【北極圏に来た】オーロラなんて見えない、あれは嘘だ
午前1時00分。
深く澄んだ夜空に、星が煌々と燃えている。
北斗七星、オリオン座、あれは・・・白鳥座?
星が見えすぎて逆に星座が分からない。
ああ、たまらなく美しい。
たまらなく美しいんだけど、そろそろつま先の感覚が無くなってきた。激烈に寒い。外気は‐10℃を下回った。もう中に入ろうかなと思いつつ、あともう少し、と気を取り直して「はぁっ」と手に息を吐いた。
今、僕はオーロラを待っていた。
・・・
遡ること数週間前。
ヨーロッパ旅を計画していた僕は、自室でインスタグ