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動物病院で働く男性愛玩動物看護師



自己紹介


はじめまして。

動物病院で働く愛玩動物看護師の新谷 政人(にいや まさと)です。

現在一次診療(かかりつけの動物病院)と二次診療(専門医療を提供している動物病院)で働いています。

動物病院には獣医師だけでなくぼくらと同じような愛玩動物看護師(国家資格を持つ看護師)や様々な立場の人たちが働いています。

今回は数が少ないと言われる男性愛玩動物看護師についてお話をしていきます。(愛玩動物看護師って?についてはまた別の機会でお話していきます。)

男性は難しいと言われた業界

人医療のように動物医療でも男性の看護師は少ない業界です。

ぼくが動物病院で働き始めたとき(今から17~18年前)は男性が働くことが難しいと言われていました。

動物の看護師になりたい!

そう決心したのは高校3年生の進学を決めていく時期。

高校の担任に相談した時には「それは職業ではない。男性は将来養っていかないといけない。だから大学に行きなさい」と言われたり。

専門学校に行こうと思い見学に行った学校は男性を募集していない

就職先を探した時も「男性は雇っていない」と実習すら受けてもらえないことがありました。(今はだいぶ改善されつつあります。)

理由として低所得であるということや男性を雇ったことが無かったりなどの可能性があります。

ぼく自身が最初に就職した施設では手取り11万

正直驚きました。

「この忙しさや夜遅くまで働いてこれだけ??」

また給料だけでなく過酷な現場であることが故に離職率も高い職業であり、男性に限らず生き残るのは正直難しいというが実状でした。(今は各施設の待遇面や環境が改善されているところも増えてきています。)

ぼく自身もこの給料では生きていくには難しい。

毎日親からお昼代の1000円をもらいすねをかじりまくる日々。

このままでいいのかとお風呂に浸かるたびに頭を抱えていました。

自らの必要性に気づく

入社した当初は血液トマツ(血液検査の1つで確認するもの)が上手くできず悩んだり。

男性ということもあり圧迫感があるとかで診察に入れてもらえなかったり。

同期には置いていかれ毎日何をやっているんだろうという日々。(あまりに忙しかったせいか記憶がこの時期のはない…。)

働き始めて1ヵ月くらいで辞めようと思いましたが、何とか食らいつき転職もして気づけば今年で18年目になりました。(生き残りをかけた物語はまた別の機会で話したいと思います。)

働いている中で男性も必要ではないか?そう気づくことが増えてきました。

例えば大型犬を治療のためにおさえる(保定)の時は力だけではないですがやはりそれなりにパワーが必要です。

そして結構体力勝負の仕事でもあります。

あとは様々な検査機械が壊れたり、パソコン関係の操作が意外と苦手な人がいたり。感情的になっているチームの緩衝材的な役割など。一家に一台ではないですが、一動物病院に一男性愛玩動物看護師を入れることで院内の環境や雰囲気が変わる可能性があるということに気づきました。

そこに気づいたのも表には出ずに裏方の仕事をひたすらやり続けてきたから見えてきた事だろうと今考えればそう感じています。

もちろん性別ですべてを良し悪しを決めるわけではないですが、それぞれの良さを引き出せる可能性がある。

得意不得意の環境で働き続けるのはそれなりのストレスになることも多いです。

人それぞれが良さを引き出し働き続けることができる。

そういった意味では男性であっても動物病院で看護師として働き続けることができる可能性を秘めています。

他と違うから価値が生まれる


同じ色でないから目立ち輝く

周りと違うから価値が生まれる。

ぼくは業界では少ない男性ということで他とは違う価値をつくることができています。

性別関係なく生きていくために他の人と同じでなく自らの価値を高めていく。

はじめは周りと同じことをしていても「他の人とは違う価値」を見つけていく事で大きな価値となりその職業で生きていける可能性を秘めています。

それができないと待遇面を含めて働き続けることは難しい…。

特に男性の学生だったり働いている人からの相談の中で「将来養っていけるか?ずっとやっていけるか?」と質問をよくいただきます。

これに関しては環境やその人次第だとぼくは常に感じています。

給料はその会社があなたに投資をしている金額です。

他の人より価値を生み出せるか?

必要性が高まることでキャリアアップも含めて市場価値を上げていく。

他の人と同じでは価値は高まらず待遇面も上がってはいきません。

価値を上げられるかは誰でもなくその人次第であり環境や出会う人によって変わっていきます。

「男性の愛玩動物看護師はやっていけない。」

そう言っている人は果たして「男性愛玩動物看護師のことを本当に知っている人でしょうか?」

ぼく自身は現在家族を養い、一児の父親でもあります。

男性の愛玩動物看護師は養っていけない。

ぼくも過去にそう言われましたが今は違います。

この職業に限らず将来性を考えた時に「どれくらい稼げば最低限家族を養えるのか?」という視点を持つこともまた大切です。

今年から愛玩動物看護師は国家資格を取得した人たちが新たなスタートを切りました。

専門職として磨きをかけていけば可能性は十分ある素晴らしい職業の1つです。

感謝される数が増えれば増えるほど職業としての価値も高まり生きのびることができる。

そう信じこれからも愛玩動物看護師としての職業の素晴らしさをぼくなりの視点から伝え続けていきます。

最後に

獣医師とは違い愛玩動物看護師には愛玩動物看護師にしかできないこと、視点があります。

医療を提供する上で動物看護の力は必要不可欠です。

例えばWASAVAの疼痛の判別、診断と治療のガイドラインの中にこんなことが記載されています。

「小動物の痛みやストレスの管理には、質の高い看護(優しく愛情を込めた世話)を他の治療法の補助と して適用すべきである。動物が心身ともに快適な環境を作ることが重要である」

https://dourinken.com/wp-content/uploads/2019/04/wsava_pain_jp.pdf

ぼくら愛玩動物看護師にしかできない価値がある。

その大切な視点が動物の命を支えていく。

これからも愛玩動物看護師を目指したい、働き続けていきたい。

そう思ってもらえるように。

ぼくも日々頑張っていきます。

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