木曜の夜に宿予約、週末一人旅、「川内、いわき、北茨城」(2)
パート1はこちらから。続きを書きます。
9/24 15:45 かわうち草野心平記念館を後にし、いわき市立草野心平記念文学館に到着。
いわき市立草野心平記念記念文学館は1998年、心平のふるさとである福島県いわき市小川町に開館した記念館です。
坂の険しい山の中腹に位置しており、タクシー・車以外のアクセスはなかなか難しそうです。緑に囲まれた施設です。
広々とした駐車場が隣接し、記念文学館以外にも広場や散策できる遊歩道もあるそうです(この日はあいにくの雨で外回りは断念しました)。
ロビーに入ると、100万回生きたねこの絵がありました。佐野洋子さんの企画展も開催されていました。
佐野さんの愛用する道具(メガネ、バック、食器など)の展示や料理好きなど生活の一面が紹介されていました。
「私のレバーペーストはそこらのものと、一味も二味も違うのよ」と紹介されていました。レバーペースト、食べてみたい。
常設展も撮影禁止だったため、写真は載せられませんが、中央のトンネルでは心平の85年間の人生の物語を詳しく知ることができ、マスターとして経営した居酒屋「火の車」の再現展示、詩の世界観を再現した数々のオブジェなどがありました。
遺品の展示だけではなく、五感で楽しめるように工夫された展示で、子供でも楽しめるのではないかと思いました。
心平の独特な擬音語、日本語の表現の豊かさ、心平のカエルや鉱物など対象物の気持ちになりきる視点の自由さを、展示物や壁やディスプレイに書かれた詩や説明を読みながら堪能できました。
「現在の日本詩壇に天才がゐるとしたなら、私はその名誉ある『天才』は宮沢賢治だと言ひたい」
宮沢賢治と心平の間のストーリーも素敵でした。
心から尊敬しあう二人の間の、
・昭和8年(1933)に賢治が早逝するまでじつは二人が直接会ったことが無いこと、
・昭和2年(1927)に心平が花巻に行こうとするも、新潟行きの新幹線に間違って乗ってしまったこと、
・昭和3年(1928)に賢治が病床に就いている中、賢治を豪農と思っていた心平は「コメ一俵タノム」と手紙を出しいたこと、
など、知らなかった二人のエピソードに関する展示もたくさんあり、興味深かったです。
賢治の死後、追悼の詩集の編纂を行うなど、賢治を世に出すことに尽力した心平。自分の詩作だけでなく、人と人とのつながりを大切にし、他の詩人たちの支援や共創活動に力を入れたことが、天山文庫の設立に繋がっているんだろうなと思いました。
16:40 文学記念館を後にし、いざいわき市平(たいら)方面へ。
途中ちょうど夕日が見えたので、これは太平洋に沈む夕日が見られるかもと思い、急遽塩屋埼灯台へ。残念ながら、夕日は雲に隠れてしまいましたが、雨の日も風の日も、ただただ海の安全な運航を見守る灯台の姿にカッコいいなと思いました。
後日ですが、この塩屋埼灯台に関するディープなトークを見ました。
江戸時代末期から、レオン・ヴェルニー、リチャード・ブラントン、藤倉見達、そして、塩屋埼灯台の設計者、山本哉三郎(やさぶろう)と、お雇い外国人から日本人へ技術伝承の歴史があり、灯台の世界の奥深さを知りました(このFAROさんのいわきに特化したディープなトークシリーズめちゃ面白いです)。
18:00 今夜のお宿のFAROさんに到着。駐車場はないので、近くのコインパーキングに停めます。24hrでワンコインなので、安心して停められます。
1階は受付兼イートインスペース。3階には同系列のイタリアンレストランLa Stanzaがあります。
2階がゲストハウススペースになります。
2020年オープンということで共通スペースの内装も綺麗で、清掃も行き届いて、ドミトリーでも安心して過ごせそうです。
宿泊スペースは、福島県産のスギ・ヒノキを使用した2段ベッド式で、内側からカギもかけられ、女性でも安心して過ごせる工夫がされています。木のかすかな香りにも癒されます。
ひととおり、荷物を置いたり、寝床を整理したりした後、夕食をどうするか迷っていたところ、共通スペースの壁にまちあるきMAPなるものを発見。
その中のポストイットと目がありました。
いき成(焼き鳥)すてきなところでした。
ここに即決しました。
事前に予約を入れようとしたが、いっぱいで入れなかったお鮨屋さんを横目に、車が一台通れるか通れないかの路地を歩き、到着しました。
中はほぼ満席でしたが、一人なのでギリギリカウンターに座れました。
これから夜の街に出勤するであろう人たち、スーツを着たサラリーマン風の人たち、学生風の若者たち。大きなテレビでは、ドラゴンボールで、ちょうどカリン様の塔の下で、ウパの父・ボラがタオパイパイに倒されてしまうシーンを凝視していました。懐かしい。。
焼き鳥は、時間がかかるのでお任せにして欲しいと言われました。
選ぶのも億劫だったので、もちろん喜んで!
ビールと焼き鳥を流し込み、おなかがいっぱいになったところで、夜の街をさらに散策。
散策中、白銀小路というのを発見。いわき愛を持った店主たちが立ち上げた飲食店街のようです。小さな隠れ家的でアットホームなお店が立ち並んでいるので、今度はこちらも訪問したいと思いました。
散策の最後は、讃香さんでコーヒーを頂きました。
トアルコ・トラジャコーヒーなるものを注文。完全に雰囲気で注文しています。
しばらく待つと、普段なかなかお目にしないスタイルでコーヒーが提供されました。サイフォンの下の容器に珈琲がそのままで、しかもアルコールランプとマッチ付き。冷めたら温めなおしてくださいとのこと。
自家焙煎の香り高く、お茶のようにスッキリとした味わいでした。
21:30 FAROに戻り、シャワーを浴びて、寝床につきました。
福島県内でも整備された商店街を中心に飲み屋が点在する郡山に対し、いわきは路地裏に小さな店が点在していて、混沌として、まるで宝探しのような楽しみ方ができます!
まだまだ歩き足りていませんが、いわきの夜の街歩き楽しいですね!
では、続きはパート3で。
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