私も何人か見てきた。そういう人はやっぱり、いいポジションをつかんでいる。いやみなく、自慢をさらり、自己主張をしっかりやってのけられるのは才能だ。これからもどんどんやっていけばいいと思う。

ところが、私はどうも苦手だ。自分で自分を褒めるようなことをするとへこんでしまう。それに、意を決して自己アピールしても、相手の反応が今一つなのだ。試しに、そんなに親しくない相手に、「今日は、私のことを知っていただきたくて」と頼まれもしないのに、自己アピールをとうとうとやってみよう。多くの人は、やっぱり引く。言うまでもなく、日本には謙譲の美徳というものがある。あなた自身はどうだろうか?自己主張がうまい人が好きか?それともアピール下手で謙虚な人が好きか?相変わらず謙虚な人は人気が高い。

アピール下手な人は、無理をせず、「謙虚」という自分のメディア力をうたっていく方がずっといい。アピールすることで、むしろメディア力が下がることもある。いったん「自慢がましい人だな」と思われてしまうと、以降、何を言っても自慢がましくとられてしまう。
どんな自己発信をするにせよ、受け手のことを知らなければ的外れになる。「これは、まず、相手理解が先だな。」自然にそこへ行き着いた。
だとすると、コミュニケーションは頭の部分が肝心だ。出会ってから親しくなるまでという意味もあるが、一回一回のコミュニケーションにも言える。1通のメールでも、1回のミーティングでも、頭の部分で相手に、「この人いいな」と思ってもらえたら、あとの話は、ずっとよく伝わる。だから、「共感」を入り口にしたコミュニケーションは、強制よりも強くメッセージが届くのだ。「共感」されるとは、媚びたり持ち上げたりして相手に気に入られるのとは違う。自分の考え方・やり方で、「いいね!」「そうそう!」という相手の支持を得ることだ。
情報は配列が命
相手が知りたい情報が、知りたい順列で配列されていれば、言葉を飾ったりしなくても、思いやりのある優しい印象になる。
相手によっては、「相手の読解力に頼る」より「自分の読解力に頼る」方が確実だ。
共感の方法とは、外から観た自分を知り、相手の気持ちを想い、自分と相手の関係を考え抜くことだ。
点より線で自分を説明することで連続性が伝わり、さらに、これから行きたい方向をベクトルで説明することで将来性が伝わる。
相手の言わんとすることを自分の言葉で行ってみるトレーニング
1.意見=相手がもっとも言いたいことは?
2.論拠=その理由は?
3.問い=どういう問いに基づいて話しているか?


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