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常識的なレベルの時間を使ったのでは創造的な仕事はできない。

今から15年前、日経新聞に青色ダイオードの中村訴訟で 200億円の支払い判決を勝ち取った弁護士、升永英俊氏のコラムが書かれており、私はとても感銘を受けました。以下はその内容です。

「天才ではないので時間を使えば使うほど勝訴率が上がると確信しています」
「常識的なレベルの時間を使ったのでは創造的な仕事はできません。そのためにはムダを省き、勝訴に向け集中するほかありません。ほぼ毎日、事務所の机の隣で寝ます」

「サウナも、浴槽にも入るのをやめました。15分がもったいないのです。
『今日も大好きなサウナを我慢しているんだぁ』。これが至福の瞬間です」

「深夜、『今日も集中していたなぁ』と二代目になった寝袋に入ります。反省する日もありますが、後悔するのは実は充実しているからなのですね」

25歳の駆け出しの自分は、

若いうちの苦労は買ってでもしろ!
残業なんて関係ない。
給与のための仕事ではなく、仕事と大義が密接していることが大事。

こう思って仕事と向き合っていたので、升永先生の言葉はとても心に刺さりました。

とはいえ、このコラムをみたのは2004年。今は働き方改革で長時間労働の対策が積極的に行われています。

最近、「残業学」という本を読みました。

2004年に感銘を受けた言葉とは全く逆のお話。でもこちらも結構腹落ちしました。特に残業の麻痺のお話。

45〜60Hの残業は、主観的幸福感は下がっているが、80H以上は幸福感が高まる。

仕事にグッと集中し、完全にのめり込んでいる、没入状態。いわゆるゾーンに入っている状態ってやつですね。最近、社内の人事制度を見直し、約2ヶ月かけて作りましたが、

評価項目を作ってはやっぱ違う・・・
もう1回0から作ってみよう・・・
なんか違う・・・

の繰り返し。5パターンくらいは作った気がします。GWの休みを利用して家族には色々迷惑をかけましたが、ゾーンに入っているときはちょっとした幸福感がありました。

残業学のお話はとてもよかったのでマインドマップにまとめたのでよかったらチェックしてみてください。

https://cellsdocuments.azurewebsites.net/files/zangyou1.pdf
https://cellsdocuments.azurewebsites.net/files/zangyou2.pdf


2004年と2019年では社会が大きく変わっています。

36協定にも罰則が設けられている時代。私たちの社労士部門チームのサイトにもこれだけの36協定の記事を掲載しています。

長時間労働是正は、経営のリスクを減らし、業績にインパクトをもたらすためにもやるべきです。そして社労士事務所や企業の人事担当者は、以下のことを理由に毎月の残業時間チェックが必要だと思います。

36協定のため。限度時間以内に収まっているか?36協定の限度時間を記載する際の目安。

メンタル予防やストレス軽減のため。残業が多い人とはなぜ残業が多いのか、メンタルは大丈夫か、などの面談のため。

仕事の振り分けを考える資料のため。残業が多い部門は他の部門への仕事振り分けを検討しなければならない。残業が多い部門の職務内容見直しも必要。

求職者に平均残業時間を伝えるため。プライベートな時間や自己啓発の時間を確保できない職場に求職者は集まらない。

昇給や人件費のシミュレートを行うため。固定要素を変更した際、人件費がどれくらい変動するか試算するため。

繁閑を明確にするため。繁閑を明確にした上で、有給の計画的付与や年間就労カレンダーを作成した方がいい。


でも仕事が終わったあとの時間は、自分の好きな時間に充てれますね。ゾーンに入って仕事するのは、個人の自由であり、何かに夢中になって取り組むのは、仕事を楽しむ上でとても大事な時間です。

考え抜く力 × 工夫 × 情熱

創造的な仕事をするには、この3つは欠かせません。最近まで、私はこの3つを高い技術、惜しまぬ工夫、燃える情熱、と言っていましたが、もう少しシンプルにしたい、と思いこの3つの掛け算に変えました。自分への信頼と評価は、自己成長とお客様と会社への貢献の後に必ずやってくると思っています。

ただし、組織で働く以上、ルールは必要です。ルールを守った上で、自分の意思で創造的な仕事に取り組んで欲しい。イノベーションの本質は「新結合」。イノベーションには掛け合わせが必要です。複数人で働いている職場は、まずは組織力を生かすことが大事ですね。
Cellsは、人事労務管理とITの掛け合わせ。融合領域のシームレスソリューションを開発し、健全な企業発展のためのサービスを研究し続けたいと思います。


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