本を出して初めて自分が救われたこと
小学生のころから読書が好きで、本屋が好きで好きでいつも長時間立ち読みして表紙を眺めて、いつか自分を本の出してみたいなと、実に50年間も思いながらそれができないままでいた。
アマゾンの電子出版で自分の本を出版できた。それは大切で愛おしい体験だったので、簡単にお伝えします。僕に似た経験をしている人いること本の感想もらってわかったので。
本の内容についてですが、世の中の売れている本は、健康についてとか、お金についてとか、いかに仕事をうまくやるかとか、ハウツー本の上級バージョンみたいなものが多いなあーと思っていました。
著者の人生より、読者が自分の人生をなんとか良くしたいという思いが強いからそうなるのだろうなと勝手に推測していました。
ただ、自分は、自分の体験とそれにより紡ぎだされる言葉を本にしたい。でも、それが誰かに役立つものだとしても、タイトルでそれが知られないと、ほとんどの人は関心を持たず読みもされないことだろう。それで、どんなタイトルにしようかなと。ここでまず悩んで時間を使ってしまいました。
それで、多少あざといのですが、タイトルは働き方とお金を絡めて、自分の体験を書いて、それが実際、働き方で悩みに悩んで今の働き方となったこと、その過程でお金でかなり困ったり、短期的にかなり儲かったりした経験も書くこととしました。
シリーズものにして何冊も書けるようにもしたいと思いました。
それでできたタイトルが
『働き方のこれから お金とは何か1』
でした。
さあ、これでどんどん書けばいい。オレは書くのは好きだしと思っていたのですが、ここで、鉄の絶壁に全力で体当たりするような障害にぶち当たります。
自分の人生はそれを振り返って考えるにはあまりに痛い失敗が多くて書けない。無理に書くと、目がウルウルして、文字がかすみ、実際涙がこぼれてしまう。
自宅で作業すると気分がのらないので、スタバとかマックとか、どっかの喫茶店とかで書くわけですが、自分のような初老の大男が、涙の粒を垂らして、鼻水をすすりながら、タイピングしている姿をさらすのは、あまりにしのびない。マジに通報される気がする。
さりとて自宅でその作業をすると、果てしなく落ち込む。そもそも書く内容に自宅で孤独死しかけたことも含めて書くわけですから。
書きたいけど、とても書けそうもない。それでも書き進められたのは、自分なりの働き方や、こんな僕を支えて、結婚までしてくれる人が現れたことで、自分のあまりに失敗の多い人生を前向きなものにとらえなおせる兆しができてきたからでした。
まるで夜明け前の東の空がうっすらと明るくなってくるように。
それでも、書いていると、泣けてしまうことに変わりはないのでなんとかせねばなりません。4人掛けのパーティションが高いボックス席を一人で長時間使わせてくれる、コンセントがある雰囲気の良い喫茶店を見つけることでそれを乗り越えました。
その喫茶店の環境は貴重で失いたくなかったので、コーヒーを何杯もお代わりして優良顧客であるように努めました。
準公務員の仕事を辞め、
初期のマイクロソフトを辞め
日本法人代表を無理しすぎて体を壊し、
その後もっとさらに深刻なことがあり
そんな経験から伝えたいことを何とか紡ぎだした本を何とか書き終えました。
そんな思いをして本を作ってみたのですが、それは素晴らしいことでした。
その本を読んで、『勇気をもらった!』 『力をもらった!』 と言ってくれる人が出て気来てくれたこと。
要職にある方から食事に招待してもらえる機会がでてきたこと
そして僕自身に一番良い効果を与えてくれたことがあります。
僕は成功経験以上につらい失敗経験を何度も思い出していました。なぜこうなってしまったんだろうと。それは手痛い経験の記憶を決して消えないザックリした深い傷のように心に刻んでしまい自分を苦しめてきていました。
それが本にして外部に表現することで、ああ自分はこの記憶をもう手放していいんだと、心が納得できたことのなのです。
本を出したことで、過去にケリをつけてまた前向きになれる。それはそれは素晴らしい経験をできました。
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