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学校が自己組織化する

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子どもと大人の共創読書会の熱量が上がってきた

自己組織化する学校では、子どもが学校に行っても、行かなくても、幸せに大人になれる社会を、多くの人たちの共創によって実現することを目指しています。

最初の1年間は、この想いに共感してくれて集まった人たちが、Zoomに集まって、ひたすら対話を続けました。

そして、不登校の子たちに向けた探求型のオンライン講座を2回実施しました。

教科学習をサポートする「ジコヨビ」も立ち上げようとしましたが、コンセ

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細胞分裂する教室を作る

自己組織化する学校の発起人の田原です。

学校に通うのが嫌になった子達が通いたくなる学校って、どんなものなんだろうって、1年以上考え続けています。

それで、不登校の子達とZoomで対話を重ねているんですが、その中で出てくるのが、「学校は、自分で決められないから嫌だ」という言葉。

さらには、「自分で決める力を育てたい」という言葉も聴かれました。

じゃあ、話し合いながら、自分で決めたことを一緒に

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(第1回)子どもと大人の共創オンライン読書会

(第1回)子どもと大人の共創オンライン読書会

自己組織化する学校の田原真人です。

自己組織化する学校は、「多様な子どもが、学校に行く/行かないに関わらず、自分らしく成長する過程を、共創によって実現する。」ということを目的にして活動しています。

想いに共感する460名の大人が集まり、2018年は、子ども向けのオンライン探究学習プログラムを2回、実施しました。

そこに参加してくれた中学生のK君に、次のように声をかけて相談しました。

「目的

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第6回「田原の窓」他己紹介で見えた姿

田原の窓もついに6回目。今回は代表のなかむーさんが用事で参加できず、スタッフの春日さんと4人の生徒さんが参加してくれました。

今まで登場してくれていたTさんや、Sさんは、すっかり慣れた様子。Tさんに至っては、回転いすに座ってくるくる回っていました。今回、初めて参加するHさんやMさんは、画面から外れたところで声だけの参加。

だんだんとお互いを知り合って、安心感が育まれていくのだなと、改めて思いま

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第5回「田原の窓」関係性が育ってきた

第5回「田原の窓」関係性が育ってきた

毎週1回、1時間だけ開く「田原の窓」

5週間続けた結果、あることが起こりました。

それは。。。。

知り合いだという感覚が生まれてきたんです。

お互いに話すのは、2-3度目ということもあり、最初に話すときの緊張感はすっかりほぐれて、昔からの知り合いと話しているかのようなリラックス感が漂ってきました。

気軽に話せる空気が生まれてきたことで、口数も多くなり、1時間があっという間に過ぎました。

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第4回「田原の窓」出会い、繋がり、企む

第4回「田原の窓」出会い、繋がり、企む

毎回、ミラクルが起こりまくりの田原の窓です。

今日は、長崎と気仙沼を繋ぎました。

長崎から中学2年生のRさん、気仙沼からは、第1回に登場した中学3年生のSさんが入ってくれました。

不登校をしている本人たちが、距離を超えてお互いに自分の気持ちを話して、当事者だからこそ分かりあえる部分で共感し合っている様子を見て、田原の窓の新しい可能性が生まれたことを感じました。

すぐ近くに分かってくれる人が

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第3回「田原の窓」14歳同士の会話

第3回「田原の窓」14歳同士の会話

週に1回、1時間だけ開く「田原の窓」

第2回に登場したTさんが、再び、田原の窓の前に来てくれました。

我が家にも同じ歳の娘がいて、ちょうど学校が休みだったので、14歳同士のやりとりを見守ることとなりました。

Tさんは、防弾少年団(通称BTS)のファンということで、最初は、その話に。

私たちが住んでいる東南アジアの国(どこの国かは、また今度)でも、BTSは人気で、娘の友達の間でも、よく話題に

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第2回「田原の窓」と防弾少年団

第2回「田原の窓」と防弾少年団

自己組織化する学校プロジェクトでは、決まったカリキュラムに従って子どもが学ぶというやり方もいいのだけど、その反対のこともやってみたいと思い、「田原の窓」という取り組みをしています。

フリースペース・つなぎに週に1回、Zoomで繋ぎ、「田原の窓」が開きます。

今回、窓から顔を出してくれたのは14歳のTさん。

お互いが暮らしている場所について話しているうちに、グーグルストリートビューを使って、お

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「田原の窓」が始まりました

「田原の窓」が始まりました

自己組織化する学校プロジェクトをスタートして10カ月が過ぎました。

計画的に進んでいるのではなく、行き当たりばったりで進んでいます。

どんな子どもたちと関わるのか、どんな人たちが、どんな想いを持って参画してくれるのかが分からないうちに「計画」を立てて進めると、計画と実際のズレが大きくなっていきます。

僕がやりたいのは、僕の頭の中にある計画を実現することではなく、子どものいのちが大切にされ、子

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学校が自己組織化する #14 未来へ橋を架ける

学校が自己組織化する #14 未来へ橋を架ける

私は2011年に起こった東日本大震災をきっかけに、社会のパラダイムが転換する必要があることを痛感し、考えはじめ、行動し始めました。

しかし、パラダイムシフトは、特に何の特権も持たない自分にとっては、どこから手をつけてよいかもわからない大きなテーマでした。

動き回らないと何も始まらないという内なる声に従って、やみくもに動き回っているうちに、2015年に社会変革ファシリテーターのボブ・スティルガー

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学校が自己組織化する #13 学校が合わせる

学校が自己組織化する #13 学校が合わせる

不登校の生徒に対して、適応指導というものがあります。

適応指導という言葉の前提には、子どもは学校生活に「適応」すべきであり、「不適応」の子どもには、指導して「適応」できるようにするという意味合いがあるのではないでしょうか。

学校に通っている子どもが「正常」であり、学校に子どもが通わない状況は「正常ではない」から、修正しなくてはならないという考えが、多くの子どもや、親を苦しめているのではないかと

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学校が自己組織化する #12 ジコヨビ

学校が自己組織化する #12 ジコヨビ

フリースクールを経営している江川和弥さんと話をしていて、高校には行かずに大学進学を目指す生徒向けに学習サポートをすることができる場所を作ろうという話になりました。

僕自身は、物理ネット予備校(フィズヨビ)というものを2005年からやっていて、2015年からは、オンライン反転授業という形で対話型の学びに挑戦し、参加者のやる気に火がついて、自ら動き出す場創りに手応えを感じていたので、それを土台にして

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学校が自己組織化する #11 子どもの創造性

学校が自己組織化する #11 子どもの創造性

オンラインの対話を重ねる中でいくつかの企画が立ち上がりました。

最初に始まったのは、「多様な学びプロジェクト」を主宰している生駒知里さんを中心とした小学生向けのSDGs講座。

「オンラインで水をテーマにSDGsを学ぼう!」は、平日の11時からという時間帯に実施したこともあり、フリースクールに通っている子や、ホームスクーリングしている子、海外在住の子などを中心に、13人の小学生が参加してくれまし

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学校が自己組織化する #10 パワー&ラブ

学校が自己組織化する #10 パワー&ラブ

3月に毎日対話を重ねているうちに、参加者も200名を超えてきました。

200人でどうやって合意形成をしながら、学校を作っていけばいいのか?

学校を自己組織化するというのは、どういうことなのか?

そのヒントになったのは、ホラクラシー組織やティール組織の考え方でした。

ティール組織では、1)自主経営 2)全体性 3)進化する目的 の3つが柱になります。

自己組織化する学校では、各曜日のグルー

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