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ランドヌールがツール・ド・おきなわ 市民140km走ってきたよ【レース編】

ポケモンマスターを目指すイナギタウンのタブチンは、
カントー地方で様々なポケモンをゲットし、
年に一度オキナワで開かれるポケモンマスター決定戦ツール・ド・おきなわに出場を決める。
図らずも昨年100kmで僅差で敗れた因縁のライバル、
チャンピオンのコバヤシリョウ選手との再戦が叶う。
打倒チャンピオンの思いを胸に、選び抜いた5体のポケモンたちと共にスタートラインに並んだ…

TRYCLE ツール・ド・おきなわ 市民140km 2023
  • タブチン・・・各地でポケモンを捕まえて共に戦うポケモントレーナー。癖の強いポケモンをまとめるのに苦労している。スプリンター

  • ぱやお・・・変顔と奇声で油断させ自分の有利な展開に持っていく最強のエース。タイプ:オールラウンダー

  • ISSEI・・・卓越したセンスとマメな性格で仕事を卒なくこなす遊び人。山では頭もバイクもぶっ飛ぶ。タイプ:クライマー

  • しもいで・・・我が道を行く弾丸スイマー。タイプ:パンチャー

  • カン・・・圧倒的な筋肉で全てを粉砕する。気付いたら脱いでる。タイプ:TTスペシャリスト

  • まさトゥー・・・最近ゲットされた野生のランドヌール。タイプ:ルーラー

スタート

普久川ダムの登りには前めで入るように位置取りを心掛ける最初のトンネルまでは埋もれないようにだけ気にして、2回目のトンネルまでにちょい上げする。
2回目のトンネルは出口手前で「ブレーキ!」の声がめっちゃ響くと同時に少し減速した。トンネル内で集団走行慣れてないのもあって落車とかなくて安心した。
そこからキツめの右折してちょい上げしながら左折し普久川ダムに突入した。

普久川ダムの登り

集団前めで登り開始。
自分が仕掛けるとしたら登りの最後KOM争い後なので頂上で前目にいれればよく、中盤以降で上げる人は上げるだろうと考えていた。
序盤からは結構上げる人達が数名いたがさすがにまだ早いだろうということで少し緩めて集団の流れに乗る。左からズルズルと下がっていくと途中から自分以外のTRYCLEメンバーが右から1列で上がってくる。
みんなより前にいないといけないのにやっちまったなぁと思いつつも左はスペースなく、前も右も人がいて動けない。

タブチン「前まさトゥーいなくね?」
自分「左にいまぁーっす!」

軽い段差に突っ込み転けそうになった。
ここで落車したら洒落にならん。
脚は残しておきたかったのでKOM争いには参加はせず、SHIMOさんの後ろから小林さんがちょいサシしたのを見送った。
結局強度的には5倍で想定より上がった。先頭付近まで上がってた分かな?

奥の登り

普久川ダム下り終えたら田口くんがアタック。
誰も追う気配なし。みるみる遠ざかって見えなくなる。

タブチン「行け!まさトゥーッ!!!」

奥のスプリントポイント手前で合図がかかる。
少し待って、下り坂になる曲がり角に入った瞬間10倍まで上げて逃げ開始。右、左とカーブが短く続くので一瞬で集団が見えなくなる。あとから聞いた話によると集団は逃げたことに気づいてない人多かったっぽい。
スプリントポイントを通過し、奥の登り口でスプリント賞を獲った田口くんに追いつく。その後すぐ中村さんが追いついて3人で回しながら登りをこなす。

海岸線爆走区間

奥のダウンヒル後の平坦区間は爆風でこれは速度伸びる!って思ったけど後ろから押される感じは無い。
風速は平均30km/h、最大40km/hだからそりゃそうか。

平坦区間の平均・最大風速

先頭のときは380-400W目安。
後ろだと270Wくらいだった気がする。
3人ローテだけど自分以外は軽量クライマーな感じなので二人が先頭のときは若干速度が落ちる。自分が先頭に出たら2,3km/h上げるがあんまりインターバルかからないように。集団に追いつかれたくなかったから速度はなるべく維持するためしょうがないっていうのと、平坦頑張るので登りはお願いします!って意思表示をしたつもり。
ここで補給はメインフラスクでジェルを1,2個入れた。
途中グランフォンドウォーター入りのボトルを落としてしまったが、今日は暑くないため残りはスピードウォーターと補給食、普久川ダムでスポドリ補給すれば大丈夫だろう。平坦区間での集団との差は1分。

