見出し画像

『Most Likely to Succeed』という未来の教育について対話するためにつくられた映画

『Most Likely to Succeed』という未来の教育について対話するためにつくられた映画がある。
動画配信されてなくて、TSUTAYAでDVDレンタルもされてない作品だけど、日本国内では教育関係者を中心にじわじわと認知度が高まってきている印象がある。
国内の上映会が200回以上/36都道府県で実施されていて、鑑賞者は4000名以上になるそうな。(FutureEdu調べ)

・『Most Likely to Succeed』とはどんな映画か?
・なぜ『Most Likely to Succeed』に注目が集まるのか?
・なぜ『Most Likely to Succeed』の上映会がこれだけ流行ったのか?

この記事ではこの3点についてご紹介したい。

『Most Likely to Succeed』とはどんな映画か?

『Most Likely to Succeed』という映画は、
VUCAと呼ばれる
不安定(Volatility)で、
不確実(Uncertainty)で、
複雑(Complexity)で、
曖昧(Ambiguity)な現代の世界の中で、
機能しづらくなってきた従来型の教育の課題を明らかにして、ローカルごとに必要な未来の教育を語り合うための触媒となるようつくられている。

Most Likely To Succeedは、現在のイノベーティブな世界において機能しづらくなった従来型の教育が持つ課題を明らかにするドキュメンタリー映画です。本作品は教育改革につながる新しい教育手法について緩急をし、全国の学びのコミュニティにおいて、生徒や先生方ができることの可能性を思い描くインスピレーションになっています。
グレッグ・ホワイトリー(監督)&テッド・ディンタースミス(プロデューサー)

※トレーラー動画はインジケーター横のCCというボタンをタップすると日本語字幕の表示ができます

教育自体が複雑なように、この映画も情報量が多く複雑で、鑑賞者によって着眼点や解釈が変わってくる。
そしてここが対話と相性がいいポイントとも言える。

なぜ『Most Likely to Succeed』に注目が集まるのか?

国内の上映会が200回以上/36都道府県で実施されていて、鑑賞者は4000名以上になるそうな。(FutureEdu調べ)

注目されている背景には
2020年の学習指導要領改訂」と
PBL(Project Based Learning)/プロジェクト型学習への注目
があると思われる。

『2020年の学習指導要領改訂』
こちらは「アクティブラーニング」「PBL(Project Based Learning)/プロジェクト型学習」「反転授業」「EdTech」に関わる人を増やしたものとして、教育関係者にはお馴染みのものかな。
2020年の学習指導要領改訂では、「主体的・対話的で深い学び(アクティブ・ラーニング)」の視点からの授業改善を重要視している。
そしてアクティブ・ラーニングの手法のひとつとして注目されているのが、PBL/プロジェクト型学習で、『Most Likely to Succeed』は、アメリカの先進的な学校(High Tech High)でのプロジェクト型学習を追ったドキュメンタリーでもある。

なぜ『Most Likely to Succeed』の上映会がこれだけ流行ったのか?

流行りの火を付けたのは、FutureEduによる自主上映会を促す仕組みにあるのではないかと思う。

FutureEduによる自主上映会を促す仕組み

1.FutureEduによる自主上映会実施方法の紹介
米国サイトに注文する方法、FutureEduと共催で実施する方法、他のライセンスホルダーと共催する方法に触れられている。
僕自身、FutureEduと共催で何度か上映会を実施していて、上映会での映画使用料相場(5万〜10万/回)と比べるとかなり安い金額なのも上映会をしやすいひとつのポイントかと思う。

2.Facebookグループ「Most Likely to Succeed 自主上映会コミュニティ」
2019.8時点で1000名程度のグループとなっているが、こちらでよく自主上映会の情報が共有されている。
FutureEduのサイトでも上映スケジュールが紹介されている。

3.上映会+対話のワークショップ
こちらも大きなポイントのひとつで、『Most Likely to Succeed』の上映会の多くの場は、上映会+対話のワークショップで構成されている。映画上映90分+対話90分の3時間くらいが多いかな。
複雑で答えのない問いに、対話で納得解を出す仕組みは、Teal組織xADB(Active Book Dialog)にも通じるところがあるだろうか。
ワークショップを体験した人が、自主上映会を開催したり、ワークショップによりコミュニティが形成されるということが起きている。

興味深いなと思うのが、「未来の教育」という複雑で答えのない問いに対して関心を持つ教育関係者は多く、教育関係者自身が能動的に自主上映会に参加して、自分の教育現場にどう学んだことを活かすか?について対話している人が多いこと。そしてその後にアクションを起こしている人も多そう。
「作品(触媒)+対話(ワークショップ)+コミュニティ」
抽象化するとこんなモデルになると思うけど、このモデルは今後流行りそうな気がする。

ちなみに『Most Likely to Succeed』は、昨年10回近く観ていて、今年も5回以上は観ることになりそう。
10回の内半分が、自分が自主上映会や研修/ワークショップのファシリをしたもので、もう半分は自分以外の方の場に参加したもの。
ご縁があってこの映画を使って高校の先生に研修をさせて頂いたり、教育関係者+保護者+学生が集まる場でワークショップをさせていただく機会が続いてる。
ワークショップやりたいから手伝って!って話があればお気軽にご相談くださいませ。

追記:オンライン視聴方法

2020年からVimeoで『Most Likely to Succeed』の視聴が可能となっています。詳しくは以下をご参考に。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?