急逝した父の火葬のみの葬儀が、最低最悪の葬儀社に当たってしまい、あまりにあんまりだったので。四十九日に合わせて、家族でお手製のお別れ会をすることにした。

葬儀代わりのお別れ会……の会場

まず、決めないといけなかったのは、どこでやるか。
実家は狭く、駅からもかなり遠いので、何をするにも向かず。隣駅にほど近い、母に縁のある事務所の広間とキッチンを借りた。
公民館とか、文化会館とかも見てたけど、費用とスケジュールと駅からの距離とかいろいろ考えて、そこにした。


テーブルで台を設え、それらしくするための白いテーブルクロスでおおって遺影を置き、その両側に大きな花を飾って。お焼香代わりに献花を用意。

ネットで見てた某大手花屋さんの4万相当の花飾りがいいなと思ってたんだけど、義弟の親友が実は葬儀屋さんだった！　ので、相談したら（大手の半額程度で）そのくらいの見栄えの素敵なお花を準備してくれた。今回は、ブランドなんかどうでもよくて。「お花たくさん」の見た目の華やかさほうが母の心のつかえを取るためにも断然重要だったし。
（このお友達が本当によくしてくださったので、いつかくる母の葬儀のさいにはこちらで頼もうと妹と決めている。隣県の業者さんだけども）

父の写真や、父がイタリアから「いつか自分の店を出すときのために」と買ってきてたけどけっきょく使わなかった装飾品とかを飾ってみた。

そして、精進落とし兼おもてなし用のケーキとサンドイッチとお寿司と、ケータリングをたのみ、ドリンクとお酒も準備して。だいたい4～5万くらい。

誰を呼ぶか。

親類縁者……なのだけど、近くにいる親せき以外は、遠方の高齢さんたちだったりして、なかなか来てもらいにくかった。
それでもわざわざ遠くから来てくださる方々もいて、ありがたかった。

とりあえず、父の友人知人仕事関係の方々にお知らせのはがきを作って送り、芳名カードも準備。
カードのデザインをして印刷しながら、父が定年退職したあと、再就職するための名刺作りを頼まれ……いろいろあって拒んだことを思い出してた。
その分、芳名カード凝ったから許しといてもらおう。

お返しの品。

来てくれた人たちへのお返し用の品（要は香典返し）を、父に縁のイタリアと故郷の秋田にちなんだものを用意することにした。
オリーブオイルと、ハタハタのオイル漬け缶詰。
ネットで探して注文したら、大きさをミスって別の物を買い直したり。
それを包むクラフトペーパーや手提げ袋を用意したり。
前日夜に、家族親類総出でくるくる割れ物保護して、包装して、手提げに詰めて準備した。
なんやかんやでミスもあったりで、結構な出費。
ありがたいことに、予想より多くの人たちが来てくださったので、最後ちょっと足りなくなりそうで焦った。

お別れ会当日。

BGMにはカンツォーネを流して。
開始時間に準備が追いつかずバッタバタしてたけど、時間ちょうどには、ありがたいことにイタリアンのシェフだったころに同じお店で働いてた方々とかも大勢きてくださって、いろいろお話聴くことができた。
わざわざお店閉めてきたり、新幹線で来てくれたりもいて。ありがたい。

中でも特に親しくしてたという方々は、直後にウチにもきてくれてて、その後、「偲ぶ会」もしてくださってた（母がお礼に心ばかりの酒代を送ってた）。

父の長年の友人や、話には聞いてたけど初めましてな親類縁者が何人も来てくださったりとか。私の知らない父の話がいっぱい出てきた笑
え、そんな人だったのかー……？　みたいな。

親せきが何人か手伝いに来てくれて、終わったあとに打ち上げご飯をした。まあ、当然そのお代もウチが持つよね。

これらもろもろ、トータルでも20万弱かな。
「葬式代」と思えば、安い方。
平服で、お志はご無用で、と案内出したけど、まあだいたいは落ち着いたスーツで、香典も持ってきてくださるし。

葬儀屋に頼んだら、手配や準備のめんどくさいのはぜんぶやってもらえるのだろうけれど。あの最低最悪の葬儀屋にこれだけのお金を払わずに済んで、よかったと心底思う。お手製の方が、家族で「送った」感があったしね。
四十九日たってたから、心のほうにも余裕ができてきてたし。

ただ、これを初七日までに自分たちでできたか、といわれると、それはムリだったと思う。精神的にも肉体的にもキツくて。

まあ、ウチが「無宗教・無神論者」だったからできたことなのかもだけど。

ちなみにこの辺のめんどくさいのすべてまるっと業者にやってもらったら、数十万～百万単位。だから、葬儀社の下調べはやっぱり、ちゃんとしておいたほうがお得にできるかも。

お読みいただき、ありがとうございます。
よろしければ、こちらもよろしくどーぞ。
『死ぬとお金がかかります。』
１. 老いた親との別れ方。
２. 父がぽっくり逝きました。
３. 葬式は、どうする？
４. 戒名って、要るの？
５. 仏壇が、ないのだよ。
６. お墓も、なかったのだよ。
７. 死後の手続き。
８. 葬式代わりのお別れ会（お手製）
９. 遺品整理も大変なのだ。
10. 死ぬと入ってくるお金。
11. 父親との最後の会話。
番外. 親友の義母の場合。