普久川ダムの登り 2回目

登り始めで中村さんに声をかけられる。

中村「前ひいてもらってありがとうございます〜」
自分「平坦は得意なんですけどねw登りが苦手でwww」
(登りたっぷりひいてくれ〜)

中村さんに前をひいてもらうがしっかり5倍くらいでまあまあつらい。途中田口くんがドロップアウトして二人になる。二人で残り80km逃げ切るのはキツいな〜。学校坂まで逃げ切れれば下り基調だから慶佐次までは行けるとしてどこかで吸収されそうと思った。
登り終わりくらいで太ももらへんに攣りそうな気配を感じる。確実に気合で踏み抜いて逃げ切るのは不可能と悟ったので、できるだけ逃げる、中村さんに千切られない、集団に吸収されたあともついていける余力を残すということに集中した。中村さんとは完全協調体制を築くため登りや平坦で一気に上げすぎないようにしてる風を装った。実際はFTP強度以上踏み込むと攣りそうな感覚が悪化するからあげられなかった。勢いで登りきれそうなちょっとした坂だけ上げて脚残ってる感を出す。

ダウンヒル区間でモトにタイム差聞くと1m40sで何故か離れていた。2回目の普久川ダムの登りはペースが上がって5倍以上で上がってくると思ったけどあんまり上がってないのはなんでだろうと思いつつ学校坂そこまで上げなくても逃げ切れるかもと考えていた。
普久川ダムでボトルを受け取るが手前の人たちが持っていた白いボトルを受け取る。その後すぐ青いボトルを持った人が見えてミスったかもと思い飲んでみるとやっぱり水。
やっちまった〜。けどしょうがない。ジェルは多めに持ってるからなんとかなるだろうと切り替える。

学校坂

ポールがある左カーブは右側車線使って安全に侵入し、学校坂突入。いきなり激坂になるので速度落ちたら中村さんにすぐ変わる。斜度がぐっと上がるここはバイクも体重も重量級なので一番キツい。中村さんは1人で逃げることはしないだろうと思いただただついていく。
5倍で引いてもらって助かった。

学校坂の下りは普久川の下りよりカーブが緩いためはやい速度でカーブして行けた気がする。と思って調子乗ってぐんぐん下ってくと途中でズルっと滑る感じがしてめちゃくちゃビビった。このあとから少し慎重に下った気がする。
下りの直線は300Wくらいを目安で踏んだ。

慶佐次の登り

ここから先はあんまり記憶がない。
だいぶ足攣りが来そうな感じで変な汗出てた気がする。
登りは5倍目安で下りは全然踏んでない。

又吉コーヒー坂

ここもなんも記憶ないけど登り5倍のイメージ。
ここらへんで集団真後ろに見えてる位置とオフィシャルから伝えられたと思う。

ここが終わってから海岸線の平坦ですぐ後ろに集団が見えた。と思ったらISSEIさんが楽しそうに1人で突っ込んできた。逃げれる逃げれると言われ足攣りそうだから無理っすと断りたかったけど中村さんがいるのでまだ行ける風を装って白目向きながら6倍で踏む。

有銘の登り

登り始めまでは気合で踏んで速度落ちたらISSEIさんに前出てもらうも集団がすぐ後ろにきて逃げ切れないと悟って踏みやめる。中村さんとの楽しい旅はここで終了。
集団に入ったらTRYCLEのみんながお疲れと声かけてくれてもうあとは思う存分暴れてくださいとマジで思った。

