ソーシャルメディアの活用に、3つの視点と1つの軸を加えると、新しい可能性が見えてくるお話。
ソーシャルメディアの活用における企業アカウトのメインは「伝達」。でも、それだけだとソーシャルメディアという資産の「3分の1」しか使われてないかもしれないというお話。
少し大きなフレームから考えてみたいと思います。
企業の価値創出の流れを単純化すると、
商品・サービスを「生産」し、それを生活者に「伝達」し、「利用」してもらうコト。
基本的には、この流れに当てはめることができ、この流れを最大化した先に売上があると思います。
図にするとこんな感じですね。
この3つの工程の中で、まずソーシャルメディアが寄与しやすいのは「伝達」の部分。
その部分での目的は、商品・サービスの「想起率」「好意度」「購入意向」の向上、「口コミ」創出への寄与がメイン。
ただ、その部分だけに目を向けている場合、ソーシャルメディアの「メディア」という特性だけに目を向けがちになります。
少し視点をずらして、ソーシャルメディアが抱えるフォロワーという資産にめをむけてみたいと思います。
「情報」ではなく「人」の方に。
サービスや運用によって割合は異なりますが、企業アカウントをフォローしている「人」の中には、熱狂的なお客さんがフォローしてくれている事が多い。
そのフォロワーの集まりはゆるくつながった「コミュニティ」として捉えることができます。
そのコミュニティに熱狂的なお客さんがいる場合、「伝達」だけではなく「生産」と「利用」の過程に寄与してもらうことが可能になります。
価値創出の図でいうと、両端の工程。
どんなことに寄与できそうかは、
例えば、
「生産」の部分であれば、
・定量調査を行って既存のサービス状況を聞いて生産の種とする。
・定性調査を行って好きになってくれた過程や理由を聞いて、生産の種とする
など
「利用」の部分であれば、
・既存の商品・サービスの新しい使い方を消費者と一緒に考えて利用過程の最大化を図る。
・消費者と企業で成立するサービスをつくり、利用過程の最大化を図る。
など。
上記のように、伝達以外の2つ過程を見据えて、ソーシャルメディアへの寄与を考えると新しい可能性が出てくるのではないかと思います。
企業からの一方向での商品・サービスだけでは、消費者が満足しにくくなった社会なので、熱狂的なお客さんに企業の価値創出に寄与してもらうのは大事。
企業中心の横軸だけではなく、顧客と一緒に考える縦軸(共創度合)を意識して、価値創出考えることは重要なポイント。
与えられる一方だった立場から、完成度や画質は二の次でいいから、安価に始められ、自分たちで共につくり、共に育て、共に騒ぎ、共に消費するタイプの楽しみ方のほうが、手応えとして魅力的になった。鍵となるのは、「みんなで共に作り・騒ぎ・育て・消費する」ことへの目覚めだ。
出典:ソーシャルエコノミー
そのあたりの経済の変化については書籍ソーシャルエコノミーを御覧ください。
簡単にまとめると、企業価値創出の工程でソーシャルメディアをどう寄与させるかを考えると、使われていない遊休資産の発掘可能性が高まるということ。
是非、ソーシャルメディアを利用する事を目的にするのではなく、企業価値の創出のどこに寄与させるのかで、「3つの視点」と「1つの軸」をもってみるのはいかがでしょうか。
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