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スクールバスを買ってみた その4

明日からツアーが始まるという前夜も、アルバムを発売したてほやほやなので、
そんなことはお構いなしに絶賛プロモーション期間中。その日もリモートで北海道のラジオと繋いだ後、今度は東京のスタジオに移動して生放送というスケジュール。

夕方過ぎ、いつも通り自分の作業場のデスクで、バケツと、安井と3人リモートでインタビューを受けていたその本番中に、自分の太もも、ポケットの辺りから伝わってくる振動。
普段はリモートの出演中など、スマホの電源は切っていたりフライトモードにするのにどうやら忘れてしまっていたことに気づく。
と同時に、頭の片隅でこんなことを思う。

"このタイミングで、自分に電話をかけてくるとしたら…もしや?"

その数日前にも、何とかツアー初日までには間に合わせて欲しい旨の最後のお願い的な連絡を入れていたところだった。果たしてごめんなさい間に合いませんでしたの連絡なのか、否、わかる、わかるぞ、これはきっとスクールバスが私を呼んでいる。
本番終了後、画面を確認をすると見慣れない電話番号からの不在着信。その2秒後に最速で掛け直すも繋がらず。
その後すぐに今度はTOKYO FMに移動してFestival outという番組へ、こちらも生放送。移動中にもう一度折り返し連絡するも、繋がらず。
すれ違いにもほどがあるのである。

その後、半蔵門のスタジオに到着しマネージャーと落ち合うと、"なんとか明日横浜にスクールバス間に合います"との知らせを受ける。




「やっっっったあああああああああああああああああああああああああ!!!!!ついに!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



とかではないです。
おそらくこの時の自分の、そしてマネージャーの心情は、
「ええ、、本当かなあ?本当にボソっ???」です。


行く行く詐欺みたいなことってあるじゃないですか。
何か約束事をする時に、行けたら行く、って言う人、だいたい来ない説。
途中からスクールバス、もっと大きく外車というくくりの納車に対して、それに近いものを感じたりもしていました。
今思えば2人とも、この数ヶ月気まぐれなスクールバスに振り回されて、なんだか少し、信じるという気持ちをすり減らしていたのかもしれません。
正直、良くて五分五分、いいや九割くらいまだ信じてない感じです。


生放送を終え帰宅、そして迎えたツアー初日、横浜当日。
他のメンバーよりだいぶ早起きして、ひとり現地で待ち構えていました。

そしてついに、

Hero is coming.
ヒーローはいつも遅れてやってくる。 
あらゆる予定はすっ飛ばしましたけれど、、本当に大事なところにはしっかり間に合わせてしまうのね。態度だけはすでに超一流、見た目通り、大物である。

スタッフの皆さんに手伝って頂き、KT Zepp Yokohamaの駐車場で、すぐさま大掃除です。

そしてロゴの張り替えです。
音楽の仕事を専門をする皆さんに、車の掃除を手伝わせてしまっていることに、なんともありがたさと申し訳なさを同居させながら、やはり皆様その道のプロフェッショナル。道を極めし大人たちが本気を出すと、準備は急ピッチで進みます。

ロゴを綺麗に剥がすところから
一枚ずつ丁寧に貼っていきます
エンブレムが激ムズ
右肩上がりはOK(デザイン験担ぎあるあるですね)

時間の関係上、片面だけ完了したところでタイムアップ。裏面はもう今日のところは勘弁してもらって、見えないように隠してもらう方向で。

というところでメンバー到着、ここでご対面。
Zoom越しの時の刹那的な憂いを帯びた空気から一変、喜んでいただけているようでほっと一安心。

会場から展示の許可をもらえたスペースに移動させて(この時初運転)、

なんだかもう一仕事終えたみたいな達成感に駆られてますけど、これからリハーサルです、そして本番、ツアーの始まりです。

この人はライブ当日に、大事なツアー初日を迎える前に、何をやっているんだろう、みたいな懐疑的な目も全く気にしない鋼のメンタルを持ってしてステージに向かうのでした。
(波乱はまだまだ続く、その5へ) 

<裏話にも程がある、制作秘話などはこちらでこっそりと↓>


褒められても、貶されても、どのみち良く伸びるタイプです。