タブチン「よくやった!戻れ!まさトゥー!」

その後今までにないくらいめっちゃインターバルかかってて一瞬で脚に電気走って9割攣った。
こっから人生初の集団インターバル地獄が始まる。

右脚伸ばさないといつでも攣れる状態なため、下りは右カーブでも右ペダルを下にして伸ばし続けた。

嘉陽の坂

ダンシングは脚を伸ばすためのストレッチ。

安部(カヌチャ)の登り

たぶんここ意識飛んでる。

羽地の登り

登り前の平坦でみんなボトルの中身を捨て始める。
登りに備えて軽量化をしてると気づくのは登り始める少し前。
登りが始まり集団先頭が一気に加速したのに合わせて踏み込む。
同時に内ももが完全に攣り脚が回せない。
集団との差があっという間に開いて見えなくなる。
目の前が真っ白になった。
なんとか意識を取り戻して攣る気配が減ったら少しするとしもいでくんに追いつく。
アタック潰しでたいあたりを繰り返して遂にPP使い切ったようだ。
トンネル前で数人パスして前も後ろもいないため、残りは1人でゴールを目指す。絶対追いつけないけれども、ワンチャンあるかもしれないと思って一応頑張る。

下りで名護の街が見えようやく終わるなと思って瀕死の状態で悪あがきしてみる。

ゴール

下り終わったら58号の右カーブを安全に曲がって最後の力振り絞って踏む。ゴール前二人いるのが見えたけど追いつけずフィニッシュ。

結果

個人の成績としては二つ。

  • 21位(シード権獲得)

  • スプリント賞獲得

個人成績

チームとしては2位、3位で表彰台に上がれた。
だけど目標にしてたTRYCLE優勝は叶わなかった。
またしても小林さんに持っていかれてしまった。

表彰台上がるがまたもチャンピオンに阻まれるTRYCLE


めちゃ踏んだ

今回レースをしてみてチーム戦めちゃ面白いなと思った。
誰かを勝たせるためにそれぞれが役割を持って動いて、自分が勝てなくても過程がチームの勝利に繋がってくれれば嬉しい。
逃げは想定通りできたけども、集団はあまり追ってきてなかったのかなと思う。たぶん逃げが脅威じゃなかったんじゃないかと。集団にタイム差が伝わってなかったってのもあると思うけど、2人くらいなら後で吸収できると思われてたのかもしれない。TRYCLEからもう一人くるか、数人逃げに入るよう調整できたら良かったのかも。ただ複数人だとそれぞれの思惑が交錯しまくってまとまらなかったりするのかもしれない。ISSEIさんが力持て余してたのでもっと早めに吸収されるくらいが良かったんじゃないかな。もしくは一回目のKOM後もっと早めにでかけたほうが良かったか。それか死亡覚悟でめっちゃ踏んでタイム差つけまくって焦らせるとか。
あとは補給がミスった。メインでとっていたフラスクの中のジェルは電解質入ってなかったから全部スピードジェルにして前半からガンガン飲んでいれば足攣りが軽減されたかも。直前に酷い足攣りになると1週間じゃ治らなかった。攣らないようにマネジメントできるようになりたい。筋肉の使い分け、集団の使い方とか。
タイヤはGP5000で6.8barと高めだったけどもっと下げるか、グリップのいいものに変えたらカーブで減速しなくても良くなったりするのかな?いろいろ試してみよう。
練習量とかメニューみたいなのはあんまりこだわってなかったから調べないと。一番は自分で考えて判断して決断できなかったのが反省かも。結局仕掛けるタイミングはタブチンさんに任せてしまったし、事前に決めたとおり吸収されるまで逃げて集団についていけるように少し脚を残すってことしかやれてなかった。結局脚も残ってないし。勝ち筋のパターンが自分の中で完全にはイメージできてなかったから自分の能力と他のレーサーとの相対的な能力を把握する力をつけていきたい。

今後について

レースめっちゃおもろいなってことでロードレースに挑戦していきたい。ブルベは自分や環境への挑戦って感じで、戦略、駆け引きとかは無かったのでソコらへんも楽しんでいこうと思う。今回はタブちんさんに誘ってもらっていい経験できました!ありがとうございます!

タブチンのポケモンマスターへの道はまだまだ続く……

TRYCLE ツール・ド・おきなわ 市民140km 2023 -完-


チーム最高


スプリント賞で頂いた琉球ガラスのコップ

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